【2021年版】宅建士の給料・年収

宅建士の平均年収・給料の統計データ

宅建士(宅地建物取引士)は、不動産業界で働く人の多くが目指す、最もメジャーといえる資格です。

ただ、その人気と知名度の高さのために、毎年2万人を超える数の人が新たに資格を取得・登録しており、もはや宅建士は「持っていて当たり前の資格」になりつつあります。

このため、給料などの待遇面については、ただ宅建士の資格があるというだけは資格をもたない一般的なサラリーマンとほぼ変わらない水準となっています。

しかしその一方で、ある程度のキャリアを積んで専門知識とスキルを伸ばした人のなかには、インセンティブ(成果報酬)によって大きく収入を伸ばしているケースもよく見られます。

宅建士の給料は、資格の有無というよりも、個人の実力に依るところが大きいといえるでしょう。

宅建士の平均年収・月収・ボーナス

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
宅地建物取引士
(転職ステーション)
458万円 -
不動産
(マイナビエージェント)
458万円 20代432万円
30代517万円
宅建士
(キャリアピックス)
500万円 月収35万円
ボーナス80万円
宅地建物取引主任者
(求人ボックス)
473万円 -

各社の統計データをみると、宅建士の年収は450万円~500万円前後に集中していることがわかります。

ただし、上述の通り、宅建士の給料は実力次第であり、年収格差がかなり大きいため、平均以下で食べていくのがやっとという人もいれば、平均の2倍以上を稼いでいる人もいます。

なお、職場によっては宅建士の資格手当が支給されるところもありますが、その金額は月1万円~3万円程度が相場とされています。

決して小さくはないものの、資格によって劇的に収入が変わるというわけではありません。

宅建士の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

最も平均的な宅建士の年収を470万円、ボーナスを月収の2ヵ月分と仮定すると、平均月収は約34万円、ボーナスは約67万円という計算になります。

そこから社会保険料や所得税、住民税などを差し引いた手取り収入は、独身の場合で月々25万円~26万円、ボーナスが約54万円です。

ただし、宅建士のボーナスは勤務先によっては個人成績に連動するケースも多く、実際の支給額は月々の給与以上にばらつきやすいといえます。

なかには、ボーナス相当分が成果報酬というかたちで月々の給与にプラスされるため、ボーナスという制度そのものが存在しないという勤務先もあります。

一般的なサラリーマンとはやや事情が異なり、宅建士は、ボーナスをあてにして日々の生計を立てるのは、危険度が高いといえるでしょう。

宅建士の初任給はどれくらい?

宅建士の初任給は、企業によってかなり差があるものの年収300万円前後が相場であり、月収にして25万円前後です。

資格手当が付くこともあって、一般的な職業よりも高水準といえますが、宅建士の給与体系は基本的に年功序列で昇給していくわけではありません。

スタートラインの給料は高くても、その後に稼げるかどうかは個人次第であり、人によっては数年経っても初任給からほとんど変わらないというケースもあります。

反対にいうと、実力さえあれば1年目から年収400万円や500万円、あるいはそれ以上を稼ぐことも可能であり、宅建士は新人や若手でも、平等にチャンスのある職業ともいえるでしょう。

宅建士の福利厚生の特徴は?

宅建士の福利厚生は、企業の規模によってかなり差があり、一部大企業では非常に手厚いところもありますが、総じてそれほど恵まれているとはいえません。

不動産会社は業界全体でかなり入れ替わりが激しく、業歴の浅い企業が大半を占めることもあって、休暇制度などがあまり整備されていないというケースもしばしば見られます。

また、インセンティブ割合が高いと、有給休暇などで休んだぶんが、そのまま収入減につながりやすく、たとえば産休や育休で長期間休むと基本給だけでは生活が苦しくなることもあります。

このため、実質的に制度を利用できないという可能性もあり、とくにライフイベントの多い女性の場合、企業によっては働きづらさを感じることも多いかもしれません。

そのぶん、実力によっては限られた勤務時間・勤務日数で高給を得ることも可能であり、宅建士は、企業の福利厚生よりも自分のスキルに頼って働く職業といえるでしょう。

宅建士の給料・年収の特徴

景気の波に左右されやすい

不動産は、一般のほかの商品と比べると著しく高額であるため、その売買などの取引は好景気のときほど活発になり、反対に不況になるほど動きが鈍くなります。

このため、宅建士の給料も景気変動の影響を受けやすく、個人消費が伸び、企業投資も盛んである時期は、仲介案件などが増えて稼ぎやすくなる一方、不景気の時期は収入が落ち込みがちです。

世の中の景気の上下は個人ではどうしようもないため、安定性を望む場合は、不動産仲介会社よりも固定給の割合が高い不動産管理会社などに勤めるほうが無難かもしれません。

地域による収入格差が大きい

宅建士の給料は、上述の景気と同じ理屈で、不動産取引件数が多く、また取り扱い物件の単価が高い都市部ほど高水準であり、取引件数が少なく、単価が低い地方ほど低い傾向にあります。

地域別に宅建士の平均給料をみると、最も高い東京が年収756万円となっている一方、最も低い沖縄では年収432万円と、実に300万円以上もの大きな開きがあります。

宅建士にとって、就職先の地域選びは非常に重要といえるでしょう。

ただし、地方でも、新幹線の新駅や高速道路のインターチェンジなどができて街の再開発などが行われると一気に不動産取引が増え、宅建士の需要も急増します。

高収入を求めるなら、あえてそうしたエリアをピンポイントで狙って就職するという方法も考えられるでしょう。

リスクとリターンが比例しやすい

宅建士の給料は、一般的に固定給と歩合給に分かれていますが、歩合給の相場は自身が得た仲介手数料の10%~20%前後です。

仮に3000万円の取引を成立させた場合、不動産会社はその約3%を報酬として受け取ることができるため、手数料は約90万円となり、宅建士個人に入る歩合は9万円~18万円となります。

しかし、不動産会社のなかにはフルコミッション(完全歩合制)の職場もあり、その場合は固定給が一切支給されなくなるかわり、仲介手数料の50%ほどが支払われるケースが一般的です。

上述の例でいえば、1回の取引で約45万円の収入となるため、同規模の取引を月1件のペースで成立させれば年収600万円、月2件のペースなら年収1200万円が得られる計算です。

契約を取れなければ何ヵ月でも収入はゼロですから不安定にはなりますが、かわりに一攫千金を稼げるチャンスも大きくなり、まさにハイリスク・ハイリターンといえます。

不動産会社のなかには、反対に歩合ゼロで100%固定給のところもあるため、リスクとリターンを天秤にかけて、自身の考え方に合致する就職先を選ぶとよいでしょう。

職種別に見る給料・年収

事務職の宅建士の給料

不動産取引の際には、買主や売主に対して「重要事項説明書」と呼ばれる文書の作成と説明が義務付けられており、これらは宅建士の資格保有者だけが行える「独占業務」と呼ばれるものです。

宅建士のなかには、この重要事項説明や契約書作成業務だけを担当し、基本的に営業活動には一切かかわらない、事務職として働いている人もいます。

その場合の年収は約300万円前後が相場とされており、給料としては低水準ですが、ノルマもなく、勤務時間も短いうえに移動などもなく、体力的・精神的な負担は非常に軽いといえます。

家事や育児と仕事を両立させたい場合などは、宅建士の資格を生かして事務職として働くことで、効率的に収入を得ることができるでしょう。

営業職の宅建士の給料

事務作業に加えて、営業もこなすというスタンダードな宅建士の給料は、400万円~650万円前後が相場です。

しかし、実際の収入は営業成績次第ですし、また一口に不動産会社といっても、旧財閥系のディベロッパーと呼ばれる大手上場企業から、いわゆる「街の不動産屋さん」まで幅広くあります。

なお、ネームバリューと経営地盤のある大企業のほうが、大型の不動産取引を成立させやすいため、宅建士の収入も基本的には企業規模に比例する傾向にあります。

役職者の宅建士の給料

宅建士の資格に加えて、ある程度のキャリアを重ねた後には、役職者に昇進する人もいます。

その給料は、係長クラスで約580万円、課長クラスで約760万円、部長クラスで約840万円とされています。

上場クラスの大手企業で役職者に昇進すれば、年収1000万円以上を得ることも十分に可能です。

ただ、そのためには、非常に厳しい就職競争・出世競争に勝ち抜かなければならないでしょう。

宅建士が収入を上げるためには?

宅建士が収入を上げる方法は、営業力を磨いたり、「ファイナンシャルプランナー(FP)」などの関連資格を取得して知識を増やしたりして、インセンティブで稼ぐという道が一般的です。

しかし、もしももっとリスクを取れるならば、独立開業するという道もあります。

自身で不動産会社を経営すれば、成立させた契約の仲介手数料は100%自分のものになるため、仮に上記と同じ3000万円の取引であれば、1件で100万円の収入です。

実際には、事務所の家賃や水光熱費、交通費などもかかるため、手取りとしてはもっと少なくなりますが、それでも雇われ宅建士として得られる給料と比べれば、その実入りは雲泥の差です。

ただ、高額の不動産取引を手掛けようと思えば思うほど信用力が求められるため、たいして業歴のない新参者では、大企業や老舗企業の「看板」には太刀打ちできないという側面もあります。

独立開業に夢があるのは間違いありませんが、厳しい競争に晒されるという覚悟が必要になるでしょう。