宅建士の就職・求人の状況

宅建士の就職先にはどんなところがある?

宅建士(宅地建物取引士)の就職先は、端的にいえば不動産会社ということになりますが、その規模も事業内容も、非常にバラエティに富んでいます。

誰もが知る旧財閥系の大手上場企業もあれば、個人経営の小さな店を構える「街の不動産屋さん」もあります。

また、賃貸物件を扱っているところもあれば、売買物件を中心としているところ、仲介ではなくて物件管理を行っているところもあります。

さらに、不動産業界以外でも、ゼネコンやハウスメーカー、工務店など、建築業界の企業に勤める人もいますし、不動産に関する知識を生かして、信託銀行や保険会社など、金融業界の企業で働く人もいます。

私たちの暮らしのありとあらゆるところに不動産があり、不動産に関する業務内容も幅広くありますので、不動産の専門家である宅建士の勤務先もさまざまです。

宅建士の就職先の種類・活躍の場

宅建士の求人の状況

不動産は一般的に非常に高額であるため、好景気のときほど不動産取引は活発になり、不景気のときほど取引件数は減少します。

このため、宅建士の求人は、世の中の景気の波に大きく影響されますが、足許ではマンションやホテルなどの大規模建築が活況なこともあって、おおむね堅調といえる水準です。

ただし、今後どうなるかはわかりませんし、また中長期的にみれば、人口減少に伴って不動産需要そのものが減っていくことは確実で、宅建士の求人数も先細っていくと予測されます。

その一方で、資格登録者は既に100万人を超え、現在も年間2万人ほどのペースで増加していますので、そう遠くない将来に「人余り」となる事態も懸念されます。

現在でも、宅建士資格は「持っていて当たり前」になりつつありますので、これから宅建士を目指す人については、決して資格頼みにならず、継続的に自身のスキルを磨いていく努力が必要になるでしょう。

宅建士の就職先の選び方

やりたい仕事内容で選ぶ

不動産に関する業務は多岐にわたりますが、おもなものとしては「賃貸仲介」「売買仲介」「物件管理」の3種類があります。

ある程度大きな企業では、そのすべてを扱っているケースもありますが、就職活動においては、まずこの3つのうちどれを手掛けたいかを念頭に置いてみるべきです。

また、業務ではなく、取り扱う物件の種類で就職先を選ぶ方法もあり、たとえば分譲マンションを手掛けたいなら、マンション開発を手掛けている建設会社や、マンション管理会社などが候補となるでしょう。

同じように、ショッピングモールなどの大規模施設や、街づくりそのものを手掛けたいという人については、ディベロッパーと呼ばれる大企業や、商社の不動産部門にチャレンジしてみるとよいでしょう。

勤務地で選ぶ

不動産取引は全国どこでも行われますので、人口の集中している都市部はもちろん、地方でも、宅建士には一定の需要があります。

とくに、新幹線の駅や、高速道路のインターチェンジ、工業団地などが新たに出来た街は、その前後の期間に不動産取引がかなり活発になり、宅建士の需要も大きくなります。

就職する際には、そうした事情を勘案して「場所」を優先するという選び方もあり、競合を避けてあえて地方で就職したり、あるいは地元に戻って故郷で働くということもできるでしょう。

給料としては同じくらいでも、家賃や物価などが安いぶん、地方のほうがより豊かな暮らしができるかもしれません。

稼げるかどうかで選ぶ

不動産業界は、年功序列というよりも実力主義の傾向が強く、営業力や交渉力があり、たくさんの契約を取れるなら、年齢に関係なく大金を稼ぐことも可能です。

もしも経済的に成功したいという希望が強いなら、インセンティブ(成果報酬)割合の大きい仲介会社に就職することをおすすめします。

貯めたお金を頭金にして投資物件を購入し、自身でオーナーとなれば、ゆくゆくは不動産収益だけで生計を立てることもできるかもしれません。

もちろん本当に稼げるかどうかは実力次第ですので、かなりのリスクも伴いますが、夢があるのもまた事実です。

宅建士の志望動機・面接

上述したように、同じ不動産業でも、実際の仕事は就職先ごとにさまざまです。

そのため、宅建士の志望動機については、どこの不動産会社にでもあてはまるような一般的な内容にするのではなく、興味を持っていること、手掛けたいことを、できる限り具体的に述べるべきです。

希望している業務に関心をもったきっかけについて、過去の実体験などを踏まえつつ、自分なりの意見をまとめれば、自然と説得力のある志望動機を作成できるでしょう。

面接においては、宅建士に求められる対人スキルをアピールできるよう、明るくハキハキとした態度と話し方を心掛け、誠実な印象を抱いてもらえるよう振る舞うことが大切です。

また、一概にはいえませんが、不動産業界はかなり短期で離職していく人が多いこともあって、業界全体でガッツのある人物が好まれる風潮にあります。

学生時代の部活動やスポーツ経験などで、忍耐力や根性の感じられるエピソードを用意しておくと、面接官に好印象を与えられるかもしれません。

就職先はどのように探したらいい?

宅建士の就職先は、一般的な求人誌や求人サイト、ハローワークなどに多数掲載されており、比較的簡単に見つけることができます。

上場クラスの会社を希望している場合は、各社合同の就職説明会に参加したり、各企業のホームページから個別の説明会にエントリーするとよいでしょう。

就職先の候補はかなり幅広くありますので、もしも本当に自分に合った就職先がどこなのか今ひとつ自信が持てないなら、転職エージェントに登録してオファーを待つという方法も考えられます。

就職先を探すにあたって注意しておきたいのは、不動産会社の雇用条件はかなりバラつきが大きく、なかには社会保険や福利厚生面などが整備されていないケースもあるという点です。

掲載されている求人情報と実態が違っている可能性もありますので、たとえ魅力的な求人を見つけても、すぐに飛びつくのではなく、できる限り入念に下調べして検討することが大切です。

その際の判断材料のひとつとして、各社の宅地建物取引業者の免許番号の後にかっこ書きされている数字が挙げられます。

この数字は、宅建業免許の更新回数を表しており、1や2の企業は、まだ不動産業者としての社歴が浅いことを示唆しています。

不動産業界は、あまり元手がかからないなど、参入障壁が低いため、日々新しい会社が創業されていきますが、新興の企業ほど、人事面がずさんなケースが目立ちますので、注意が必要です。