女性の日本語教師のキャリアパス・結婚後の生活
女性の日本語教師の現状
日本語教師になる人は、男性よりも女性のほうが割合が大きいとされています。
日本語教育検定試験の受験者数や合格者数を見ても、つねに女性のほうが2倍から3倍程度多い状態が続いており、女性にとって人気がある仕事であることがわかります。
その背景には、もともと「語学」や「異文化コミュニケーション」といったことに興味を持つ女性が多いことがあるといえそうです。
また、日本語教師の仕事では、基本的に多くの人が「非常勤」からキャリアをスタートし、「常勤」の専任講師になるまでには数年かかるのが一般的です。
非常勤の間は給料や待遇も常勤ほど安定していない場合が多く、男性の場合、その点に不安を感じる人が多いこともあるかもしれません。
もちろん、日本語教師は男女関係なく就ける仕事ではありますが、すでに女性の日本語教師が多く活躍している分、女性にとって働きやすい環境が比較的整っているといえるでしょう。
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女性の日本語教師の強み・弱み
女性ならではの強みは?
日本語教師は、「日本語がわからない」と思っている生徒さんと接していくことになります。
相手は不安やとまどいを抱えていることも多く、日本語教師は一人ひとりのそうした思いに寄り添いながら、わかりやすく、確かな知識を持って指導をしなくてはなりません。
指導の現場では、生徒とうまくコミュニケーションをとろうとするときに、女性の日本語教師のやわらかさ、やさしさ、温かさなどが強みとなることも多いようです。
もちろん、女性の日本語教師といっても個性はさまざまですが、女性は相手の気持ちの変化にも敏感で、比較的コミュニケーションスキルが高い人が多いため、そのような部分が仕事に生きてくることはあります。
女性だから苦労するところは?
日本語教師は、基本的には生徒に対して笑顔で向き合っていきますが、授業中に生徒たちが騒いだり、やらなくてはならない勉強をさぼったりしたときには、厳しく叱ることも必要になってきます。
そうしたとき、やさしい女性の日本語教師ほど、慣れないうちはなかなか厳しくできず、授業がスムーズに進まないこともあるかもしれません。
また、授業前には必ず教案を考える必要があったり、授業後にはテストの採点や宿題のチェックをしたりするなど、授業時間外でやるべき業務も多くあります。
少々の忙しさでもへこたれない体力も必要な仕事です。
日本語教師の結婚後の働き方・雇用形態
常勤で働いていた日本語教師が結婚した場合、その後は、そのまま常勤として働き続ける人もいれば、雇用形態を変えて仕事を続ける人、あるいは一時的に仕事を辞める人など、さまざまです。
雇用形態の変更については、勤務先となる日本語学校・スクールがどのような制度を設けているのかによって、実現可能かどうかは異なります。
場合によっては、無理なく働ける職場を新たに探し、転職をする人もいます。
日本語教師の需要が増している一方、待遇や福利厚生については勤務先によってまちまちで、とても充実している日本語学校・スクールもあれば、そうではないところもあるようです。
とくに非常勤で雇用されている場合には、待遇面があまりよくない場合もあるため、気を付けておいたほうがよいでしょう。
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日本語教師は子育てしながら働ける?
日本語教師は、正社員などの形で常勤で働く以外にも、契約社員やパート・アルバイトなど、さまざまな働き方ができます。
常勤になるとフルタイム勤務が求められますが、もし子育てをしながら空いた時間に数時間だけ勤務をしたいといった場合には、あえて非常勤の形を選ぶことで、無理なく仕事も続けやすくなるでしょう。
また、フリーランスの日本語教師となり、在宅で働くことも可能です。
最近ではオンラインでの指導のニーズが増しており、パソコンやネット環境などいくつかをそろえれば、自宅に居ながらにして仕事をすることができます。
非常勤でも経験やスキルのある日本語教師は歓迎されることが多いですし、日本語教師の需要は高まっているため、働き方によっては子育てしながらでも働けるチャンスは十分にあるといえます。
日本語教師は女性が一生働ける仕事?
ここまで紹介したように、日本語教師は働き方が多様化しているため、その時々の自分のライフスタイルに合わせた形を選択すれば一生仕事を続けていけるでしょう。
新人時代は非常勤で収入面にも不安があるかもしれませんが、経験を積み、実力を磨いていけば、確実にキャリアアップが目指せるのも日本語教師のよいところといえます。
また、この仕事の特徴として「自分のあらゆる人生経験が生かせる」ということがいえます。
国籍や価値観が異なる生徒たちと上手にコミュニケーションをとるには、人間的に成熟しており、多様な人生経験を積んだ人のほうが有利になる面もあるでしょう。
結婚・出産によって自分の価値観や世界が広がって新たに見えてくるものもあるでしょうし、そうした人生の出来事を仕事にも生かしていけば、きっと前向きに長く仕事を続けられるのではないでしょうか。