女性の宅建士のキャリアパス・結婚後の生活

女性の宅建士の現状

宅建士(宅地建物取引士)資格を取りまとめている不動産適正取引推進機構によれば、宅建士として就業している女性は、全体の25%弱とされています。

4人のうち3人は男性ということになり、宅建士はかなり女性の少ない職業といえます。

不動産業者というと、バブル期の「地上げ」や「土地転がし」に代表されるダーティなイメージや、ノルマがきつそうといった悪印象もあって、敬遠しがちな女性も多いかもしれません。

しかし、近年は世間全体で女性の社会進出が積極化していますし、規制を強化するなどして、不動産業界全体で悪徳業者の撲滅を推進し、イメージ向上に努めています。

そうした取り組みもあって、徐々に女性の宅建士も増えつつあり、直近の試験では合格者全体のうち30%~40%前後が女性となっています。

ここ20年以上にわたって、一貫して女性宅建士は増加し続けていますので、今後についても、女性割合が高まっていくことは間違いないでしょう。

参考:一般財団法人 不動産適正取引推進機構

女性の宅建士の強み・弱み

宅建士の仕事は多岐にわたりますが、おもな業務は接客と事務であり、そのどちらも、一般的には女性が得意としやすい分野です。

接客する際には、女性らしい温かみある応対や、気配り、優しさが、事務作業を手掛ける際には、ミスなく正確に書類を作成する注意深さや慎重さが、それぞれ非常に役に立ちます。

そういった意味では、宅建士は、男性よりもむしろ女性のほうが適している職業といえるかもしれません。

反対に、女性宅建士の弱みとしては、男性と比べてどうしても体力的に無理が効かないという点が挙げられます。

宅建士は、物件の内覧などで移動もかなり多い仕事であり、また繁忙期と閑散期の差も激しいため、忙しいときには1日10軒以上もの物件をまわって、休憩時間さえ満足に取れないこともあります。

女性のなかでも、とくにあまり体力に自信がないという人については、就職先の業務内容や役割について、しっかりと検討したほうがよいでしょう。

結婚後の働き方

ほかの多くの職業と同じように、宅建士についても、結婚を機に仕事場を離れる、いわゆる「寿退職」をする人は、近年非常に少なくなっています。

結婚後も、独身時代と同じように働き続けることは十分可能ですが、上述の通り、宅建士は時期によっては非常に忙しくなりやすく、帰宅時間が深夜遅くなることもあります。

そうした仕事に対する配偶者の理解や、掃除や料理などの家事の分担は不可欠といえるでしょう。

また、どうしても家庭生活への影響が大きい場合は、接客業務などはほかのスタッフに任せて、自身は宅建士資格を生かして、契約業務だけに専従するという働き方に変えることも可能です。

資格をもたない人が物件紹介や内覧などを担当し、資格保有者が契約書作成と重要事項の説明を行うといったように、役割分担して営業している不動産会社も数多く見受けられます。

収入面では目減りしますが、体力的な負担は大きく軽減されますので、ワークライフバランスを取りやすくなるでしょう。

宅建士は子育てしながら働ける?

宅建士が子育てと仕事を両立できるかどうかは、勤め先によってかなり事情が異なります。

上場クラスの大企業の場合、出産休暇や育児休暇などの福利厚生制度が整っているうえ、数多くの社員がいますので、自身が長期間にわたって抜けても、ほかのスタッフでカバーし合うことができます。

しかし、中小クラスの不動産会社の場合、資格保有者の数が限られているために、1人減ると業務が回らなくなるケースが多く、また、そもそも休暇制度自体がないというところも珍しくありません。

宅建士の仕事はハードですので、サポート体制の薄い企業では、子育てしながら働くことは非常に困難であり、離職せざるを得なくなる可能性も十分にあります。

ただし、資格とキャリアがあれば、再就職先を見つけることはさほど困難ではなく、育児がひと段落した後に復職する女性宅建士も大勢います。

宅建士は女性が一生働ける仕事?

宅建士の仕事は、書類作成業務やお客さまへの説明業務などの「頭脳労働」がメインであり、腕力や筋力は必要ありません。

業務に男女間の有利不利はほとんどありませんし、年齢に関係なく、若い人でも年配の人でも、同じように働くことができます。

また、法律知識と実務知識が重要になる専門性の高い仕事ですので、ある程度の経験がある人材については、ブランクの有無に関係なく、業界全体でかなり強い需要があります。

このため、結婚や出産、育児などのライフイベントによってキャリアを中断しやすい女性にとって、宅建士は非常にメリットの多い職業といえるでしょう。

人気資格の強みを生かして、生涯にわたって独自のキャリアライフを築いていくことも十分に可能です。