日本語教師の需要、現状と将来性

日本語教師は、外国人の留学生やビジネスパーソンなどに対し、日本語をわかりやすく教える職業です。

日本語学習者は時代を追うごとに増加傾向にあり、日本語教師のニーズも増しています。

この記事では、2024年から国家資格制度もスタートした日本語教師の現状や需要、将来性などを見ていきます。

日本語教師の現状と需要

ここでは日本語教師の現状について、また、どれくらいの需要がある職業なのかについて見ていきましょう。

高まる日本語教育のニーズ

日本で生活をする外国人の数は、時代とともに右肩上がりが続いています。

世界に目を向けても、日本語の学習者はアジア圏を中心に増えており、2012年には過去最大の約396万人にまで達しています。

その後、やや減少したものの、2021年時点でも約385万人の日本語学習者がおり(国際交流基金「2022年度日本語教育機関調査」より)、日本での進学や就職を視野に入れたアジア圏などからの日本への留学生はいまだ多いです。

こうしたなか、今後も日本語教師は一定の需要が見込まれると考えられます。

日本語教師には日本語教育に関する専門的な知識や指導スキルが必要とされることから、未経験者がいきなり現場に出るのは難しく、正しい日本語教育の知識や技能を備えた人材が求められています。

国家資格の誕生

日本語教師は、もともと国家資格は存在せず、民間の資格が存在するのみでした。

しかしながら2024年4月1日からは、日本語教師のさらなる質の向上などを目的とし、初めての国家資格制度「登録日本語教員」がスタートしています。

これにより、今後は日本語教育に関してより専門性の高い人材が増えていくと考えられます。

なお、本国家資格には、すでに日本語教育に携わってきた人、日本語教師の養成講座を受講した人などを対象とした経過措置も設けられています。

詳しくは文化庁のページで確認してください。

参考:登録日本語教員の資格取得に係る経過措置における日本語教員養成課程等の確認について

日本語教師の活躍の仕方はさまざま

日本語教師の活躍の場は多岐にわたります。

代表的な場所は国内の日本語学校やスクールですが、このほかにも大学の留学センターで留学生へ指導したり、外資系企業などで働く外国人向けにレッスンを行ったりすることができます。

また、ボランティアで日本語教師をしたり、個人レッスンをすることも可能です。

さらに、海外にも活躍の場があります。

現地の日本語学校をはじめ、小・中・高校や大学、さらに国際協力をする団体に所属して現地に派遣され、日本語を教えることもできます。

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日本語教師の将来性

ここからは、日本語教師が今後どのような活躍ができるのか、将来性について見ていきます。

日本への留学生を増やす取り組みが活発化

現在の日本語教師の活躍の場は、長い時間をかけて、過去の日本語教師の活動や経験から築き上げられてきたものがたくさんあります。

日本の経済・技術、文化など、日本が世界の国々から尊敬される国になることによって、日本語の需要は増し、日本語教師の活躍の幅も広がりました。

今後、日本は超高齢化社会に突入し、この先、若い世代の働く人口が著しく減ることが見込まれています。

そのようななか、日本へ留学し、将来は日本で働きたいと考える外国人をさらに積極的に受け入れようとする動きが国全体で強まっています。

今後、外国人留学生の数がさらに増えていくなかで、日本語教育の必要性がさらに高まると予想されます。

働く環境の実態と現実は厳しい一面も

日本語教師のニーズは増しているといえる反面、日本語教師の雇用条件や待遇は、あまり恵まれていないところがありました。

とくに指導経験が浅い日本語教師は、その多くが日本語学校などで非常勤として採用されており、安定した給料を得ることが難しい場合があったのです。

経験を積めば常勤にステップアップすることが可能ですが、勤務先によって待遇にも差が出ており、あまり生活に余裕がない中でコツコツと地道に働いている日本語教師もいます。

憧れの気持ちだけでこの仕事をスタートすると、思わぬ厳しさに直面することがあるかもしれません。

しかしながら、こうした厳しい実情も、国家資格のスタートによって徐々に変わっていくことが期待されます。

日本語教師の今後の活躍の場

国際交流基金がおこなった2015年度の調査によれば、世界137の国・地域において日本語教育が実施されているようです。

日本語の学習者数が最も多いのは中国とされており、そこにインドネシア、韓国、オーストラリア、台湾と続いていきます。

とくに近年、オーストラリアやタイ、ベトナム、フィリピンでは日本語学習者が大幅に増加しています。

世界における日本語のニーズは、その国の教育や経済事情などにも左右されますが、世界のあちこちで日本語を学びたいと考える人がいることは確かです。

日本語教師は、国内の日本語学校・スクールはもちろん、海外で働くこともでき、さまざまな働き方の可能性があるといえるでしょう。

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「日本語教師の需要、現状と将来性」まとめ

日本への留学生の増加などにより、日本語教師のニーズは時代を追うごとに高まっています。

一方、日本語教育の場では非常勤としての採用が多く、日本語教師が安定した給料を得ることが難しいという問題がありました。

しかしながら、2024年には日本語教師初めての国家資格「登録日本語教員」制度もスタートしています。

今後は日本語教師のさらなる質の向上、そして待遇改善なども期待が寄せられています。