書店員の年収・給料はどれくらい? 初任給やボーナス、統計データも解説

書店員の平均年収・給料の統計データ

書店員の平均年収・給料の統計データを見ると、一般的なサラリーマンと比べて低めの水準となっています。

肉体労働で、休みも不定休で休日出勤は当たり前の仕事内容から考えると、決して恵まれているとはいえません。

残業手当が支給される企業もあれば、個人経営や中小規模の店舗では福利厚生が整っていないこともあります。

書店員の平均年収・月収・ボーナス

賃金構造基本統計調査

書店員の平均年収_2022

厚生労働省の令和4年度賃金構造基本統計調査によると、書店員の平均年収は、42.6歳で358万円ほどとなっています。

・平均年齢:42.6歳
・勤続年数:11.3年
・労働時間/月:163時間/月
・超過労働: 8時間/月
・月額給与:259,200円
・年間賞与:466,700円
・平均年収:3,577,100円

出典:厚生労働省「令和4年度 賃金構造基本統計調査」
書店員の平均年収の推移_r4

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
書店スタッフ
(Indeed)
2,691,607円 時給 939円
日給 11,651円
月給 190,570円
書店
(求人ボックス)
361万円 時給 928円
派遣時給 1385円
月給 33万円

書店員の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

上記の平均額から書店員の手取りを算出すると、平均月収は15万円〜26万円程度、平均年収は約320万円程度となります。

ボーナスは4ヶ月分支給されるとすると、60万円〜104万円ほどでしょう。

大手の書店はボーナスが支給される場合も多いですが、中小規模や個人経営の書店の場合はボーナスが支給されないこともあるようです。

書店員の初任給はどれくらい?

書店員の初任給は、約17万円〜21万円程度が相場となっています。

大卒の初任給は月収20万円〜21万円ほどで、中小規模の書店や個人書店の場合はそれより少なくなると考えてよいでしょう。

書店員の勤務先の規模別の年収(令和4年度)

書店員の年収は、勤務先の規模が大きくなるとやや高くなる傾向があります。

10〜99人規模の事業所に勤める書店員の平均年収は320万円、100〜999人規模は352万円、1,000人以上規模は376万円、10人以上規模平均は358万円となっています。

書店員の年収(規模別)_r4

上記グラフの基タイトルは「販売店員」で百貨店店員、食品スーパー店員ショップ店員アパレル店員ドラッグストア店員ペットショップ店員コンビニ店長など他職業を含むデータです。

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

書店員の勤務先の年齢別の年収(令和4年度)

書店員の年収は、年齢が上がってもあまり変わらない傾向にあります。最も年収が高い世代は、40~44歳の415万円です。

全年代の平均年収は358万円となっています。

書店員の年収(年齢別)_r4

上記グラフの基タイトルは「販売店員」で百貨店店員、食品スーパー店員、ショップ店員、アパレル店員、ドラッグストア店員、ペットショップ店員、コンビニ店長など他職業を含むデータです。

書店員の福利厚生の特徴は?

書店員の福利厚生も、店舗や企業によって異なるのが特徴です。

残業代が1円単位で支払われる書店や、社員は本が割引で購入できる制度、インフルエンザの予防接種の補助がある会社もあります。

一方で育児休業取得実績がなかったり、有給はほぼ取得できない雰囲気の店舗もあるため、就職時に確認しておいた方がよいでしょう。

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書店員の給料・年収の特徴

ハードだが給料は低め

書店員の仕事は肉体労働で、ピーク時の接客を多忙を極め、正社員になると不定休で休日出勤は当たり前です。

それに対して書店員の給料・年収の設定は低めです。

しかし書店員の醍醐味は、自分の推した書籍が売れることや大好きな書籍に囲まれて過ごせることなど、賃金以外のところにあると考える人が多く、本が大好きな人にとっては満足度の高い職業です。

書店員の給料・年収が低めの理由

書店員の給料・年収が低い理由は、書店が大きな利益を出すことが難しい仕組みにあります。

雑誌・書籍が1冊売れた場合、その金額の70%は出版社の利益、10%は取次と呼ばれる流通業者の取り分、残りの20%が書店の利益となることが一般的です。

しかも商品の価格設定を自由にできないので、他店と価格による競争ができない中では書店が大きな利益を出すことは容易ではありません。

そのため、書店員の賃金も低めとなっているのです。

書店員の勤務先別の給料・年収

大手企業の大規模書店

大手のチェーン展開している大規模書店の場合、平均年収は350万円程度、平均月給は22万円〜29万円程度となっています。

一般的なサラリーマンに比べると低い水準となりますが、年収350万円を越えるのは書店員の中でも高給といえるでしょう。

都心のチェーン展開している大型書店でも、年収350万円を下回る企業は多いようです。

ちなみに、たとえば紀伊国屋書店の書店員の平均年収は30歳で338万円程度ですが、企画や広報など違う職種は年収は550万円と、職種による大きな差が出ることもあります。

個人経営の書店

個人経営の書店の場合は、平均月給15万円〜18万円、平均年収180万円〜290万円ほどのようです。

もちろんこれ以上の給料になる店舗もありますが、都心部よりも地方が給料が低い傾向にあり、店舗によってはボーナスや手当も支給されない場合があります。

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書店員が所属する代表的な企業の年収

会社名 平均年収 平均年齢
ヴィレッジヴァンガードコーポレーション 426万円 38.8歳
トップカルチャー 447万円 40歳
文教堂グループホールディングス 578万円 53歳

出典:2023年現在(各社有価証券報告書より)

ヴィレッジヴァンガードコーポレーションの平均年収

ヴィレッジヴァンガードコーポレーションの平均年収は426万円、平均年齢は38.8歳です。

ヴィレヴァンとして知られ、ほかの書店とは一線を画す業態が人気です。

トップカルチャーの平均年収

「蔦屋書店」を展開するトップカルチャーの平均年収は447万円、平均年齢は40歳です。

書店業務だけでなく、映像・音楽ソフト・コミックのレンタル、中古品の買取・販売など幅広い業務を手掛けています。

文教堂グループホールディングスの平均年収

文教堂グループホールディングスの平均年収は578万円、平均年齢は53歳です。

書店チェーン大手で、関東を中心に展開しており、ほかの書店と比べると平均年齢が高いことが特徴です。

書店員の正社員以外の給料・年収

派遣社員

派遣社員の書店員の給料は、時給1400円程度が相場です。

1日7時間・週5日働いたとすると1ヶ月の給料は約19万円、年収は約228万円と算出できますが、店舗や都道府県によっても差があるでしょう。

アルバイト

アルバイト・パートの書店員の給料は、時給約900円程度です。

東京都では平均時給が1,024円ですが、もっとも低めの水準となる青森県では平均時給が約786円なので、その差は238円もあります。

時給940円と仮定して、1日7時間・週5日働いたとすると給料は13万円程度、年収は158万円程度でしょう。

独立・開業

書店員として働いてきたノウハウを生かして独立し、自分の店を開業する人もいます。

給料や年収は人によって異なりますが、正社員時代より稼ぐ人もいますし、中には月収120万円、年収1,400万円以上の人もいるようです。

書店員が収入を上げるためには?

書店員が収入を上げるには、店舗の売り上げをアップし、評価される方法があります。

チェーン展開している書店では店長を目指し、エリアマネージャーや本社勤務などキャリアアップすることでも収入を上げることができるでしょう。

ただし正社員として勤めていても、大手企業であっても書店員の給料は低めの水準です。

リスクはありますが、ノウハウを活かして独立・開業することで収入アップをするのもひとつの手といえます。