行政書士は独学で合格できる?

行政書士を独学で目指す人はいる?

行政書士試験の合格率は近年10%前後で推移しており、受験者10人のうち9人は不合格となる狭き門といえます。

しかし、この背景には、受験者の大半が社会人であり、日々の仕事に追われて十分に勉強できないまま試験に臨んでいるケースが多いことが挙げられます。

試験の難易度としては、同じ法律系資格である「司法書士」や「税理士」ほど難しくはないとさるため、しっかりと対策さえすれば、独学で合格することも決して不可能ではないでしょう。

ただ、行政書士試験が難関であることに変わりはありませんから、独学で勉強することにはそれなりのリスクも伴います。

以下では、独学で行政書士試験合格を目指す場合のメリット・デメリットについてご紹介します。

独学のメリット

自分のペースで勉強できる

行政書士を目指す人のなかには、大学の法学部で学んでいた人もいれば、法律自体まったく勉強したことがないという人もおり、個人の知識レベルにはかなり違いがあります。

また、行政書士試験の出題範囲は広いため、各科目ごとの理解度もばらつきが生じやすいです。

独学で勉強する場合、ある程度足並みを揃えて授業を受けなければならない資格学校とは異なり、個々の事情に合わせてマイペースに勉強を進めることができます。

とくに、すでに社会人として働いている人や、家事や育児に追われる主婦などは、自分の都合で勉強量をコントロールできる独学を選ぶメリットは大きいでしょう。

費用を抑えやすい

行政書士を目指すことのできる全日制の専門学校に通う場合、年間に80万円~100万円ほどの学費がかかります。

夜間などに開講されている講座を受ける場合でも、コースによって差があるものの、入学金などを含めて20万円ほどかかることが一般的です。

これに対し、独学で勉強する場合、必要になるのはテキスト代程度であり、ほかの学習方法と比較すると経済的負担は非常に軽いといえます。

費用がかからない分、精神的にも気軽に試験勉強を始めることができるでしょう。

勉強場所を選ばない

資格学校などで講座を受講すると、スクールまで通わなければなりませんが、独学の場合は、自宅や近くのカフェ、あるいは電車やバスのなかなど、どこでも勉強することができます。

自宅から通いやすい場所にスクールがなかったり、仕事の都合でなかなか決まった時間・決まった場所に通いづらいという人は、独学のほうがむしろ勉強が捗るかもしれません。

最近では、行政書士試験勉強の進め方や対策などを、インターネット上に無料公開しているサイトも多数あるため、スマホなどを利用することで場所を問わず学習できるでしょう。

独学のデメリット

誤った方向に進んでしまう恐れがある

独学で勉強する場合の最大のデメリットは、独りよがりな学習内容に陥ってしまっても、それを指摘してくれる人がいないということです。

行政書士試験の勉強範囲は広大であり、闇雲に勉強してなんとかなる量ではありません。

それぞれの科目には出題傾向があり、対策の立て方も異なります。

ほとんど出題されない分野に注力した結果、勉強そのものがムダになってしまうという可能性もあるかもしれません。

行政書士試験の合格率からみてもわかるように、決して一発で合格できる人は多くなく、何年も連続して試験を受け続ているという人も珍しくありません。

そういう人のなかには、勉強方法自体に問題があるケースも目立ちます。

根気強さが必要

行政書士試験の合格に必要となる勉強時間は、500時間~800時間程度が目安とされており、短くても数か月、人によっては1年以上勉強し続けなければなりません。

独学で勉強する場合、長期間にわたってモチベーションを保ち続けられるかどうかが、大きなネックとなるでしょう。

資格学校やスクールに通うのは、講師から専門的な対策方法を学ぶ目的だけではなく、つらい試験勉強を乗り切るために、同じ資格取得を志す仲間同士で励まし合うという目的もあるようです。

応用力が身につきにくい

近年の行政書士試験は、単なる法律の丸暗記で対応できる問題ばかりではなく、法的理解や思考力を問う問題が増えています。

そのため、培った知識を利用するための「応用力」まで身につけることが必要になっていますが、独学でそこまでスキルアップするにはかなりの困難が伴います。

膨大な量の演習をこなして、自力で応用力を磨くよりは、長年にわたって行政書士試験を研究している資格学校などに通って、必要なノウハウを学んだほうが効率的かもしれません。

スクールに通うことが難しい、あるいは仕事や家事に追われて勉強にあてられる時間が限られているという場合は、通信教育を利用して、自宅で効率よく勉強するという選択肢もあります。