職業訓練指導員になるには? 求人の状況は?

職業訓練指導員になるまでの道のり

職業訓練指導員になるには、「職業訓練指導員免許」を取得した上で、職業能力開発施設を運営する機関が実施する採用試験に合格し、採用されなければいけません。

つまり、「職業訓練指導員免許」の取得が大前提ということです。

取得の方法は複数あり以下に代表的な方法を紹介していきます。

職業能力開発総合大学校 指導員養成課程終了

職業能力開発総合大学校で職業訓練指導員養成を目的とした課程で学べば、卒業後に申請するだけで免許を取得できます。

養成課程は主に、長期養成課程と短期養成課程があります。

長期養成課程は職業訓練指導員の養成を目的とした課程で訓練期間は2年間です。

短期養成課程は実務経験者や資格所持者を対象としており、知識量や経験値に応じて短期間で職業訓練指導員に必要な能力を習得する課程です。

参考:職業能力開発総合大学校 長期養成課程

参考:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 指導員養成訓練についてのご質問と回答

技能検定合格と48時間講習

職業訓練指導員の免許職種に対応している「技能検定」の1級、または2級の合格者も目指せます。

ただし、「48時間講習」と呼ばれる厚生労働大臣が指定する講習を修了するか、職業訓練指導員試験に合格しなければ免許を取得できません。

48時間講習の正式名称は「職業訓練指導員講習」です。

厚生労働大臣の指定する講習実施要領に基づいた講習内容で、以下の科目を学びます。

・職業訓練原理
・教科指導方法
・労働安全衛生
・訓練生の心理
・生活指導
・関係法規
・事例研究
・確認試験

指導者としての資質や訓練計画の策定・改善、受講生との関わり方や指導方法など、すべて職業訓練指導員として働くために欠かせないものです。

48時間講習を修了し、本人が申請を行えば都道府県知事から職業訓練指導員免許が交付されます。

参考:厚生労働省:指導員になるには?

大卒などの学校教育を修了し実務経験を積む

免許職種に係る学科を卒業後、一定期間実務経験を積み「職業訓練指導員試験」を受験、もしくは「48時間講習」を受講して職業訓練指導員の免許取得を目指します。

実務経験の年数はそれぞれ以下の通りです。

<職業訓練指導員試験を受験する際の実務経験>
・大学卒業:1年
・高等専門学校卒業:2年
・短期大学卒業:2年
・職業課程の高等学校卒業:3年
※ここまで免許職種に関する学科修了が条件
・高等学校または中等教育学校卒業:5年
・中学校卒業(実務経験のみ):8年

<48時間講習を受講する際の実務経験>
・大学卒業者:2年
・外国の大学卒業:2年
・短大・高専卒業:4年
・高等学校卒業:7年
※すべて免許職種に関する学科修了が条件

また、職業訓練の修了課程によっても実務経験の年数に違いがあります。

自分がどの条件にマッチするか、詳しくは受験・受講資格の確認をおすすめします。

参考:職業能力開発促進法による受験資格及び免除範囲

参考:兵庫県 職業訓練指導員講習(48時間講習)受講資格一覧表

高等学校普通教育免許取得

免許職種に関する学科の高等学校教員免許を保有している人は申請だけで職業訓練指導員免許を取得できます。

免許職種に関する学科は以下の通りです。

・看護、看護実習
・家庭、家庭実習
・情報、情報実習
・農業、農業実習
・工業、工業実習
・商業、商業実習
・水産、水産実習
・福祉、福祉実習

参考:宮城県 職業訓練指導員免許の取得方法1 随時申請

職業訓練指導員の資格・難易度

上述のとおり、職業訓練指導員として働くには職業訓練指導員免許が必要です。

免許取得の方法は複数ありますが、難易度の指標を紹介する上で試験が必要な職業訓練指導員試験を受験して免許を取得する方法を紹介します。

職業訓練指導員試験は都道府県ごとに実施されています。

一例ですが、自治体として結果を公表している福島県の場合は、2019年度は22職種の試験が行われました。

受験者数58人に対し、合格者は55人となっており、合格率は94.8%となっています。

しっかり対策を講じていれば合格する可能性は高いでしょう。

参考:福島県 職業訓練指導員免許交付状況 平成30年度職業訓練指導員試験実施状況

職業訓練指導員免許のメリット・資格の取得方法

職業訓練指導員試験の難易度・合格率

職業訓練指導員になるための学校の種類

職業訓練指導員になるために必ず通わなければいけない学校はありません。

しかし、「職業訓練指導員になる」ことを目的にした場合、通った方がよい学校はあります。

代表的なのは職業能力開発総合大学校です。

まさに職業訓練指導員の養成を目的とした学校で、課程は「総合課程」と「指導員養成訓練」の2種類あります。

名称の通り、「指導員養成訓練」は職業訓練指導員の養成に特化した課程で、長期養成課程と短期養成課程が設置されています。

長期養成課程は訓練期間は2年間で、職業訓練指導員に必要な以下の7つの能力習得を目指します。

1.職業能力開発指導力
2.訓練コーディネート力
3.キャリア・コンサルティング力
4.問題発見解決力
5.マネジメント力
6.イノベーション力
7.技能・技術力習得

一方、短期養成課程は実務経験者や資格所持者を対象とした課程で、保有する知識や経験に応じて短期間で職業訓練指導員に必要な能力を習得します。

職業訓練指導員に向いている人

人の成長に喜びを持てる人

職業訓練指導員は人に専門知識や技術を教えるのが仕事です。

・最初はできなかったが、自分が教えることでできるようになる
・日を重ねるごとに技術力が上がる
・自分の想像を超えたシステムを構築する

など、専門教科は違えども教えたことを吸収し、受講生が成長していく姿は自分の喜びにつながるでしょう。

自分も成長したい人

社会のニーズに合わせた指導が求められるため、特に技術系の科目では常にトレンドを追いかける必要があります。

吸収した知識を授業に生かすことで指導者としての評価も上がり、勉強熱心であれば受講生からの信頼も高まります。

自分の専門科目では教える立場ですが、受講生の中には関連した職業を経験している人も多くいます。

そうした受講生からは、自分が知らなかった知識を教えてもらうケースもあり、専門外の知識を吸収できるでしょう。

工夫や改善に意欲的な人

自分で考えた講義内容は、一度作成したら終わりではありません。

技術トレンドや企業ニーズに合わせて内容は常に見直しが必要です。

受講生からアンケート結果をもとに、より分かりやすい内容に改定していくなど、カリキュラムやテキストの改善も永続的に行います。

いわゆるPDCAサイクルを行い続け、意欲的に取り組める人は職業訓練指導員に向いているでしょう。

職業訓練指導員に向いている人・適性・必要なスキル

職業訓練指導員のキャリアプラン・キャリアパス

職業訓練指導員は単純に職業訓練の指導を行うのではなく、地域の人材ニーズに合わせた就職支援の能力が求められます。

職業訓練計画の策定や訓練内容の評価や改善についてです。

能力を向上させるために現場でのOJTをはじめ、 職業能力開発総合大学校で指導員技能習得訓練を受けるなどして、指導力をアップします。

指導や技術のスキルをみがきながら業務を続け、働きが評価されれば課長や部長などの管理職につき、施設全体の方針や運営に関っていくでしょう。

職業訓練指導員を目指せる年齢は?

職業訓練指導員は民間企業で経験を積んだ人を中途採用しているケースが多くあります。

都道府県によって募集している指導員の種類や上限年齢もちがいます。

ある県では50代の人まで受験資格がある一方、別の県では30代までの人にしか受験資格がありません。

都道府県ごとの事情にもよるので、中途で職業訓練指導員を目指す人は、採用を希望する地域の募集情報はこまめにチェックするとよいでしょう。

職業訓練指導員は高卒から目指せる?

もちろん高卒でも職業訓練指導員になれます。

ただし、高校を卒業した直後につくことはできません。

一定の実務経験が必要ですし、なによりも職業訓練指導員免許を取得している、または取得見込みであるのが条件です。

職業訓練指導員は女性でもなれる?

女性でも職業訓練指導員になれます。

女性割合は公表されていませんが、公式のテクノインストラクター総合情報サイトでは女性テクノインストラクターの活躍が紹介されています。

そのことから、まだまだ女性の割合は少ないものの、積極的に採用する方針というのは推測できます。

男女で業務上の差はありませんし、今後は女性の職業訓練指導員が増えていくでしょう。

女性の職業訓練指導員のキャリアパス・結婚後の生活

職業訓練指導員の募集は少ない

「職業訓練指導員の免許取得=採用決定」ではありません。

各都道府県での募集件数は1~3名など非常に少ないです。

加えて免許ごとに募集人数も変わり、都道府県によって募集している科目もちがいます。

そのため多くの人は職業訓練指導員の免許を取得しても民間企業で働くようです。

それでも職業訓練指導員になりたい人は常に募集情報をチェックし、運よく自分の免許に関する求人があればチャレンジするという人もいます。

近年は認定職業能力開発施設への委託訓練も増えており、職業訓練指導員として働くチャンスは若干広がりつつありますが、まだまだ狭き門です。