インテリアデザイナーの年収はいくら? 給料についてくわしく解説

インテリアデザイナーの平均年収・給料の統計データ

インテリアデザイナーは、華やかな印象を抱かれがちな職業ですが、そのイメージ通りに、仕事はクリエイティブな楽しさがあります。

しかし、給料面については、ほかのサラリーマンとほとんど変わらない、ごく一般的な水準に留まっています。

むしろ、仕事の難しさや拘束時間の長さ、納期間際の体力的・精神的な過酷さなどを考慮すると、ハードワークに見合うだけの待遇とはいえないかもしれません。

ただし、キャリアを積んでフリーランスとなると大きく収入を伸ばせるチャンスもあり、デザイナーとして名を馳せれば、年収1000万円以上を得ることも可能です。

インテリアデザイナーの平均年収・月収・ボーナス

賃金構造基本統計調査

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
インテリアコーディネーター・インテリアデザイナー
(転職会議)
342万円 20代前半:297万円
20代後半:298万円
30代:384万円
40代以上:381万円
インテリアデザイナー
(Indeed)
451万円 月給22.0万円
時給1,571円
インテリアデザイナー
(憧れクリエーターのお仕事図鑑)
300万円~450万円 -
ファッション/インテリア関連
(DODA)
356万円 男性:412万円
女性:338万円
20代:285万円
30代:370万円
40代:458万円
50代以上:466万円
インテリアデザイナー
(求人ボックス)
421万円 月給35万円

各社の統計データをみると、インテリアデザイナーの平均年収は350万円~450万円前後が実態であると推察されます。

年齢別にみても、働き盛りとなる30代後半あたりで、中央値に近い年収400万円台に達するケースが多いようです。

インテリアデザイナーの手取りの平均月収・年収・ボーナスは

平均的なインテリアデザイナーの年収を400万円、ボーナスを月給の2ヵ月分と想定すると、月給は約29万円、ボーナスは約57万円です。

そこから、所得税や住民税などの税金、社会保険料などを差し引いた手取り収入は、独身の場合で月々約23万円~24万円、ボーナスが約47万円です。

生活していくぶんには問題ありませんが、将来の備えにまわすお金なども考えると、贅沢をする余裕はあまりないかもしれません。

とくに結婚して子どもができると、養育費や学費などを捻出するため、配偶者とともに共働きで生計を立てないといけない可能性が高いでしょう。

なお、小規模な事務所などでは、まったくボーナスが支給されないケースもあるため、給与体系は就職前によく確認しておくことが必要です。

インテリアデザイナーの初任給はどれくらい?

インテリアデザイナーの初任給は、大卒の場合で月給20万円~25万円、専門学校卒の場合で18万円~23万円くらいが相場です。

就職先によって多少の差があるものの、ほかの職業とほぼ同じくらいの水準ですが、1年目から労働時間が長いため、残業手当のぶん若干収入が高い傾向にあります。

ただし、新人や若手時代は、労働時間の長さもさることながら、勉強しなければならないことも非常に多く、しばらくはほぼ自宅と仕事場を往復するだけの日々になる可能性が高いでしょう。

遊ぶ暇がないために、結果的に同世代のほかの職業よりお金が貯まりやすいかもしれません。

インテリアデザイナーの福利厚生の特徴は?

インテリアデザイナーの福利厚生は、事務所の規模によるものの、社会保険や雇用保険、通勤手当、残業手当など、最低限の制度はほとんどの事務所で整えられています。

しかし、インテリアデザイナーの仕事は各自の裁量に委ねられている部分が大きく、定時を超えて働いたすべてに残業手当が支給されるわけではありません。

また、納期直前になると、休み返上で作業を続けないといけないこともめずらしくありませんが、たとえ土日に事務所に出ても、必ず休日出勤手当が付くわけでもありません。

そうした実状を踏まえると、インテリアデザイナーの福利厚生は、一般的な会社員などよりもやや劣っているといえるかもしれません。

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インテリアデザイナーの給料・年収の特徴

実力主義の傾向が強い

インテリアデザイナーの給料は、新人~中堅の頃までは、仕事を覚えてできることが増えるにつれ、着実に昇給していきます。

しかし、一通りのことをこなせるようになって以降は、徐々に年功序列というよりも実力主義の傾向が強まり、給料の一部にインセンティブ(成果報酬)が取り入れられている職場も散見されます。

このため、キャリアを重ねるほど、個人差が大きく開いていくのがインテリアデザイナーの給料の特徴です。

さらに、独立してフリーランスになると、勤務時代よりもなお一層、実力による収入差は顕著になります。

たとえば新商品のデザインを手掛ける場合、その販売量によって報酬が変動するケースもよくあり、ヒット商品となれば大金が支払われる一方、売上が伸びないと得られるお金は僅かです。

また、成果が出れば次の仕事の依頼につながりますし、反対に人気が出ないと依頼も途切れがちになりますので、デザイナー間の格差はより拡大していくことになります。

時給に換算するとかなり安い

上述した通り、インテリアデザイナーは労働時間が長くなりがちな職業です。

企画のアイデアがなかなか思いつかず、深夜までデスクワークに追われることもありますし、制作作業に没頭するうちに終電を逃すような人もいます。

また、物件の引き渡しやイベントの開催日が差し迫ってくると、現場に泊まり込みで連日徹夜作業をこなさないといけないこともあります。

給料が平均的なサラリーマンと変わらないのに働く時間が長いということは、月収や年収の額面としては相場並みであっても、時給に換算するとかなり低いということです。

インテリアデザイナーのなかには、自分のセンスを発揮できる仕事が好きで、仕事漬けの毎日が楽しいという人も大勢います。

しかし、少なくとも金銭的にみる限りは、インテリアデザイナーはあまり割に合った職業とはいえないかもしれません。

海外のほうが収入が高い

インテリアデザイナーを含むアートディレクション系の職業は、日本よりも海外のほうが全般的に評価が高い傾向にあります。

アメリカのインテリアデザイナーは、平均年収が7万ドル、およそ800万円弱というデータもあり、日本のインテリアデザイナーの約2倍という高水準です。

一概にはいえないものの、世界各国からデザイナーが集まるぶん、競争は熾烈ですし、また言葉の壁という問題もあります。

それでも、さまざまな案件をこなしてキャリアを積みつつ、語学力も磨いて海外で活躍できるようになれば、国内での仕事に留まる場合より、はるかに高給を稼げるかもしれません。

就職先別に見る給料・年収

建築設計事務所で働くインテリアデザイナーの給料

建築設計事務所勤務のインテリアデザイナーの給料は、実務能力によって差が大きくなりますが、年収350万円~600万円くらいがボリュームゾーンです。

経験者については、どこの事務所でも優遇されますので、年収は相場の上限近くになりますが、そうした即戦力になれる人材は少なく、400万円台以下に留まっている人が大半です。

インテリアデザイン事務所で働くインテリアデザイナーの給料

インテリアデザインなど、設計事務所よりもアート色の強い事務所の給料は、年収300万円~500万円前後が相場であり、建築系の事務所より低い職場が目立ちます。

ただし、設計事務所よりも自身のセンスが問われる案件が多く、業務の自由度は高い傾向にあります。

独立して働くインテリアデザイナーの給料

独立して働くインテリアデザイナーの給料はピンキリであり、在宅で副業程度の収入を得ている人もいれば、有名デザイナーとして活躍し年収2000万円を稼いでいる人もいます。

近年は、IT技術の進化もあって、個人顧客が事務所を通さず直接フリーランスのデザイナーに依頼するケースも増えており、独立が成功しやすい環境になりつつあります。

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インテリアデザイナーが収入を上げるためには?

インテリアデザイナーが収入を伸ばすには、フリーランスとなって個人で仕事を請け負うか、自身のデザイン事務所を開業するか、どちらかが必要です。

独立していれば、案件から得られる報酬は基本的に100%自分のものであり、有名になると、たった1件の仕事で数百万円のギャラが得られることも珍しくありません。

ただ、売れっ子になればなるほど、1人ですべての仕事をこなすのは難しくなるため、アシスタントや事務員を雇用しなければなりません。

このため、本業をこなしつつ、スタッフのマネジメントや経費コントロールなど、経営者としての舵取りも同時に行っていくことが求められます。

デザイナーとは別の能力が求められますし、また勤務時代とは比べものにならないほどリスクが高まるのも間違いないでしょう。