地方公務員の高卒と大卒の仕事・給料の違い
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採用試験・職種の違い
地方公務員試験は、高卒から大卒あるいは社会人経験者などまで、幅広い学歴や経歴の人が受験できるものとなっています。
ただし、学歴によっていくつかの違いもありますので、ここではおもな違いについて紹介していきます。
受験できる試験の種類が違う
自治体によって異なりますが、地方公務員になるための試験は「大卒程度」「高卒程度」といったように、いくつかの区分で実施されています。
ただし、この区分は「大卒程度=大卒者しか受けられない」といった学歴要件を意味するわけではなく、「問題の難易度」や「必要な能力の目安」を表しています。
一部では、例外もあります。
たとえば、高卒程度試験の場合、年齢制限に加えて学歴制限を設けることで、大卒・大卒見込者が受験できないようにしている自治体があります。
大卒程度試験では基本的には年齢制限のみが設けられていますが、自治体によっては学歴制限を設けていることもあります。
試験ごとに募集職種も異なる
試験の区分ごとに募集職種も異なります。
高卒程度試験のおもな募集職種は、一般事務や学校事務、警察事務、技術系となっています。
自治体や年度によって募集職種は異なるものの、基本的には事務系の職種を募集することが多いです。
一方、大卒程度試験では、行政全般に携わる「事務職」のほか、土木・建築・機械などの「技術職」、また環境検査や水産、心理、福祉、衛生監視などの「専門職」も募集されます。
専門職の受験では、特別な資格や免許が必要とされる場合があります。
大卒者向けの試験では、高卒者向けのそれと比べて、より募集される職種の幅は広くなっています。
仕事内容は、事務系の採用であれば基本的に学歴による違いはありませんが、大卒程度試験で技術職や専門職として採用された人は、より専門知識・技術を要する仕事に就けるチャンスが多くなります。
初任給の違い
地方公務員の給料は、自治体ごとに定める給料表に沿って支払われます。
給料は昇任することで徐々にアップしますが、配属直後にもらえる初任給は学歴によって差が付けられています。
たとえば東京都の場合、行政職給料表(一)における初任給(※平成31年4月1日時点の給料月額に地域手当を加えたもの)は下記の通りです。
大学新卒者:約220,400円
高校新卒者:約174,700円
上記でいうと、高卒者の初任給は、大卒者のそれよりも45,700円低く設定されています。
他の自治体でも、初任給には学歴によって4万円程度の差があるのが一般的です。
キャリアパスの違い
採用後のキャリアの積み上げ方は、自治体や職種によって異なります。
大卒のほうが早く昇任しやすい傾向にあるといわれますが、自治体や配属先によっては、学歴は関係なく、年齢と経験年数だけで昇任していくこともできるようです。
また、高卒の人でも実力や成果によっては早く出世し、大卒と同等かそれ以上の収入を得るケースもあるといわれています。
高卒者のほうが大卒者よりも早く現場に出ているため、仕事を覚える面では有利な面もあるといえるでしょう。
なお、公安職である「警察官」や「消防官」は、地方公務員として高卒の人が大勢活躍しています。
公安職では、高卒者は現場中心で、大卒者は幹部候補としてキャリアアップしていく傾向がありますが、本人の希望や適性などによって大卒者でもずっと現場の第一線でやっていく人もいるため、一概にはいえません。