Webデザイナーになるには
こうしたなか、使いやすく、見た目もよいWebサイトを作り上げていくWebデザイナーは、ますます人気が高まっている職種です。
このページでは、Webデザイナーになるための道のりや求められるスキル、さらにWebデザイナーとして活躍した先のキャリアなどについても広く紹介しています。
これからWebデザイナーになりたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
Webデザイナーになるまでの道のり
Webデザイナーを目指すにあたり、特別な資格は必要ありません。
各社が出しているWebデザイナーの求人に応募し、熱意などが認められれば、誰でもWebデザイナーとして働けるチャンスがあります。
ただし、Webデザイナーは個々のスキルが重視される職業であり、実務未経験で、まったく制作経験がない場合、なかなか採用されるのは難しいのも事実です。
たとえ未経験でも、デザインやWebの制作に必要なHTML・CSSなどのスキルがあることを示すために、自分の作品を集めた「ポートフォリオ」は用意しておきましょう。
また、資格を取得していれば、最低限の知識を備えていることをアピールする材料にはなります。
余裕があるうちに「ウェブデザイン技能検定」や「カラーコーディネーター」などの資格などを取得しておくとよいでしょう。
なお、Webデザイナーがプログラミングの知識・スキルも持ち合わせていると、仕事の幅を広げることができます。
Webデザイナーの資格・難易度
Webデザイナーになるために、特別な勉強をする必要はありません。
ただし、関連資格の学習をすれば実力がつきますし、客観的な実力を証明するためにも有効です。
「ウェブデザイン技能検定」は、Webデザイン分野で唯一の国家資格で、資格取得者は高いスキルを持ったデザイナーとして評価されます。
「カラーコーディネーター」は色彩の効果を生活やデザインに取り入れる知識や能力を示す資格で、1~3級まであります。
デザイン業だけでなく、インテリア業、建築業、小売業などでも活用できる人気資格です。
Webデザイナーになるための学校の種類
Webデザイナーになるために、学校・スクールでWebデザインについて学ぶ人も多いです。
Webデザインの勉強ができる学校・スクールには、以下のようなものがあります。
- Web系・デザイン系専門学校
- 社会人向けのデザインスクール
- 大学・短大(情報系、美術系)
上記のうち、専門学校やスクールでWebデザインコースを履修する人が多く、半年~3年ほどかけてデザインの考え方やさまざまなツールの使い方を習得します。
なお、一般的にWebデザイン系のコースではパソコンとデザインソフトが必要となり、実習も多いため、学費はビジネス系のコースよりも高めになります。
専門学校は年間50~80万円くらい、スクールは半年で30~50万円くらいかかると考えておいたほうがよいでしょう。
ただし、就職のサポートやあっ旋を行ってくれる学校も多く、卒業後の就職は比較的スムーズです。
Webデザイナーになるための学校と費用(大学・専門学校・スクール)
Webデザイナーに向いている人
制作が好きな人
なにかを作り上げることに喜びを感じられる人は、Webデザイナー向きといえるでしょう。
制作ではさまざまな作品に携わることになり、手のかかるものもたくさんあります。
その過程を面倒に思わず、愛情をもってよりよい制作物を仕上げることを楽しめる人であれば、どんどんスキルアップでき、仕事で結果も残しやすいです。
センスのよい人
センスよく素敵なWebサイトを作ることは、ある意味では特殊能力です。
素人が簡単にできるわけではないため、センスのよいデザインを考案し、形にできる人はWebデザイナーとして成功しやすい人といえます。
もちろん、センスを磨くための努力は欠かせませんが、もともと美的感覚に自信がある人や、美術系のスキルを褒められたことがある人などは、Webデザイナーとして伸びやすいでしょう。
Webデザイナーのキャリアプラン・キャリアパス
未経験や新卒でWebデザイナーを目指す場合、まずはWeb制作会社の「アシスタント」として現場に入ることが多いです。
最初から「Webデザイナー」として採用されることもありますが、能力に応じた比較的簡単な仕事から挑戦していきます。
案件に携わりながらも、主体的にスキルを磨いて、対応できる業務の幅を広げます。
その後は、個々の長所やキャリアの目標に応じて、さまざまなキャリアパスが考えられます。
そのままWebデザイナーとして多様な案件に携わる人もいますが、なかには制作現場を管理する「Webディレクター」、もしくは制作の企画・提案をする「Webプロデューサー」や「Webプランナー」になる人もいます。
あるいは、大規模案件のデザイン責任者となる「アートディレクター」などの職種にステップアップする道も開けます。
キャリアの途中で他の企業へ転職する人や、フリーランスのWebデザイナーとして独立する人、起業する人も多いです。
たくさんのデザイン業務に携わり、スキルアップすることにより、多様なキャリアの道が開けていくのがWebデザイナーの特徴です。
Webデザイナーを目指せる年齢は?
Webデザイナーを目指すにあたり、年齢に制限はありません。
しかしながら「Webデザイナーを目指すなら若いうちがよい」というのが一般的な見解です。
デザインやプログラミングなどの技術・知識は、常に学び蓄積していかなくてはなりません。
また、Web業界はITと同じく変化が速く、流行もどんどん移り変わっていきます。
そのため、思考が柔軟で時間に余裕がある20~30代前半で目指す人が多く、若手の活躍が目立つ業界でもあります。
もちろん、年をとったら働けないわけではありませんし、趣味や副業として行ううえでは年齢はこだわる必要はありませんが、制作会社では若い人が好まれる傾向も見られます。
とくに未経験からのスタートであれば、若いに越したことはありません。
Webデザイナーは高卒から目指せる?
Webデザイナーは学歴不問の世界であり、実力があれば中卒や高卒からでも目指すことが可能です。
ただし、デザイナーとして働いていると、高度な思考力や、クライアントの事業や業界への理解を求められる案件も多く出てきます。
大学や専門学校の卒業は必須ではありませんが、社会人としての思考力やマナー、ビジネススキルが低いと、任される業務の幅が狭くなってしまうため、常に学ぶ努力は必要です。
社会人になってからも、自分自身を成長させる努力は惜しまないようにしましょう。
Webデザイナーは女性でもなれる?
Webデザイナーは女性も多い職種です。
正社員としてバリバリ活躍し続けることもできますが、派遣・アルバイトやフリーランスなど多彩な働き方を選べることも、女性にとって働きやすい仕事の理由といえるでしょう。
結婚・出産後に働き方を変えて、キャリアを継続させていくWebデザイナーも多くいます。
仕事上の男女差はほとんどありませんが、とくに化粧品やスイーツ、アパレルなど女性らしい感性が求められる案件では、女性デザイナーが有利なことも多いです。
一方で、繁忙期や短納期案件に対応しなくてはならない場合には、男性ほど体力的にムリができないことも考えられます。
体調管理には十分注意することが大切です。
Webデザイナーの雇用形態の種類
Webデザイナーは雇用形態・働き方の選択肢が多い職業といえます。
- 正社員
- 派遣社員
- パート・アルバイト
- フリーランス
- 副業・在宅
Web制作会社やWebサービス開発会社、広告代理店など、継続的にWebに強い戦力が求められる企業では、正社員の雇用が多いです。
一般の事業会社では、一時的にWebデザイナーが必要とされる場合や、簡単な運用業務を行う場合があることから、派遣社員やパートタイムでの求人が多い傾向です。
企業には所属せずにフリーランスとして働く人、また最近では副業・在宅のWebデザイナーになる人もいます。
雇用形態・働き方によって仕事上の責任や勤務時間、残業の有無、待遇などが異なるため、理想の働き方をよく考えて選びましょう。
正社員のWebデザイナー
責任感とプロ意識が求められる
正社員のWebデザイナーでは、他の雇用形態と比較すると待遇が安定しています。
社会保険などの福利厚生がしっかりしていることが多く、繁忙期でなければ有給休暇をとることも可能です。
給与は会社規模にもよりますが、年収350~500万円くらいになる人が多いでしょう。
デザイナーチームのリーダーになると、さらなる収入アップも期待できます。
一方、職場によっては残業も多く、また会社のデザイン面のレベルアップに貢献するというプロ意識が求められます。
キャリアが積める一方で、業務範囲は限定的
正社員の場合、社内でディレクターなどの管理職やデザインチームの主任になるなどキャリアアップも期待できます。
一方、会社によって受注する案件の幅が決まってくるため、同じような業務を繰り返すことも多く、仕事での刺激がなくなったり、スキルアップの限界を感じることもあります。
そうした場合、身につけたスキル・経験を生かし、新しい企業で再び正社員のWebデザイナーとして活躍する人もいます。
派遣のWebデザイナー
実力で仕事内容や待遇が変わる
派遣社員としてWebデザイナーをする人も多いです。
派遣の場合、派遣会社がデザイナーのスキルや経験をもとに案件を探して紹介するため、条件のよい仕事ができる可能性が高いです。
経験が不足している場合は、業務負荷の少ない案件や、アシスタントがメインの案件などを回してくれます。
スキルや仕事内容によって給与など待遇面も変わりますが、実績のある人ならよい条件の仕事も探しやすいのが特徴です。
未経験でも実績を積める
派遣の場合、未経験だとしても現時点のスキル相応の派遣先を紹介してくれるため、地道に経験を積んでいくことも可能です。
仕事が見つかるまでの間、必要なスキルやビジネスマナーをトレーニングしてくれる派遣会社も多くなっています。
派遣で実績をある程度積んで、正社員の採用試験を受けるのもよいでしょう。
契約によっては、将来的に派遣として勤務していた先と雇用契約を結べることもあります。
アルバイト・パートのWebデザイナー
仕事内容はアシスタントが中心
アルバイトやパートとしてのWebデザイナーの求人も見られます。
おもな仕事は社員デザイナーのアシスタント業務で、簡単な素材作成や素材撮影の補助、チェック作業などが中心です。
過去に社員として勤めていたなど、スキルが明確な場合はより高度な作業を担当し、作業に応じた時給になることもあります。
時間の自由が利くのが最大のメリット
アルバイトやパートは時間の自由が利くのが最大のメリットです。
週に3日だけ、1日あたり3~5時間の勤務という人も多く、ワークライフバランスを重視したい人があえてこの形態を選ぶことがあります。
また、将来Web業界で働きたいと考えている学生が、アルバイトでWeb制作現場を経験するケースもあります。
能力やセンス、コミュニケーション能力が評価されれば、職場から直接スカウトされるかもしれません。
フリーランスのWebデザイナー
仕事内容は幅広い
フリーランスのWebデザイナーは、Webデザインがメインではありますが、個々のスキルによって企画やコーディングなど制作の幅広い部分に携わります。
個人の力で仕事を獲得していく必要があるため、日々スキルアップに励み、できることを増やしていくことが重要です。
他の人にはない「強み」をもてると、安定して仕事を続けやすいでしょう。
収入も自由な時間も増えることが多い
Webデザイナーは、独立にあたっても大掛かりな設備や経費は必要ではありません。
また、得られる報酬の大部分が自分の収入となるため、一定のスキル・実績を積んでいる人であれば、企業勤めの場合よりも収入が高くなる傾向があります。
勤務時間の指定もないため、制作スケジュールさえきちんと守れば、自由な時間帯に働くことが可能です。
仕事を安定的に得るのが難しい
Webデザイナーがフリーランスとして働く厳しさは、仕事を安定して得ることが難しいことです。
本人はやる気があっても、他の案件の都合や健康状態、家族の状況による都合などで、思うように仕事を受けられないこともあります。
しかし、会社員のように決まった給料が毎月支払われるわけではないため、仕事ができないと一気に生活苦に陥ってしまう可能性があります。
また、営業活動や事務処理など、制作業務以外の部分にストレスや負担を感じる人もいます。
副業・在宅のWebデザイナー
仕事は軽作業が中心
副業や在宅のWebデザイナーは、基本的にバナー作成やブログやホームページの更新作業といった軽作業を中心に担当します。
副業や在宅の場合、勤務時間の指定がないことが多く、比較的自由な働き方ができます。
ただし、納期をしっかり守ることが大切です。
収入はスキルと要領しだい
副業・在宅のWebデザイナーの場合、収入はスキルと要領によります。
制作だけでなく、営業にかかる時間も考える必要があり、時給換算すると非効率な場合も多いです。
勉強や下積みと考えるならよいですが、本業や収入源として期待するなら業務の効率化を常に考えることが大切です。