ホームヘルパーと介護福祉士の違い
ホームヘルパーと介護福祉士の仕事内容の違い
ホームヘルパーと介護福祉士の仕事内容は、現場では大きな違いがありません。
どちらも介護を必要とする高齢者や身体の障害を抱える人に対し、身体介護や生活援助を行います。
ホームヘルパーと介護福祉士の資格・必要なスキルの違い
ホームヘルパーの資格
ホームヘルパーの資格は、厚生労働省が定めた事業所で養成研修を受けて取得する「認定資格」です。
現在ホームヘルパーとしての資格は「介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)」と、その上位資格に位置付けられる「介護職員実務者研修」です。
これらは認定資格であり、ヘルパーとして働くうえで必要とされるものではありませんが、有資格者になるとホームヘルパーとしてのすべての介護業務を担当できます。
介護職員初任者研修を取得するためには、130時間のカリキュラムを修了する必要があり、民間の資格学校・スクールなどで授業を受け、筆記試験に合格すれば資格を取得できます。
介護職員実務者研修を取得するためには、無資格であれば450時間、介護職員初任者研修修了者は320時間のカリキュラムを修了する必要があります。
介護福祉士の資格
介護福祉士は、介護福祉士の国家試験に合格して得られる「国家資格」となり、厚生労働省が定めた介護福祉士養成施設や専門学校を卒業しなくてはなりません。
介護福祉士と名乗るためにはこの国家資格を取得する必要があり、ホームヘルパーの認定資格に比べると社会的な評価は高いとされ、国は将来的に「介護職=介護福祉士」とするねらいがあるようです。
資格を取得するためには、「国家試験を受験して合格すること」と「養成施設を卒業すること」の2種類の方法があります。
養成施設を卒業する道を選んだ場合、これまでは卒業と同時に介護福祉士の資格取得が可能でしたが、2022年度の卒業生からは国家試験を受けることが義務化される見通しです。
いずれにしても、介護福祉士のほうが取得までの時間を要するなど、ハードルは高めとなっています。
ホームヘルパーと介護福祉士の学校・学費の違い
ホームヘルパーの学校
介護職員初任者研修は取得にあたり、学歴や実務は必要とせず誰でも受けることができます。
介護職員初任者研修を取得する方法は、一般的に専門学校に数か月通うスクーリングと、通信講座とスクーリングを含めた方法があります。
費用は通信講座が主体であれば数万円、スクーリングが中心であれば15万円程度が相場といわれています。
介護福祉士の学校
介護福祉士になる代表的なルートは介護福祉士の「養成施設」で学ぶ方法で、専門学校・短期大学・大学などの教育機関で学びます。
専門学校では将来の仕事に直結した教育がなされる傾向にあり、短大や大学では介護や福祉に関する専門的な科目以外に、教養科目も学ぶことができます。
4年制大学では幅広い勉強ができ、「社会福祉士」の養成課程も組まれていることが多いため、進路の選択肢を広げやすいことが特徴です。
費用は、大学の場合が約400万円、短大や専門学校の場合が約200万円程度となるのが一般的です。
ホームヘルパーと介護福祉士の給料・待遇の違い
介護福祉士の就職先は多岐にわたり、居宅サービスの事業所や特別養護老人ホーム・老人保健施設・グループホームなどが挙げられます。また、正社員として事業所や施設から雇用されることが多いです。
一方、ホームヘルパーのおもな勤務先は訪問介護事業所(ヘルパーステーション)であり、雇用形態の多くはパートといったケースです。
認定資格と国家資格の差もあり、介護福祉士とホームヘルパーが同じ仕事を行ったとしても、給料は介護福祉士のほうが高水準になります。
介護福祉士のほうが資格の取得が困難であり、より高度な専門知識・技術を持っていると考えられる分、さまざまな面で優遇されています。
ホームヘルパーと介護福祉士はどっちがおすすめ?
介護福祉士は「ケアワーカー」と呼ばれる現場の責任者になったり、介護者に対して介護の指導を行ったりすることができます。
「介護のスペシャリスト」として、ホームヘルパー以上に大きな責任を背負って活躍できるのが介護福祉士といえます。
この先、介護職については介護福祉士に一本化しようという動きも出つつあり、今後ホームヘルパーの職業を目指すのであれば、ステップアップして介護福祉士の道を検討したほうがよいでしょう。
ホームヘルパーと介護福祉士の違いのまとめ
仕事内容に大きな差はありませんが、介護福祉士のほうが専門知識・技術を持っているため、優遇されているようです。
介護福祉士は現場の責任者を任されることもあるので、より充実した働き方ができるといえます。