学芸員への転職・未経験でも働ける?
学芸員への転職状況は?
学芸員は新卒採用だけではなく中途採用も行っています。
ただし、この業界は採用が非常に少ないことで知られており、学芸員の資格を取得している新卒の学生でもなかなか正規雇用の就職ができないという厳しい現状があります。
中途採用の場合も若干名の募集に対して何十人、あるいは何百人と応募がくることになるので、基本的には他の博物館で経験を積んだ人や研究者としての実績がある人が採用されることが多いようです。
たとえ大学時代に学芸員の資格を取得していても、業界内でのキャリアがない全くの未経験者が転職にチャレンジして採用されるという可能性はあまり高くはないということは覚悟しておいたほうがよいでしょう。
ただし、これはあくまでも正規雇用の話です。
派遣社員やパート、アルバイトなどからスタートするのであれば、未経験者であっても歓迎していることがあります。
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学芸員への転職の志望動機で多いものは?
学芸員への転職の志望動機で多いものは、やはり「好きなことを仕事にしたいから」というものでしょう。
大学時代に美術や芸術について学び、一度は学芸員を目指して資格を取得したものの、就職試験の厳しさに挫折して一般企業に就職した。
そんな人たちが社会に出てからもう一度学芸員の仕事にチャレンジしたくなって転職を決意することは多いようです。
また、学芸員の採用は非常に少ないので、自分が卒業する年度に自分の希望する博物館では新卒採用がほとんどなかったということもあります。
人気のある美術館や博物館の場合「どうしてもここで働きたい」という強い熱意を持っている人が多いので、このような人たちは一旦別の博物館に就職してから、中途採用やキャリア採用で第一希望の施設を再受験して転職するチャンスを待っていることもあります。
未経験・社会人から学芸員になるには
未経験者が学芸員になるにはどうすればよいのでしょうか。
まず、学芸員の資格を持っているかどうかが重要なポイントです。
学芸員として働くためには学芸員養成課程を開講している大学で既定のカリキュラムに沿って勉強をしなければいけません。
この勉強を終えて資格を取得している人であれば、未経験でも資格を所持していることをアピールすれば採用試験を受けることができるでしょう。
その一方、資格自体を取得していない人は、学芸員の資格認定試験を受けるか、審査認定を受けるかのどちらかを選択しなければいけません。
認定試験や審査認定を受けるためには
・学士の学位を有する者
・大学に二年以上在学して六十二単位以上を修得した者で二年以上学芸員補の職にあった者
・教育職員の普通免許状を有し、二年以上教育職員の職にあった者
・四年以上学芸員補の職にあった者
など、さまざまな条件があるので、自分が当てはまるかどうかを文化庁のHPで確認してみるとよいでしょう。
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学芸員への転職に必要な資格・有利な資格
学芸員の転職に必要なのは、学芸員の資格です。
これは全国に304校ある学芸員養成課程開講大学で博物館に関する科目を修得することで、資格を得ることができるものです。
専門学校や民間のスクールなどではこの資格を取得することはできないので、学芸員を目指すのであれば必ず養成課程がある大学に進学しましょう。
また、学芸員の資格をすぐに取得するのが難しいという人の場合は、学芸員の補助的な役割を果たす学芸員補を目指すという方法もあります。
学芸員補は学歴に関係なく働くことができる仕事で、高卒の人がこの仕事を8年以上続けると無試験で学芸員資格認定審査を受けることができます。
どんな博物館で働くにしても学芸員の資格は重要視されるものなので、転職を考えるなら必ず取得しておきましょう。
学芸員への転職に役立つ職務経験は?
学芸員への転職に役立つ職務経験は、美術や芸術、歴史や科学など、自分が就職を希望する博物館に関連する業務の経験です。
たとえば、美術大学の出身者で、大学卒業後は画廊で西洋の絵画を販売する仕事をしていた人の場合、美術館への転職はキャリアをそのまま生かすことができます。
海外留学をして歴史を勉強していた人の場合、帰国後に歴史の博物館で活躍することもできます。
大学院に進学して鉱物について研究をし続けてきた人が、科学の博物館で学芸員になることもできるでしょう。
また、特殊な採用例としては有名な文化人や学者の方が今までの知識やスキルを生かして転職することもあります。
この場合は、学芸員としてというよりも、博物館の館長や名誉職的な管理職に招聘されることが多いようです。
学芸員への転職面接で気をつけるべきことは?
学芸員の転職面接では、研究者としてのスキルだけではなく、一般的な社会性があることをアピールすることも大切です。
学芸員は一般企業の営業マンのようにノルマ・競争が要求されるような仕事ではありませんが、やはりある程度のフットワークの軽さや器用さも必要でしょう。
企画にあたってはどうしたら多くの人が来館してくれるか、どんな宣伝の仕方をしたら注目されるのかなど、いわゆる「俗っぽい」仕事にも頭を使います。
研究一筋で他のことはまったく頭になかったり、一般常識に欠けたりする場合は他のスタッフも困ってしまうことでしょう。
任期があって、契約が更新制であった場合は、そういった点でどれだけ貢献できているかも基準になります。
調査研究の能力だけでなく、こうした一般的な社会性も必要になってくるのが、ただの研究職と違うところなのです。
学芸員に転職可能な年齢は何歳くらいまで?
学芸員の資格を取得するにあたっては、特に年齢に関する制限はありません。
学芸員養成課程開講大学で博物館に関する科目を修得した人であれば、誰でもこの資格を取得することができるのです。
しかし、学芸員に転職する場合は、年齢制限が行われることがあります。
これは国公立の博物館では公務員試験を受けなければいけないからです。
公務員試験にはしばしば年齢制限が設けられることがあります。
たとえば、地方の公務員の学芸員の募集要項を見てみると「昭和60年4月2日以降に生まれた方」「昭和49年4月2日から平成10年4月1日までに生まれた方」などという条件が書いてあることがあります。
公務員としての学芸員を目指す人は、自分が希望する職場の募集要項を事前によく調べることが大切です。
未経験から学芸員の転職での志望動機
未経験から学芸員に転職する場合、今までの仕事ととこれからやりたい仕事を具体的に結び付けて志望動機を語ると説得力が増します。
たとえば、美術大学を卒業して画廊に就職し、お客さんに西洋の絵画を販売してきた人の場合。
「画廊で働くうちに絵画の美しさや素晴らしさを誰かに紹介する仕事の喜びに目覚めた」
というエピソードや
「企業であったため販売ノルマがあるなかで絵画を紹介することに不自由さを感じることもあり、美術館のように純粋にお客様に絵画を見て頂くだけの場所で作品の魅力を紹介したいと思うようになった」
という転職のきっかけを語るとよいでしょう。
学芸員の採用試験は非常に厳しい競争率を勝ち抜かなければいけないので、これから自分が目指す学芸員の姿を、明確に描きながら就職試験を受けることが大切です。