IR部門で働くには

IRになるまでの道のり

就職するまで

IRは、投資家や株主への報告業務や質疑応答をおもな業務とする職種ですので、IR部門が設置されているのは、証券取引所に株式を上場している企業に限定されます。

つまり、現状中高生などの学生がIRになるためには、まず上場企業の社員にならなければならないということです。

一概にはいえない部分もありますが、上場クラスの大企業に総合職として就職するためには、4年制大学に進学することが条件となるでしょう。

大学で専門的な勉強を積みつつ単位を取得し、最終年度に新卒採用試験にエントリーし、筆記テストや面接などの数回の試験をすべてパスすると、翌年の春に上場企業に入社することができます。

就職してから

IRは、会計や経営に関するスキルや、自社の事業内容に関する深い理解など、数多くの専門知識を兼ね備えていなければなりません。

このため、たとえIRを志望して採用されたとしても、入社してすぐIR部門に配属されることはありません。

将来的にIRに抜擢されることを目指しながら、まずは別の部署でキャリアを積んでいくことになります。

数年スパンで異動を繰り返しながら、さまざまな部署で経験を積んだうえで、適性と能力があると人事部に認められれば、晴れてIR担当者として働くことができるようになります。

IR部門になるまでのルート

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IRの資格・難易度

IRとして働くにあたって、絶対に取得しなければならない資格はとくにありません。

IRと関連性の高い資格としては、日本IRプランナーズ協会が認定する「IRプランナー(CIRP)」、通称「サーブ」という民間資格があります。

IRプランナーは、企業分析や敵対的買収防衛策、インサイダー取引規制など、IR担当者に求められる専門知識を認定するための資格です。

資格には、初心者向けの「CIRP」と上級者向けの「CIRP-S」の2種類があり、CIRPは全4科目、CIRP-Sは全7科目に合格すると認定となります。

それぞれの難易度についてみると、入門編となるCIRPの合格率は近年50%前後で推移しており、そこまで難しくはありません。

一方、CIRP-Sは、年度による合格率のバラつきがかなり大きいものの、合格率0%、つまり受験者全員不合格という年もあり、非常に難しい試験であることがうかがえます。

参考:特定非営利活動法人日本IRプランナーズ協会

IRになるための学校の種類

IRになるための学校としては、4年制大学の経済学部や経営学部、商学部などが挙げられます。

就職するうえでは、法学部や文学部でも問題はありませんし、あるいは理系の学部でもかまいません。

しかし、経営学や会計学、マーケティングなどを修めておいたほうが、IRに関連する部署に配属される可能性が高まります。

今後進路選択を控えている人については、経営系の学部学科に進学することをおすすめします。

また、就職した後、社会人を対象とした「ビジネススクール」と呼ばれる学校に通い、「MBA(経営学修士)」を取得することで人事部にアピールするという方法もあります。

ビジネススクールの履修期間は2年間、学費はトータルで300万円~500万円ほどが相場とされています。

経済的負担はかなり重く、また働きながら夜間や休日に学校に通うのは大変ですが、IR部門を目指すなら、MBAホルダーになることはきわめて有効といえるでしょう。

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IRに向いている人・配属されやすい人

IR担当者は、決算発表会で株主相手に壇上で説明したり、投資家を招いて自社工場の見学会や視察会を開催したりと、大勢の前でしゃべることの多い職種です。

このため、たとえば学生時代にクラスの委員長や生徒会長を務めたことがあるなど、人前でも緊張せずに上手に話すことのできる、プレゼンが得意なタイプの人は、IRに向いています。

また、財務内容や経営状況を把握するための会計知識や、海外の投資家に対応するための英語力など、IR担当者はさまざまなスキルをハイレベルな次元で備えていなければなりません。

自己研鑽に励んで、簿記の資格を取ったり、TOEICを受験してハイスコアを獲得したりすれば、IR部門に配属されやすくなるでしょう。

IRに向いている人・適性・必要なスキル

IRのキャリアプラン・キャリアパス

IR担当者になるまでのキャリアプランは人によってさまざまで、これといって決まった道すじがあるわけではありません。

ただ、傾向としては、財務部や経営企画部、広報部などからIR部門に異動するケースが目立ちます。

IR担当者として数年ほどの業務を経験した後については、関連する部署に再び配置転換となり、部長などの管理職に昇進することが多いようです。

人によっては、専務や常務といった役員にキャリアアップし、取締役の一人として会社経営に参画するケースも見受けられます。

IRがたどるキャリアパスは、ひとことでいうとサラリーマンとしての「出世コース」といえるでしょう。

IRへの転職を検討するなら、転職エージェントに相談してみよう

未経験や中途でIRを目指す場合には、転職エージェントに登録しておくのもおすすめです。

IRの仕事に詳しい転職アドバイザーから話を聞くことができたり、IRの「非公開求人」の情報を得ることができます。

まだ転職するか迷っている、そもそもIRが自分に合っているか不安という段階でも、専門家のアドバイスを聞くことでキャリア選択の幅を広げることができます。

リクルートエージェントは、転職エージェントの中で最も求人数が多く、転職実績もNo.1となっているので、まず登録しておきたいエージェントです。

また、20代の方や第二新卒の方は「マイナビジョブ20's」に登録してみるとよいでしょう。

20代を積極採用している企業の案件が多く、専任キャリアアドバイザーによる個別キャリアカウンセリングを受けることができます。

なお、対応エリアは「一都三県・愛知・岐阜・三重・大阪・京都・兵庫・奈良・滋賀」となります。

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