通訳案内士になるには

通訳案内士の資格が必要

通訳案内士になるには、試験を受けて国家資格を取得することが必要です。まずは、年に一度おこなわれている試験を受け、合格することがスタートラインです。

受験資格はとくに制約がなく、得意な外国語さえあれば、誰でもチャレンジできる資格です。学歴や年齢も関係なく、2010年度には、14歳という最年少の合格者も出ました。

ですが、筆記試験だけでなく口述の試験もあり、難易度の高い試験です。語学力だけでなく、日本の地理や歴史、文化、産業に関する深い知識も求められます。

なお、外国人も受験をすることができます。受験可能な外国語は英語、フランス語、スペイン語、ドイツ語、中国語、イタリア語、ポルトガル語、ロシア語、韓国語、タイ語の10ヶ国語となります。

通訳案内士試験の難易度、合格率

通訳案内士になるには

通訳ガイドから、通訳案内士へ

以前まで、この仕事はおもに「通訳ガイド」と呼ばれ、免許を申請するシステムでした。しかし法改正により、2006年4月からは「通訳案内士」の名称で、資格職へと変わりました。

今では、日本国内で、外国人観光客の通訳案内の仕事をするには、基本的にこの資格が必須となります。

ボランティアは問題ありませんが、いくらかでも報酬が発生する場合には、資格がないと違法行為になってしまいます。

通訳案内士の試験について

通訳案内士試験は、通常、8月下旬〜9月上旬に、全国の主要都市で1次試験(筆記)が実施されます。それに合格した人は、11月下旬〜12月上旬にかけて、2次試験(口述)を受けることになります。

2次試験を受けられる場所は限られているので、英語と中国語以外の試験では、東京まで行く必要が出てきます。

受験にあたっては、全部で10種類ある外国語の中から、一つを選択します。その言語が得意であることはもちろん、日本の歴史や文化を中心に、幅広い知識が求められます。

合格後の手続き

見事、2次試験に合格した後は、かならず都道府県に、名前や住所を登録しましょう。

登録が完了すると、「通訳案内士登録証」が発行されますので、それをもって通訳案内士として仕事ができるようになります。

といっても、合格したばかりの人にとっては、何から始めていいのか分からないものです。多くの会社や団体が、新人研修や説明会をおこなっていますので、参加してみるのもよいでしょう。

通訳案内士として働く

資格を取得した後は、フリーランスで仕事をする人がほとんどです。

日本観光通訳協会や旅行代理店などに通訳案内士として登録することによって、仕事を紹介してもらうことができます。

働き方はさまざまで、旅行会社に営業したり、通訳の派遣会社に登録するなど、自分をアピールしながら仕事をもらうことになります。

経験の有無によって、紹介される仕事の量が変わってきます。そのため、新人のうちは仕事内容を問わず、経験を積んでいくことが大切です。

通訳案内士登録者数

通訳案内士の登録者数は、平成5年から毎年徐々に増え続けています。平成5年では約5,000人でしたが、平成24年には16,779人まで増えています。
通訳案内士登録者数_24

通訳案内士語学別の登録者数

語学別の登録者数は、平成21年時点で英語9,274人、フランス語582人、スペイン語574人、ドイツ語475人、中国語1,540人、イタリア語121人、ポルトガル語79人、ロシア語218人、韓国語656人、タイ語11人となっています。

通訳案内士 語学別登録者数21のグラフ

通訳案内士の今後の見通し

日本政府は外国人観光客を増やす取り組みを続けています。日本文化への興味が高まっているということもあり、外国人観光客は増加している傾向にあります。

通訳案内士の合格者数も徐々に増えてきており、ガイドをできる人が増えてきました。一方で、通訳案内士の人数が増えた結果、一人あたりのガイドの仕事が減ってきているという現状もあります。

資格を持たずに違法にガイドをしている人もいるといわれ、仕事を確保することは容易ではありません。

今後は、アニメやマンガなどの日本のポップカルチャーを紹介できる人や、増加する中国人観光客専門のガイドなど、通訳案内士のそれぞれが特色を出していくことが必要になっていくでしょう。