職業訓練指導員の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

職業訓練指導員の仕事とは

職業訓練指導員とは学卒者や求職者、在職者に対して就職や仕事に必要な技能や技術の指導を行う人です。

技術習得によってスキルアップを実現し、希望職種への就職につなげるなど雇用促進に対しても重要な役割をになっています。

120を超す職種に対してそれぞれ担当指導員がいて、全国の公共職業能力開発施設などで働きます。

指導員になるには免許を取得しなければいけません。

免許取得の代表的な方法は以下の3つです。

・職業能力開発総合大学校の指導員養成課程の卒業
・各都道府県が実施する職業訓練指導員試験の合格
・免許職種に関する学科の高等学校普通教育免許の取得

なお、2017年に職業訓練指導員の愛称公募が行われ、「テクノインストラクター」に決まっています。

参考:厚生労働省 テクノインストラクター(職業訓練指導員)

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す(PR)

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

職業訓練指導員の業務の内容

職業訓練指導員のおもな業務は、厚生労働省の「ハロートレーニング」です。

ハロートレーニングは公共職業訓練や求職者支援訓練のことで、職業スキルや知識を習得するためのカリキュラムが用意されています。

代表的な業務を下記に紹介していきます。

ハロートレーニングの指導員

在職者や求職者などを対象にしたハロートレーニングの指導員として、次のような指導を行います。

<離職者訓練>
雇用保険を受給している求職者に対して各科目の職業指導

<学卒者訓練>
学校卒業者を対象に課程ごとの職業指導

・普通課程:中学・高校卒業者などを対象とし、地域産業に必要な技能・知識を養う
・専門課程:高校卒業者などを対象とし、技術革新に対応可能な実践的技能者を育成
・応用課程:専門課程修了者などを対象とし、高度な技能・開発能力を養い、管理部門のリーダーとなる人材育成

<在職者訓練>
中小企業に勤務する人たちを対象に各科目の職業指導を行います。

地域のニーズに合わせ、電気工事科、溶接科、機械加工科、機械製図科などの訓練が中心です。

機械・機器操作といった基礎を指導します。

<障がい者訓練>
障がい者を対象にOAビジネス科やWebデザイン科など多様な科目を指導します。

状況に応じてきめ細かな訓練を行うのが職業訓練指導員の役割です。

参考:厚生労働省 ハロートレーニング

キャリアコンサルタント

求職者の就職支援を行うキャリアコンサルタントとしても活躍しています。

求職者の職業能力証明シートなどのジョブ・カードを活用して、履歴書だけでは理解されにくい職業能力を把握しなければなりません。

職業訓練指導員は、自らの豊富な経験と知識を生かして求職者のキャリアコンサルティングを行います。

訓練コーディネーター

地域によって異なる企業の人材ニーズを把握し、適材適所となるような訓練カリキュラムの作成などを行います。

求職者と企業のニーズをマッチングさせることで雇用のチャンスを広げる役割もあります。

参考:厚生労働省 職業訓練指導員とは

職業訓練カリキュラムや教材の開発

訓練カリキュラムの開発や、訓練で使用する教材・実習装置などの開発を行います。

地域・時代のニーズに合わせて、カリキュラムや教材を開発しなければなりません。

職業訓練指導員の役割

求職者に対しては、希望する職種につくために必要な技能や知識の習得を支援します。

在職者に対しては、現在従事している仕事に必要な専門知識や技術など、あらゆる面でスキルアップするためのトレーニングを行います。

労働者にとってプラスになるのはもちろん、知識や技術をある程度習得している人材を雇用できるのは企業にとっても大きなメリットです。

職業訓練は雇用の基盤をささえることにもなります。

職業訓練指導員は、日本における雇用のセーフティーネットをささえる社会的意義の高い職業といえるでしょう。

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

職業訓練指導員の勤務先の種類

全国の公共職業能力開発施設

公共職業能力開発施設で職業訓練指導員として働く際、以下の勤務先があります。

<都道府県が設置・運営している職業能力開発施設>
各都道府県が運営している施設で、地域ごとの職業能力開発を総合的に行う施設です。

<障害者職業能力開発校>
障がい者を対象に、職業訓練を行います。

<職業能力開発促進センター>
離職者・在職中の人を対象に、モノづくり分野を中心に職業訓練を行う施設です。

職業能力開発促進センターは、ポリテクセンターと呼ばれています。

<職業能力開発大学校・職業能力開発短期大学校>
学卒者などを対象に、モノづくり分野を中心により高度な職業訓練を行います。

愛称はポリテクカレッジです。

認定職業訓練施設

事業主団体や職業訓練法人が職業訓練を実施している施設で職業訓練指導員として働きます。

電気工事や建築、配管や塗装など都道府県によって認定職業訓練施設の種類や施設数が変わります。

法務省の矯正施設

矯正施設とはいわゆる刑務所や少年刑務所のことで、被収容者に対して職業訓練を行います。

なお矯正施設で働く際、肩書は法務技官(作業専門官)です。

参考:法務省 法務技官(作業専門官)選考採用

職業訓練指導員と関連した職業

職業訓練指導員に関連した職業は、ハローワーク(公共職業安定所)職員です。

ハローワーク職員は求職者の職業相談や職業紹介、雇用保険に関する手続きなど広い業務をになっています。

事業主へのサービスもハローワーク職員の業務です。

事業主が行う雇用保険の適用や助成金・給付金の支給なども、ハローワークがにないます。

一方、職業訓練指導員は、事業主に対する業務はおこないません。

職業訓練指導員の業務は、都道府県が設置・運営している職業能力開発施設などでおこなう、求職者に対する職業訓練です。

なお、ハローワークの正職員は、国家公務員試験に合格して労働局に配属された国家公務員です。

職業訓練指導員は免許取得後、都道府県管轄の訓練施設で働くため、地方公務員の立場となります。