IRに向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介

IRに向いている性格・適性

人前で話すのが得意な人

IR担当者は、決算説明会で株主を前に壇上でスピーチしたり、投資家を招いて自社施設の見学会や視察会を開催したりするなど、たくさんの人の前で話す機会の多い職種です。

このため、IR担当者には、たとえば学校の先生や予備校講師のような、難しい内容を誰にでもわかりやすく説明する能力が求められます。

大勢の人に対して正確に情報を伝えるにはかなり高度なテクニックが必要であり、言葉選びや表現方法、声の大きさ、間のとり方、表情、身振り手振りなど、細かいことに気を配らなければなりません。

そうしたプレゼンテーション能力の高い人は、IR担当者に向いている人材といえます。

クラスの委員長や生徒会長などを務めたことのある人は、そのときの経験を生かしやすいでしょう。

逆にいうと、多くの人に注目されると緊張してしまう、頭が真っ白になってうまく言葉が出てこないというタイプの人は、あまりIRには向いていないかもしれません。

人付き合いが得意な人

IR業務を効率的にこなすためには、「社内の事情にどれだけ精通しているか」がきわめて重要になります。

IR担当者は、営業部や企画開発部、財務部、経理部など、さまざまな部署の社員と密にコミュニケーションを図り、最新の内部情報を収集しなければなりません。

したがって、IR担当者には、社交的な性格で、人付き合いの得意な人が向いているでしょう。

私生活でも友人や知り合いが多く、自然と広い交友関係が構築できるという人や、SNSが好きでフォロワーが多いという人は、IR担当者の資質があるといえます。

判断能力の高い人

IR担当者は、日々の業務のなかで得た情報を分析・評価し、「どの情報を公開し、どの情報を公開しないのか」を判断しなければならない立場にあります。

外部に公開するだけでなく、社内の経営陣に対して、株主や投資家から寄せられた意見のうちどれを伝えるか選ぶこともIR担当者の仕事です。

したがって、IR担当者には、大量の情報をすばやく取捨選択し、重要なことだけを見極めることのできる人、端的にいえば判断能力の高い人が向いています。

学生生活に置き換えて考えてみると、国語の表論文などの文章読解が得意で、短時間で的確に要点をおさえられるという人は、IR担当者としての適性が高いでしょう。

IR部門で働くには

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IRに必要なスキル・能力

会計知識

IR担当者には、自社の決算内容を正確に理解するための会計知識が不可欠となります。

きちんと個々の数字がもつ意味や背景を把握していないと、株主や投資家に対して説明できませんし、その場で質疑応答に答えることもできません。

過去の数字の流れを読み解いて、将来の業績予想を立てることも求められます。

できれば学生のうちに、BS(貸借対照表)とPL(損益計算書)の読み方など、基礎的な簿記について勉強してみることをおすすめします。

英語力

現代のビジネス社会は、どんな業界でもグローバル化がもはや当たり前となっており、IR担当者を配置する上場企業の多くが、海外に営業拠点や生産拠点を構えています。

IR担当者は、海外の投資家を相手にすることも頻繁にあり、英語で質問に応じたり、文章で回答したりしなければなりません。

このため、IR担当者には、ビジネスで通用するレベルの英会話スキルや英作文スキルも必要です。

目安としては、TOEICスコアで730点以上とされるケースが一般的であり、中途採用の際にも、このラインが応募条件となることが多いようです。

IRに向いていないのはどんな人?

主観的になりやすい人

IR担当者の役割は、投資家から見た自社の評価を、最大限に高めることです。

そのためには、IR担当者は「社内でもっとも自社を客観視」しなければなりません。

自分の価値観や感性、意見などに基づいて考えてしまう、行動してしまうという、主観的なタイプの人は、IR担当者には不向きです。

IR担当者を目指すなら、物事を冷静に客観視する努力が必要になるでしょう。

ストレスに弱い人

IR担当者は、いうなれば「会社の顔」であり、その発言のひとつひとつに大きな影響力をもつと同時に、重い責任が伴います。

IR担当者の対応ひとつで株価が上下することもあり、精神的なプレッシャーに耐えなければならない職種です。

株価にマイナス影響を与えるような情報を公開しなければならないときは、とくに胃の痛い思いをすることになります。

気が小さく、ストレスに弱いという人や、もっと気楽な立場で仕事がしたいという人は、IR担当者を目指さないほうが無難でしょう。