外交官の年収はいくら? 給料についてくわしく解説
外交官の平均年収・給料の統計データ
外交官の年収は規定されている
外交官とは、外務省に勤める国家公務員のことで、給与は国の規定で定められています。
外交官は、年齢や職歴を重ねるにつれて昇給が期待できますが、年齢だけでなく、大使や公使、書記官など、身分によっても収入に差が生じます。
外国の領事館や大使館で勤務する場合、基本的な給与にプラスして様々な手当が付与されるのも魅力でしょう。
外交官の給与・月収
国家公務員が実際に手に取る給与は、俸給と呼ばれる基本給と、各種手当の合計で決まります。
俸給は号俸と級によって細かく設定されています。
号俸は勤続年数や人事評価などを受けて変動し、級は役職に従って変動します。
国家公務員総合職の各号俸・級の俸給(月額 令和2年4月1日現在)
1級 | 4級 | 7級 | 10級 | |
1 | 146,100 | 264,200 | 362,900 | 521,700 |
15 | 163,100 | 290,800 | 397,000 | 553,400 |
30 | 190,400 | 320,100 | 423,600 | - |
50 | 217,400 | 355,000 | 441,000 | - |
この基本給に各種手当の支給額を加算し、社会保険料など控除した額が支給額となります。
手当には、扶養手当や住居手当・通勤手当・単身赴任手当・特地勤務手当などがあり、支給される手当ての種類や額は、担当している業務や勤務地によって異なります。
外交官のボーナス
外交官のボーナスは、民間の水準を人事院が調査し、それに準拠する形で支給月数が決定されます。
令和元年度のボーナスは4.5ヶ月分でした。
外交官の初任給はどれくらい?
総合職か一般職、大卒程度試験合格か大学院卒程度かにより、初任給がかわります。
たとえば大卒程度試験合格者で総合職の初任給は約22万5千円です。
参考:人事院 国家公務員採用 総合職試験受験案内 院卒者試験 大卒程度試験
これに、ボーナス4.5ヶ月分を加えて年額約360万円ということになります。
ここに、通勤手当や住居手当など、各種手当が足される形です。
国家公務員になるためには公務員試験に合格する必要があります。
外交官の場合、合格した公務員試験の種類によって、総合職・外務省専門職・一般職に分かれます。
どの試験に合格したかによって初任給の金額も異なるため、受験の際には注意が必要です。
外交官の福利厚生の特徴は?
国家公務員である外交官は、福利厚生もきちんと整備されています。
育児休暇や介護休暇、ボランティア休暇といった休暇制度や、人間ドックなどの健康増進、レジャー施設や保養施設の優待など、幅広い福利厚生を受けることができます。
この点は、公務員の魅力の一つということもできるでしょう。
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外交官の給料・年収の特徴
国の規定で決まる
一般的な会社員と比べると特殊な仕事である外交官ですが、収入についても次のような特徴があります。
外交官をはじめとした国家公務員の給料額は国の規定で細かく決められています。
そのため、省庁や部署毎に自由に給与を調整することはできません。
誰か一人だけが突出して高い給与を受け取ることはありませんが、逆に特定の人材が不当に低い給与で働かされるということもありません。
様々な手当のウェイトが大きい
外交官の特徴として、海外勤務に伴う手当がいくつかあります。
海外での基本的な生活の経費として支払われる在勤基本手当ては、赴任する国や職員の等級によって10万円〜50万円と大きな差があります。
ほかには、毎月の住宅費の一部を補助する「住居手当」、パートナーを伴って海外赴任する人に支払われる「配偶者手当」、海外で教育を受けることになる子どもに対する「子女教育手当」などがあります。
すべての手当を合わせると、手当だけで月に50万円以上になることもあり、海外赴任する外交官は高給を望めることで知られています。
キャリア・ノンキャリアの差も
外交官に限らず国家公務員全体に言えることですが、入職時にどの公務員試験に合格して入職したのかという事実は、一生ついて回ります。
試験の種類によってまかされる仕事や期待できる昇進レベル、その結果として収入も大きく異なるためです。
国家公務員総合職試験に合格している人材は「キャリア職員」と呼ばれ、外交官の場合は主要国の大使など、責任ある役職をまかせられることが多くなります。
結果として、収入も他の役職に比べると高い水準を期待することができます。
外交官の勤務先別の給料・年収
外交官には、国内で日本の外交や政治に関わる仕事をしている人材と、海外に駐在し、現地での外交や在住日本人のケアにあたっている人材がいます。
多くの場合、外交官は国内勤務と海外勤務を順番に繰り返します。
また、外務省専門職員の場合は専門とする地域や文化圏をもち、主にその地域との外交や駐在を担当しますが、そうでない場合は赴任先の国や地域はバラバラです。
外交官として働く場合、国内勤務と海外勤務の場合、また海外勤務でもどのような国・地域に派遣されるかによって収入も変動します。
国内勤務の場合
国内で働く場合、基本的に給与は他の国家公務員と同じように計算されます。
国家公務員の給与は経済状況などにもよりますが、低い水準ではありません。
また福利厚生もきちんとしているため、勤務条件としては恵まれていると言って良いでしょう。
しかし、駐在に伴う各種手当が適用されない分、海外勤務の場合に比べると収入が下がってしまうこともあります。
海外勤務の場合
日本国外で勤務する場合、基本の給与に加え、在住手当など様々な手当が支給されます。
外交官個人の役職などの他、帯同家族の有無など、条件によって受け取ることのできる手当は異なります。
また、駐在する国や地域によって、支給される手当の金額は大きく異なります。
外交官は世界中どこにでも赴任する可能性がありますが、その場所の物価や治安、衛生面などから、安全に暮らしていくために必要な金額は大きく開きがあるためです。
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外交官が収入を上げるためには?
公務員は原則として副業禁止でなので、国から受け取る給料以外の収入を期待するのは難しいでしょう。
そのため、外交官として収入アップを目指すなら、給料を上げるしかありません。
一般的に、公務員は年齢とともに収入が上がっていくと言われています。
しかし、国に貢献できる仕事を成し遂げ、経験と実績を積んで評価されれば、早めに昇進することもできます。
また、キャリアと呼ばれる総合職の場合、将来的には主要国の大使など、重要ポストにつくことを期待されています。
そのような期待に応え、責任ある役職につくことができれば、給料アップも十分に期待できるでしょう。
中には外交官としてのキャリアや経験を生かし、別の仕事にキャリアチェンジする人材もいます。
外交官としてつちかった高い語学力や幅広い知識、政治や世界に対する深い理解を生かせば、キャリアアップと言えるような転職、あるいは独立・開業を通し、大幅に収入アップすることも可能でしょう。