キャリアコンサルタントの仕事内容

キャリアコンサルタントの仕事とは

キャリアコンサルタントとは、人々が抱える職業選択の悩みや、職業能力に関する相談にのり、助言やアドバイスをする専門家です。

キャリアカウンセリングを行う仕事にはさまざまなものがありますが、キャリアコンサルタント国家試験に合格し、国家資格を取得した人だけが「キャリアコンサルタント」と名乗れます。

キャリアコンサルタントは、人々が自分の適性や能力、関心などに気づき、自己理解を深めて、自分自身に合う仕事選びができるよう支援します。

一般企業のほか、大学やハローワークなどの行政機関、人材派遣業界などで多く活躍できる職業です。

キャリアコンサルタントの業務の内容

カウンセリング(相談者の話を聞く)

キャリアコンサルタントは、相談者の抱える悩み・課題を把握したうえで、それに対しての助言を行います。

キャリアコンサルティングでは、まず相談者のことを知るために、これまでに経験したことや、関心をもっていることをヒアリング。

相談者は一人ひとり価値観や立場が異なることを理解し、相談者に寄り添いながら、相手の考えや思いを整理します。

この対話を通して、相談者自身も自己理解を深めていけます。

助言(アドバイスをする)

キャリアコンサルタントは、相談者が抱えるキャリアに関する悩みに対して、一方的に「こうしなさい」と指示したり、勝手に結論を出したりすることはありません。

あくまでも最終的な結論を出すのは相談者自身であり、現状を整理したうえで、本人が満足いく結論を導き出すための支援を行うのが、キャリアコンサルタントの仕事です。

相談者の強みや目標、価値観を見つけながら、プロフェッショナルとして必要な情報を提供し、相談者にとって納得のいく自己実現ができるように助言していきます。

情報提供(職業・仕事に関する情報を発信する)

キャリアコンサルタントは、相談者に対して企業の求人やインターンシップ、職場体験や職場見学などの情報も提供します。

また、希望の仕事をするために学習やスキルアップが必要であれば、その方法を一緒に考えて計画を立てていくこともあります。

このように、キャリアコンサルタントは相談者に寄り添いつつも、仕事への理解と意識向上を促し、よりよい形で相談者が理想のキャリアを実現できるように手助けしていきます。

キャリアコンサルタントの役割

キャリアコンサルティングに関わる唯一の国家資格

かつて日本ではキャリアカウンセリングに関する民間資格が数多く存在しており、それぞれ資格を認定する団体が異なっていました。

そのため、団体によって「キャリアカウンセラー」と名付けていたり、「キャリアコンサルタント」と呼んでいたりと、名称がバラバラな状態でした。

一方、日本社会の働き方が多様化するなかで、より専門的なキャリアコンサルティングを行える人材の育成を目指し、2016年(平成28年)4月には「キャリアコンサルタント」が国家資格として新たに誕生したのです。

キャリアコンサルタントは「名称独占資格」に該当し、現在キャリアコンサルタントと名乗れるのは、この国家資格の有資格者のみとなっています。

相談者の自己実現をサポートする

多くの人にとって「どのように働くか?」は人生での大きな課題となりますが、一人ひとり能力や価値観も違えば、抱える問題の背景も異なります。

キャリアコンサルタントはキャリアのプロとして、相談者一人ひとりにきちんと向き合っていくことが重要です。

また、キャリアコンサルタントは相談者の自己実現をサポートする役割を担います。

もし、相談者が心の病気を抱えており、精神的な治療が必要と判断した場合には、速やかに医師や臨床心理士などの専門家に引き継がなくてはなりません。

相談者の心に寄り添いながらも、冷静に相手の様子や変化を観察することが求められる仕事です。

守秘義務や定期的な更新が求められる

キャリアコンサルタントには「守秘義務」があり、相談者の秘密を漏らしたり、信用を失う行為をしたりすることは禁止されています。

もしこれを守らなければ、30万円以下の罰金が処せられます。

また、キャリアコンサルタント国家資格は5年ごとに更新が必要です。

常に最新の知識・技能を取り入れて仕事に生かすことが求められます。

キャリアコンサルタントの勤務先の種類

企業

近年、一般企業内にキャリアコンサルタントが配置されるケースが増えつつあります。

企業の従業員は、事業環境の変化や配置転換などによって、それまでとまったく異なる業務に携わることも珍しくありません。

キャリアコンサルタントは、そのようなキャリアの転機をサポートすると同時に、個々のキャリアアップの支援を行います。

また、人材系の企業では「仕事をしたい人(求職者)」と「適切な人材を探している人(企業)」をつなぐために、キャリアコンサルタントが活躍します。

求職者に対しては、仕事紹介やキャリア面談、就職・転職活動サポートなどを実施。

一方、企業に対しては求人内容のヒアリング、人材の提案などを行い、両者をうまくマッチングさせます。

教育機関(大学・専門学校など)

大学や専門学校のような教育現場でも、キャリアコンサルタントは活躍しています。

ここでの業務内容は、学生の進路相談や就職支援が中心です。

まだ社会人経験がない若い学生と向き合うことが多く、学生一人ひとりのやりたいことや関心事を引き出しながら、理想の道へ進んでいけるようにサポートします。

行政機関

ハローワーク(公共職業安定所)の相談員として働くキャリアコンサルタントも多くいます。

ハローワークでの中心業務は、職業相談や情報提供です。

求職者の職務経歴や希望職種、勤務条件などを基に、求人情報を探して助言を行います。

また、必要に応じて知識・技能を身につけるための訓練制度の紹介なども行います。

行政機関では、民間の人材派遣会社とは異なり、障害をもつ人や高齢者などの就職困難者の就職支援も行うため、より幅広い人に対しての適切な支援スキルが必要です。

キャリアコンサルタントの就職先と活躍の場

キャリアコンサルタントの仕事の流れ

キャリアコンサルタントの仕事の流れは、勤務先の種類によっても多少変わってきますが、大きな流れは以下の通りです。

1.相談者の話を聞く
 ↓
2.相談者のキャリアに対する希望や考えを明確にする
 ↓
3.相談者の自己理解を深める
 ↓
4.適切な助言を行う
 ↓
5.希望のキャリア(就職・転職など)を実現させる

キャリアコンサルタントは、まずヒアリングを行って相談者が抱えている悩みや課題を理解します。

同時に、相談者がどのような仕事に就き、どのような働き方がしたいのか、キャリアのイメージを具体的にしていきます。

こうしたカウンセリングを行うなかで、相談者は自分の強みや特性を理解できるようになります。

その内容に基づき、キャリアコンサルタントは相談者に対して、希望のキャリアに近づくための方法や解決先を提示します。

その内容はあくまでも助言であり、考えを押しつけることはしません。

コンサルティングはスムーズに進むとは限らず、場合によっては何度も相談を繰り返したり、時間がかかったりすることもあります。

キャリアコンサルタントは一人ひとりの相談者に寄り添いながら、最終的に希望のキャリアが実現するようサポートします。

キャリアコンサルタントと関連した職業

キャリアコンサルタントと関連した職業として、「キャリアカウンセラー」が挙げられます。

キャリアカウンセラーは、進学、就職・転職、家庭生活など、「幅広い意味での人のキャリア」を支援する仕事に就く人のことを呼ぶのが一般的です。

もともと、キャリアコンサルタント国家資格ができる前には、「キャリアカウンセラー」という言葉が広く使われていました。

この他にも、人を対象とし、キャリアの相談にのる人のことを「キャリアアドバイザー」などと呼ぶことがあります。

先に挙げた通り、現在「キャリアコンサルタント」と名乗れるのは国家資格をもつ人のみです。

そのため、キャリアカウンセラーに関しては、身につけている知識や技能、資格の種類、相談者へのアプローチの仕方は十人十色と考えておいたほうがよいでしょう。

ただ、一般の人へのわかりやすさから、キャリアコンサルタントの有資格者があえて「キャリアカウンセラー」として働いている職場もあります。

就・転職を考える際は名称に左右されず、必要とされる資格の種類や、仕事内容をよく見るようにすることをおすすめします。

キャリアコンサルタントとキャリアカウンセラーの違い