宅建士のつらいこと・大変なこと・苦労

宅建士のつらいこと・大変なこと

勉強し続けなければならない

宅建士(宅地建物取引士)の業務には、宅建業法をはじめ、民法、不動産登記法、建築基準法、税法、各地方自治体の条例など、数多くの法律が密接に関わります。

仕事するうえで必要になる知識量は非常に多く、またそれらの法律は、時代や社会情勢の変化に合わせて、かなりの頻度で改正されていきます。

たとえば2011年の東日本大震災が発生した後には、津波災害警戒区域に関する法律について、宅建士が不動産取引の当事者に説明することが義務化されました。

各種研修や自宅学習などを通じて、生涯にわたって働きながら勉強し続けなければならない点が、宅建士の大変なところといえます。

不動産取引の重要性を考えれば、「知りませんでした」では済まされないため、どんなに忙しくても、自己研鑽に手を抜くことはできないでしょう。

雑用させられることも多い

宅建士は、契約書作成をはじめとする専門性の高い仕事もあるものの、取引相手からの要望で雑用することも頻繁にあります。

宅建士は、不動産を任せてもらっているという立場上、オーナーからの依頼を断るわけにはいかず、更地であれば草刈りをすることもありますし、マンションであれば共用部の電球を交換することもあります。

「温かいお湯が出ない」「蛇口をひねっても水が出ない」など、本来であれば、不動産業者である宅建士ではなく、設備業者にいうべき作業を入居者から依頼されることもあります。

しかし、宅建士は信頼第一であり、冷たい態度を取った結果がどんな不利益を招くとも限らないため、たとえ自身に修理できるスキルがなくとも、とりあえず現場に向かわないわけにはいかないでしょう。

人によっては、宅建士は非常にストレスがたまりやすい仕事といえるかもしれません。

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宅建士の悩み

宅建士の多くが抱える共通の悩みとして、仕事量が安定しにくいという問題が挙げられます。

不動産は、取り扱う商品自体が非常に高額であるだけに、取引数は景気の波に左右されやすいです。

宅建士の需要そのものも、基本的には好景気のときほど多くなり、不景気のときほど少なくなります。

さらに、1年間のなかでの繁忙期と閑散期の差も大きく、年度末~年度はじめにかけては、企業の決算の関係で売買取引が増えるとともに、新生活をスタートさせる人が多い関係で賃貸物件の入居希望者も激増します。

しかし、それらがひと段落した4月中旬以降は、反動減もあって仕事は激減し、1日中ほとんど来店客がないということもあります。

仕事が少ないということは、それだけ収入減に直結するため、宅建士は一般的な職業と比べると経済的な浮き沈みも大きく、お金のやり繰りに頭を痛ませる人も散見されます。

宅建士を辞める理由で多いものは?

宅建士を含め、不動産業界では人の入れ替わりが激しく、新たに入ってくる人も多い一方、辞めていく人もめずらしくありません。

その理由はさまざまで、客商売が不向きでうまく営業成績をあげられなかったという人もいれば、肉体労働の多さに疲弊してしまった人、あるいは理不尽なオーナーからの要求に嫌気がさした人もいます。

なかでも、マイホームを購入した顧客からクレームが入ったケースなど、その責任の重さに精神的ストレスを感じて、宅建士を辞める人が目立ちます。

宅建士は能力主義の傾向が強く、優秀な人ほど若くして責任の大きい仕事を任されることもよくあるため、重圧の大きさに耐えられなくなることもあるようです。

また、後ろ向きな理由だけでなく、ポジティブな理由で不動産業界から去っていくケースもあります。

たとえば宅建士からステップアップして「司法書士」や「税理士」など、法律系の専門家になったり、宅建士として培った資産運用や不動産に関するスキルを生かして、銀行などの金融業界に転職する人も一定数います。