農家の1年の流れとスケジュール 繁忙期はいつ?

農家は、季節に合わせた仕事をすることが特徴です。

春の苗づくりや田植え、夏の管理、そして秋の収穫といったように、季節ごとに農業のプロセスが進んでいきます。

わたしたちがスーパーなどで手に取る農作物の背後には、農家の努力と忙しさが隠されています。

この記事では、農家の1年のスケジュールにスポットを当て、その仕事内容とともに解説します。

季節に合わせたさまざまな仕事がある

農家の1年のスケジュールは、地域や栽培する作物、畜産などの農業の種類によって異なりますが、一般的な農家のスケジュールは次のようなものです。

春(3月〜5月)

春は、厳しい冬の寒さを超えて、多くの農作物を育て始める時期です。

冬の終わりから少しずつ暖かくなってくると、よい農作物を育てるための土の準備や種・苗などを揃えていきます。

春に行う作業としては以下のようなことがあります。

  • 種まきや苗植え:春になると、野菜や穀物などの作物の種まきや苗植えが行われます
  • 畑の耕作:畑の耕作や畝立てなど、土地の準備作業が行われます
  • 花木の剪定:果樹や花木の剪定作業が行われることもあります
  • 夏(6月〜8月)

    夏は気温が上がり、日照時間も増え、農作物が一気に育っていく時期です。

    夏野菜などの収穫も行うため、毎日非常に忙しくなります。

    害虫駆除や、長雨が続いたり極端に気温が下がったりと気候条件によっては作物に被害が出てしまうこともあるため、注意深く観察して対処しなくてはなりません。

    夏に行う作業としては以下のようなことがあります。

  • 水やりや肥料の与え:植物の成長に合わせて水やりや肥料を与えます
  • 収穫:夏には、早生の野菜や果物の収穫が行われます
  • 防除:害虫や病気の発生に備えて、農薬や防除措置が行われます
  • 秋(9月〜11月)

    秋は、夏に引き続いてさまざまな農作物の収穫を行います。

    また、葉菜・根菜類など、この時期に植える作物もあります。

    秋に行う作業としては以下のようなことがあります。

  • 収穫:秋には、多くの野菜や穀物、果物などの収穫が行われます
  • 種取りや保存:来年の種まき用に種取りが行われたり、収穫物を保存・追熟する作業が行われることもあります
  • 冬(12月〜2月)

    冬は、秋まで忙しく働き続けてきた農家が、ようやく少し落ち着ける時期です。

    ただし、ずっとのんびりしているわけでもありません。

    扱う農作物によっては冬も栽培を行うことがありますし、さらに次の年に向けた準備をする必要もあります。

    冬に行う作業としては以下のようなことがあります。

  • 休耕期:冬は農作業が少なくなる時期であり、休耕期となります
  • 冬作物の栽培:冬の寒冷地では、寒冷に耐える野菜や果物の栽培が行われることもあります
  • 農機具の整備:農機具の点検や整備が行われます
  • なお、近年では農業の技術や環境によって、季節の区切りがあいまいになる場合もあります。

    また、温室栽培や施設栽培なども行われており、1年を通して農作業が行われることもあります。

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    収穫時期は農家の繁忙期

    農家にとって、収穫時期は最も忙しい時期です。

    農作物の旬の時期は限られており、需要が高まる時期に集中して収穫し、市場に出荷する必要があります。

    たとえば、クリスマスシーズンのイチゴや母の日のカーネーションのように、特定の季節に人気の高い農産物は、その時期に大量に売り上げを伸ばすことができます。

    逆にそのピーク時期を逃すと売り上げが激減してしまう可能性があります。

    農家は朝から晩までひたすら出荷作業に追われ、収穫した作物を適切に選別・梱包し、市場やスーパーマーケットへの出荷を行います。

    この時期は体力的にも精神的にも大変な時期であり、家族やアルバイトの助けを借りることもあるでしょう。

    また、需要のピークに合わせて生産量を調整することも大事で、農家は生産計画や市場動向を把握する必要があります。

    収穫時期は農家の経済的に重要な時期であり、効率的に作業を進めるためにも計画性や対応力が求められる時期です。

    稲作農家の1年の流れ

    ここでは、稲作をする農家の1年の大まかな流れを紹介します。

    1. 3月 苗づくり

      植え付ける苗をビニールハウスなどで育て始めます。
    2. 4月 育苗、田おこし

      田んぼの土が栄養をたっぷり含むように、肥料をまいたり耕したりして栽培の土壌を整えます。
    3. 5月 田植え

      気温が上がり始めるころに、田んぼに苗を植えつけます。
    4. 6月 田んぼ・稲穂の管理

      夏の間は、雑草をこまめに除去したり薬剤で害虫を防いだりして、稲にたくさん栄養がいくように手入れを続けます。
    5. 8月 収穫

      秋の訪れとともに、待ちに待った収穫が行われます。稲刈り・乾燥・脱穀などの作業を経て、ようやく出荷することができます。
    6. 10月 土づくり

      来年に向けた土づくりを行います。

      稲作農家の場合、秋に収穫が終われば、寒い冬には米の栽培はできません。

      こうした時期には、ビニールハウスを利用して室内で育てられる野菜や花木を栽培するなどして、収入を得ています。

    1年中いつでも収穫できる農作物は非常に少ないため、多くの農家がいくつかの農作物をかけもちしながら作っています。

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    りんご農家の1年の流れ

    ここでは、りんごを育てる農家の1年の大まかな流れを紹介します。

    なお、各工程を行う時期は地域によって若干前後する場合があるため、あくまでも参考として見てください。

    1. 1月 剪定・整枝

      たくさん実をつけて大きく育つように、丈夫な枝を選んで余計なものを切り落とします。

      剪定に失敗すると収穫量に影響するため慎重に行います。

    2. 4月 肥料散布、苗木の植え付け、農薬散布

      雪が消えるころに肥料を入れ、よい土を作ります。

      害虫が付かないように適宜農薬を散布します。

    3. 5月 受粉

      かつては人の手によって受粉させていましたが、近年はハチを利用している農家が増えています。
    4. 7月 摘果、袋かけ

      一つひとつの実を大きく育てるために、余分な実を落としていきます。人の手で作業することが多いです。

      また、害虫を予防し、見た目の色をよくするため実のひとつひとつに袋を掛けていきます。実の重さで枝が下がってしまうため、支柱を足すこともあります。

    5. 9~10月 袋はぎ

      気温が低下してくる頃になると、着色のために袋を取り外します。同じ方向にばかり日が当たると着色が偏るので、反対側にも着色するよう実を回していきます。
    6. 10~11月 収穫

      収穫し、大きさや色別に分けて出荷します。

      冬の期間は農作業ができないため、ジャムなどの加工品を作る農家も多いです。

    農家の1年間のスケジュールのまとめ

    農家の1年の過ごし方は、育てる農作物などによって、おおまかに決まっています。

    しかしながら、気候条件によって臨機応変な対応を行わなくてはならないこともあります。

    農家にとって最も忙しい時期は収穫のピークを迎える頃ですが、年間を通じて何かしらの仕事をします。