言語聴覚士はフリーランスでも働ける? 独立・開業はできる?
見識が広がる分、より知識や経験が必要なため、新卒・または未経験の言語聴覚士がいきなりフリーランスとなることは難しいでしょう。
また、言語聴覚士という職業が比較的新しいためフリーランスで働く人も少ないのが現状です。
この記事では、フリーランスとして働く言語聴覚士、独立・開業までを解説します。
フリーランスの言語聴覚士の働き方・仕事内容
フリーランスの言語聴覚士
医療機関や福祉施設に所属せず、フリーランスとして働く言語聴覚士もいます。
日本言語聴覚士協会によると、有資格者数約31000人(うち登録者数約14800人)のうち、約75%が医療機関に所属し、それ以外もほとんどが福祉施設や教育などの分野で活躍しています。
言語聴覚士という仕事が比較的新しい職業であることもあり、フリーランスとして働く人はまだごくわずかです。
フリーランスの言語聴覚士の仕事内容
- 訪問リハビリテーション
- 児童発達支援
- 認知症予防・認知症トレーニング
訪問リハビリテーション
訪問リハビリテーションは、フリーランスの言語聴覚士の主な活躍の場です。
フリーランスとして活動することによって、
- 施設に通えない人に対してもリハビリを行える
- 施設に入所していない人でも継続的な支援
ができます。
近隣の病院や福祉施設と提携したりアルバイトやパートとして勤務したりすれば、患者さんを紹介してもらうこともできます。
児童発達支援
小児や児童における言語障害に関する専門家はまだ少ないため、養護施設等でも十分な発達支援を受けられないことがあります。
フリーランスの言語聴覚士は、こうした施設に出向いて発達支援を行ったり、個別に発達相談を行ったりします。
認知症予防・認知症トレーニング
近年認知症に対する認知度が高まり、
- 認知症予防のためのトレーニング
- 講演会やすでに認知症を患った人に対するリハビリ
を行うこともあります。
施設で行うこともあれば、地域のお年寄り向けに市民講座などを担当することもあります。
フリーランスの言語聴覚士になるまでのキャリアパス
新卒・または未経験の言語聴覚士がいきなりフリーランスとなることは難しいでしょう。
まずは医療機関や福祉施設等で経験を積み、人脈をつくっておくことが大切です。
しっかりと仕事をこなし信頼できる言語聴覚士と認められれば、フリーランスとして働く上でも仕事や患者さんを紹介してくれるかもしれません。
フリーランスの言語聴覚士のメリット・デメリット
フリーランスのメリット
フリーランスの言語聴覚士として働く大きなメリットは、さまざまな分野で活躍できるという点です。
医療機関や福祉施設等に勤めた場合、そこに訪れる患者さんしか見られないためいつも同じようなリハビリ内容になってしまう可能性がありますが、フリーランスの場合はさまざまな患者さんを見られるため、より見識が広がるでしょう。
その分経験や知識は必要とされますが、多くの人に役立ちたい場合や、より患者に寄り添ったリハビリやケアをしたい場合にフリーランスはぴったりでしょう。
フリーランスのデメリット
フリーランスとして働く場合、医療機関や福祉施設とは違い患者さんが訪れることはないため、自分で顧客を開拓していかなくてはなりません。
一般の患者さんはまずなんらかのケアやリハビリを必要とした場合、医療機関や福祉施設を頼るため、フリーランスは患者を集めるには圧倒的に不利となります。
そのためまずは言語聴覚士として就職し、しっかりと実績と人脈を築いていくことが大切です。
また、これはフリーランスとして働くどの職業にもいえることですが、独立した場合は言語聴覚士としての本業以外にも営業や経理などさまざまな仕事をこなさなくてはなりません。
こうした仕事を総合的にこなすためには、経営に関する知識やスケジュール管理能力が必須となります。
フリーランスの言語聴覚士の給料・年収
フリーランスの給料は、請け負った仕事ごとに患者さんまたは仕事を請け負った施設等から報酬をもらうという形です。
フリーランスの言語聴覚士という仕事は非常に珍しいため、仕事当たりの相場や給料は人によってばらつきがあるようです。
「言語聴覚士はフリーランスでも働ける? 」のまとめ
医療機関や福祉施設に所属せずフリーランスとして働く言語聴覚士もおり、訪問リハビリテーションは主な活躍の場のひとつです。
新卒・または未経験の言語聴覚士がいきなりフリーランスとなることは難しいため、医療機関や福祉施設等で経験を積み、人脈をつくっておくことが大切です。
フリーランスの言語聴覚士は、さまざまな分野で活躍できるメリットがある一方、患者を集めるのが難しいデメリットもあります。