女性の航海士のキャリアパス・結婚後の生活

妊娠・出産を希望する航海士には、それら大きなライフイベントを経て仕事をどうするかという問題がつきものです。

本記事では、女性の航海士の現状や結婚後の働き方などを紹介します。

女性の航海士の現状

仕事上では男女差はない

航海士は男女関係なく活躍できる仕事であり、性差を理由に賃金や待遇に差が発生することはありません。

ただし、女性航海士はまだ少なく、採用に躊躇する企業が多いことも事実です。

不自由な生活を強いられる

船の中での生活は陸上のものとはまったく違います。

使えるスペースが大変限られているため、トイレ、洗面台、風呂場などは共同で使用することがほとんどで、男女の区別がない場合が多く見られます。

もちろん交代で使用すればよいのですが、若い女性の航海士であれば神経を使うことも少なくありません。

生活に不可欠な水は船に積み込める容量に限りがあるため、航海中は節水に努めなくてはならないため、洗面台で念入りに洗顔することも出来ませんし、洗濯機に使う水量にも気を使います。

また洗濯物を干す場合も、他の船員の目に触れないようにするのに苦労するなど、不自由な生活を強いられることも多くあります。

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女性の航海士の強み・弱み

体力が求められる

船上作業を行う際には専用の作業着着用が義務付けられています。

ゴム手袋もしくは皮手袋を着用し、安全帽、安全靴などを着用しますが、作業内容によっては救命胴衣を着用することになり、それらすべての総重量だけでも相当なものになります。

作業中には安全が最優先されるため、作業着に通気性や装着性のよさは期待できません。

甲板での作業は海面からの照り返しがあるため、真夏などには体感温度が上昇し、ただでさえきつい船上での体力仕事は、重さと暑さとの戦いでもあるのです。

過酷な環境の中で体調を崩してしまってもすぐには病院にいけない航海士には、普段からの健康管理が求められ、体力が求められます。

力仕事以外の業務

近年は専門機器を操作する仕事が増え、女性が活躍できる場も広がっています。

資材・荷物の積み下ろしを行うデッキクレーン、エンジンや燃料に関わるボイラー機器、船を操縦するためのレーダー機器など、複雑な操作が必要とされる専門機器を使いこなせば、女性であっても航海士としての任務は立派に務めることができることでしょう。

力仕事は男性に応援を頼み、自分はこうした細かい作業に回るなど仕事を分担することで、女性にも活躍のチャンスは多くあります。

航海士の結婚後の働き方・雇用形態

航海士として活躍する女性は増えてきてはいますが、結婚後も乗務する人は非常に少なくなっています。

どうしても特殊な勤務体制のため、家庭と両立することが難しいからです。

しかし、女性航海士を目指す人や現在働いている人のロールモデルになりたいと、家族に協力や応援をしてもらいながら航海士として働き続ける人はいます。

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航海士は子育てしながら働ける?

子育てをしながら海上での勤務をすることは非常に難しいものがあります。

企業にも産休や育休などの制度はありますが、どうしても乗船中は家族と離れなくてはならないため、航海士を続けながら育児をするには家族や周囲の理解と協力が不可欠です。

近年では育児中は陸上勤務を認めるなど配慮のある企業も増えてきてはいますが、海上勤務を続けたい場合は自身の努力だけでは難しいと知っておきましょう。

また海上保安庁や自衛隊などは比較的制度が整っておりサポートも手厚いため、航海士として長く働きたい場合はこうした公務員の道を選ぶこともひとつの方法です。

航海士は女性が一生働ける仕事?

近年、女性航海士が増えてきたことにより、さまざまな制度や環境が整えられてきました。

特に大型の商船や客船を扱う企業では、女性の船長が誕生するなどめざましい活躍を見せる人も少なくありません。

船上での仕事や生活は男性中心の古い慣習がいまだに多く残っていますが、今後、海上で働く女性が増えることにより、男性航海士・女性航海士共に働きやすい環境が整えられていくことが期待されています。

女性の航海士のキャリアパスのまとめ

力を使う仕事については、どうしても女性は不利になりがちですが、そのほかに自分にできることを探し、前向きに挑戦すればキャリアを築いていくことは十分可能です。

働きながら子育てをしたいと考える人は、男女問わず福利厚生が整っている職場を探しましょう。

体力面や不規則な生活などで厳しい面はありますが、知識やスキルを生かして働ける仕事であるため、制度さえ整えば長く続けられる仕事といえるでしょう。