Webデザイナーの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説
「Webデザイナー」とは
Webサイト制作現場において、クライアントのニーズを満たすデザインを作成する。
Webデザイナーは、Webサイトの目的やコンセプトにもとづいて、サイトを設計していく人のことです。
主にWebサイトの「見た目」部分を担当しますが、見栄えのよさや美しさだけを追求するのではなく、ユーザーにとって使いやすく、ユーザーが意図したとおりに行動してくれるデザインを作成することが求められます。
Webデザイナーになるのに決まった道はないものの、専門学校や大学でWebデザインを学び、Web制作系の会社へ就職するのが一般的です。
平均年収は300万円〜400万円程度で、「Webディレクター」や「Webプロデューサー」としての役割も担うようになったり、独立して事業が軌道にのったりすれば、さらに高額の収入を得ることもできます。
Web業界は変化が速いため、常に新しい技術や感性を身につけて、豊かな発想ができる人が求められています。
「Webデザイナー」の仕事紹介
Webデザイナーの仕事内容
Webサイトのデザイン面を幅広く担当する
Webデザイナーとは、Webサイトのデザインを専門的に手掛ける人のことです。
主にWebサイトの「見た目」部分を担当しますが、Webデザインでは、単に見栄えがよく美しいものにするだけでなく、ユーザーにとって使いやすく、ユーザーが意図したとおりに行動してくれるデザインを目指すことが重視されます。
またWebサイト制作の場では「Webディレクター」などとチームを組んで、チームの一員としてデザイン面を担当します。
複数のデザイナーが関わることもあり、プロジェクトごとに臨機応変に自分の役割を理解したうえで、他のスタッフと協力しながらサイトをつくり上げていきます。
幅広いWeb制作の知識・技術を生かして活躍する人も
Webデザイナーが手掛ける作業は多岐にわたります。
Webページ全体のレイアウトやカラーイメージの設定、ロゴやバナーといった素材作成などのデザイン業務を中心に担当し、ディレクターの指示や助言を受けながら制作を進めます。
プロジェクトによってはHTMLやCSS、JavaScriptなどを用いて、Webサーバーで表示するための「コーディング」と呼ばれる作業まで手掛けることがあります。
フロントエンドやプログラミングの深い知識・技術があるWebデザイナーは、一人で手がけられる業務の幅が広がります。
関連記事Webデザイナーの仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介
Webデザイナーになるには
Webデザインの基礎知識・技術を身につけ、就職を目指す
Webデザイナーになる方法に決まったものはありませんが、Web制作会社やWebサービスの企画・運営会社へ就職するのが一般的です。
Webデザイナー職の場合、まったくの未経験者を採用しているところはさほど多くなく、ある程度の知識・技術を習得しておくほうが圧倒的に有利です。
このため、大学の情報系学部や、Web系の専門学校、あるいはスクールなどで、Webデザインについて学んでおくのがおすすめです。
最近ではオンライン講座や動画などを活用し、お金をかけずに独学でWebデザインを学べる場も増えています。
また、プログラムを深く理解しているWebデザイナーはそれほど多くないため、プログラミングも学んでおくと就職に有利です。
フリーランスで働く人も
Webデザイナーは、企業勤務だけでなく、フリーランスで働く人も比較的多くいます。
Web制作会社で十分に経験や実績を積んでから独立する人が多いですが、なかには独学でWebデザインを勉強し、最初からフリーランスで仕事をはじめる人もいます。
実力があれば、個人でも仕事を請け負うことはできますが、その場合、プロジェクトの全体像が見えづらかったり、大きな案件には関われなかったりすることがあります。
Webデザイナーの学校・学費
大学や専門学校からスクールまで、選択肢はさまざま
Webデザイナーとして働くうえで、学歴はあまり重視されません。
ただ、Webデザイン基礎知識やスキルを学ぶために、大学やWeb系の専門学校、あるいは民間のスクールで学ぶ方法が一般的です。
大学の場合は情報系の学部が選択肢に挙がり、Webデザインのほか、Webと関係の深いネットワークやプログラム、マーケティングなどまで幅広く学べます。
Webデザイナーとしての基礎力を高めつつ、その他の一般教養まで広く学べるのが魅力です。
一方、Web系の専門学校ではWebデザイナー養成に特化したカリキュラムを設けており、就職を意識した実践的な授業が多いです。
このほか、民間のスクールやオンライン講座などでも、Webデザイナー志望者向けの講座・コースが数多くあります。
学費は学校・スクールの種類によって異なり、安ければ数万円程度から、また大学のように卒業までに数百万円かかるものもあります。
目指すキャリアをよく考えて、どこで学ぶかを検討していきましょう。
関連記事Webデザイナーになるための学校と費用(大学・専門学校・スクール)
Webデザイナーの資格・試験の難易度
資格よりもスキル・経験が重視されやすい仕事
Webデザイナーになるために、資格は必要ではありません。
むしろ、この仕事ではスキルや実績が重視されるため、地道に経験を積んでいけば、学歴・資格は関係なく活躍できる可能性は十分にあります。
ただし、スキルアップのために、業務に関連する資格取得を目指す人もいます。
Webデザイナーに関連する資格は民間資格がほとんどですが、唯一の国家資格である「ウェブデザイン技能検定」は知名度も高く、評価されやくなっています。
レベルは易しいほうから3級、2級、1級の3種類があり、1級の合格率は10~20%程度と、難易度はやや高めです。
資格があっても就職・転職にはあまり影響しないことを理解したうえで、実力を試すために取得してみるのもよいでしょう。
関連記事Webデザイナーを目指す人におすすめの資格や検定は?
Webデザイナーの給料・年収
勤務先や個々のスキルによって幅がある
Webデザイナーの平均年収は、さまざまな調査データをもとに見ていくと300万円~450万円ほどと推定できます。
ただ、この仕事は個人のスキルや経験によって収入に差が出やすいため、先輩のアシスタント的に働く新人のWebデザイナーと、キャリア豊富なベテランWebデザイナーでは、年収に数百万円の差が出ることも十分に考えられます。
一般的なデザインだけでなく、最新のUIやUXまで配慮した画面設計、業界・業種に合ったデザインの提案など幅広いニーズを理解し、対応できるデザイナーは高く評価されやすいです。
また、Web制作会社は中小規模のところも多いですが、会社の規模や業績、体制などによっても収入には差が出てきます。
Webデザイナーが収入を上げるには
Webデザイナーのキャリアパスとして、幅広いWebの知識・技術を生かして「Webディレクター」や「Webプロデューサー」になる道があります。
企画・提案やマネジメント、マーケティングなどのスキルも持ちあわせているWebデザイナーは、大きく飛躍できる可能性が高まります。
あるいは経験を積んで独立すれば、会社勤めの人よりも多くの収入を得ることも不可能ではありません。
関連記事Webデザイナーの年収はいくら? 給料についてくわしく解説
Webデザイナーの現状と将来性・今後の見通し
自分の強みをもてるWebデザイナーは活躍しやすい
インターネットが私たちの生活に当たり前に組み込まれている現代では、Webデザイナーの仕事が年々増えています。
Web専門の制作会社はもちろん、一般の事業会社でも自社のマーケティング活動やPRなどを目的としてWebの専門部署を設けるケースが増えており、活躍の場は広がっています。
Web業界は非常に変化が早く、新たな技術やトレンドが生まれ続けているため、時代感覚を備えることは欠かせません。
それと同時に、クライアントの希望やプロジェクトのコンセプトを正確にくみ取り、最適な成果や効果を出すためのデザインができるスキルが求められます。
ただ単に見た目を整えるだけのWebデザイナーは、どこかでキャリアが頭打ちになる可能性があるため注意が必要です。
Webデザインに加えて、プログラムの専門的な知識・技術、Webマーケティングの知識まで備えているなど、自分なりの「強み」をもつ人は、活躍の幅を広げやすくなっています。
Webデザイナーの就職先・活躍の場
Web制作会社のほか、一般の事業会社でも活躍
Webデザイナーの就職先として、最も代表的といえるのがWeb制作会社です。
Web制作会社の規模は大手から中小ベンチャーまでさまざまで、多様な業界の企業がクライアントになることが多く、幅広い案件に携わることができます。
多数のクリエイターが在籍しており、経験を積むと、WebディレクターやWebプロデューサーなど上流を担当する職種へステップアップする道も開けます。
制作会社とは別に、一般の事業会社で働くWebデザイナーがいます。
事業家医者では、自社のWebサイトやオウンドメディアの企画・運用や、社内で使うWebサービスの開発などをメインで担当し、比較的じっくりと案件に取り組める環境があります。
企業によっては企画やマーケティング、広報などを兼務します。
このほか、アプリ開発会社にてアプリの各画面のレイアウトや画面遷移図、画面や必要素材などの作成を担当したり、フリーランスになって企業と個人で契約を結び、さまざまな案件を手掛けるWebデザイナーもいます。
Webデザイナーの1日
デザイン業務を中心に過ごす
Webデザイナーは、勤務時間の多くをデザイン作業にあてます。
デザインにはまとまった時間が必要で、集中力を保つ必要があります。
プロジェクトの進行状況によっては、合間に社内ミーティングも入ります。
以下では、Web制作会社で働くWebデザイナーの1日を紹介します。
関連記事Webデザイナーの1日のスケジュール・勤務時間や残業、休日についても解説
Webデザイナーのやりがい、楽しさ
手掛けたWebサイトが評価されたとき
Webデザイナーは、Webデザインの知識やスキルを発揮してクライアントの目的を達成するための方法を熟考し、最適な形で表現します。
自分が手掛けたWebサイトをきっかけに「売上が上がった」「認知されるようになった」などの成果が出て、クライアントが喜んでくれたときには、大きな達成感が得られます。
また、他業界のデザイナー職と同様、豊かな感性が求められ、自分のスキルやセンスを生かして働くことができるのも、Webデザイナーとしてのやりがいになります。
個人の実力が問われる専門職であるため、技術を高めれば独立したり、多様なプロジェクトに関わったりできるようになるのも魅力です。
Webデザイナーのつらいこと、大変なこと
流れの速い環境で、多忙な日々を過ごすことも
流れやトレンドの移り変わりが激しいWeb業界で生きるWebデザイナーは、クリエイターの一人として、常にアンテナを張って最前線の物事を捉えていかなくてはなりません。
しかし納期ありきで動く仕事が多く、その時々で抱えている案件の量や種類によっては、あまり余裕がない状態で働き、多忙な日々を過ごすことになります。
人によって異なりますが、激務となり、心身ともに疲れてしまう人もいます。
自分の仕事がなかなか評価されないとき
Webデザイナーは専門職として、個々の実力やセンスがハッキリと出やすい仕事です。
周囲になかなか認められないうちは、周りと比較して自信を失ったり、つらいと感じたりすることもあるかもしれません。
また、Web制作のデザインは感性や美しさだけが評価基準になるわけでなく、ユーザーのPVや反応など、さまざまな効果が数字で評価されます。
こうした数字を気にして、自由にデザインができないことにもどかしさを感じる人もいます。
Webデザイナーに向いている人・適性
新しい知識も積極的に習得する成長意欲の高い人
Webサイトの制作に携わるデザイナーは「もっとよいものを作りたい!」という気持ちが不可欠です。
自ら勉強して新しい知識・技術を習得したり、さまざまなものに触れてトレンドやセンスを磨き続け、デザイナーとして向上し続けようとする人が、この仕事には向いています。
自分の目で見たこと、感じたことを、どんどんデザインに生かす姿勢も大切です。
また、Web制作のプロジェクトは他のチームメンバーと協力・連携しながら進めていくため、コミュニケーション力も欠かせません。
人の話をよく聞いて、相手が望んでいることに柔軟に対処できる人もWebデザイナーの適性があるといえます。
関連記事Webデザイナーに向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
Webデザイナー志望動機・目指すきっかけ
Webの可能性や市場の成長スピードに惹かれて
世の中に「デザイナー」といわれる仕事はたくさんありますが、なかでもWebデザイナーを目指す人は、インターネットやWebサービスに興味があり、その世界でものづくりに携わりたいという思いを抱いています。
Webデザイナーは、ただ見た目のよさや美しさにこだわるだけでなく、サイトの使いやすさや目的などを意識したデザインをしなくてはなりません。
いまや、Webサイトはありとあらゆる業界で活用されており、需要の大きな仕事ができることや、Web業界の可能性、市場の成長スピードに惹かれて、この職業を目指す人も多いです。
また、能力次第では独立して働くこともでき、理想のライフスタイルを実現しやすいことも、Webデザイナーの志望理由のひとつとしてよく挙げられます。
関連記事Webデザイナーの志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?
Webデザイナーの雇用形態・働き方
実力やスキルがあれば、独立も可能に
Webデザイナーは、Web制作会社などに正社員として勤めることはもちろん、契約社員、派遣社員、アルバイト・パートなど、多様な雇用形態で活躍できます。
正社員は会社の中心人物として活躍し、長期的なプロジェクトに関わっていくことも可能です。
未経験者の場合、いきなり正社員として採用されるケースもゼロではありませんが、企業によってはまずアルバイトや契約社員として採用され、実力と経験に応じて正社員へステップアップする制度を設けている場合があります。
Web業界では学歴や年齢よりも個々のスキルが重視される傾向のため、十分な経験・実力を身につけると独立し、フリーランスでさまざまな案件を請け負う人もいます。
とくに最近は他の仕事をもちながら、在宅や副業でWebデザインのスキルを生かして働くケースが増えています。
Webデザイナーの勤務時間・休日・生活
柔軟な働き方がしやすいが、残業が多い職場も
Web制作会社などで働くWebデザイナーの勤務時間は、各社の就業規程によりますが、日勤が基本です。
比較的歴史の浅い企業も多いことから、「フレックスタイム制度」「リモートワーク」など柔軟な働き方を取り入れている企業も珍しくありません。
ただ、Web業界は勤務時間の個人差が激しく、職場の体制、あるいはプロジェクトの進行状況によっては残業時間が非常に多くなります。
常に納期を意識して仕事を進めなくてはならず、スケジュールに追われると休日返上で働くこともあります。
やや激務になりがちな職種のため、業務の進捗状況によって、自分で上手にオンオフを切り替えて働くことが求められます。
Webデザイナーの求人・就職状況・需要
求人は多く、求められるスキルはさまざま
Webサービスがあふれるようになり、Webデザイナーを募集している企業はますます増加傾向です。
Web専門の制作会社はもちろんのこと、一般の事業会社でもWebデザイナーの求人が出ています。
ただ、入社時点でどの程度のスキルレベルが求められるかは企業によって異なり、専門学校などでWebデザインの基礎知識・スキルを身につけていることが条件になることもあれば、まったく専門知識がなくても熱意次第で採用されることもあります。
具体的な業務内容や雇用形態も企業によって異なるため、まずは自分がどのように働きたいのかをイメージして、就職先を探しましょう。
Webデザイナーの転職状況・未経験採用
スキルがある人材が歓迎されやすいが、未経験でも転職可能
Webデザイナーを求める企業は多くありますが、小規模の制作会社では、未経験者を一から教育する余裕がないため、即戦力になれる人材が歓迎される傾向にあります。
ただし、未経験者が応募できる求人も決して少ないわけではなく、熱意や意欲、積極性などがあれば、将来性を見込んで採用されることもあります。
とくにアルバイトからは経験問わずスタートしやすいです。
独学であっても、自分でパソコンやグラフィックソフトを使うなどしてWebデザインに触れておくと評価されやすいです。
また、経験がない場合はできるだけ年齢が若いほうが採用されやすく、30代以上になると転職のハードルが高まります。
WebデザイナーとWebプログラマーの違い
Web制作における役割や求められるスキルが異なる
WebデザイナーとWebプログラマーは、どちらもWebサイトの制作に携わる技術職であることは共通しています。
ただ、両者には以下のような違いがあります。
WebデザイナーもHTMLやCSSの理解は不可欠ですが、Webプログラマーはそれに加えて、プログラミング言語やデータベースの知識・スキルが求められます。
どちらも特別な資格は必要なく、専門学校などでWebデザイン、あるいはプログラミングのスキルを磨いてWeb制作会社へ就職するのが一般的なルートです。
両方のスキルを生かして「フロントエンドエンジニア」として活躍する人もいます。
未経験から独学でWebデザイナーになれる?
独学でも目指せるが継続的に学ぶ姿勢が必要
近年、Webデザイナーを独学で目指す人が増えています。
インターネット上には無料あるいは有料で学べるWebデザイン講座や学習コンテンツが多々あり、覚悟があれば、独学で仕事ができるレベルまでスキルを磨いていくことも可能です。
Webデザイナーは最終的に実力で評価されるため、学歴や資格がないとしても、制作物の品質が高く、クライアントの要求に応える力を身につければ問題ありません。
独学でWebデザインを学んだのちは、Web制作会社への就職を目指す人が多いですが、なかにはクラウドソーシングなどを足掛かりに、フリーランスで仕事をする道を模索する人もいます。
ただ、勉強を続ける課程で、独学に限界を感じてあらためて専門学校やスクールに通うことを決意する人もいるのが現実です。