日本語教師のやりがい(体験談)

日本語教師のやりがい

日本語教師は大変だけどやりがいがあると思っています。月給が少ないのに責任はいろいろとついてくるし、常に授業の準備に忙殺され、みなさんが想像している以上に大変な仕事です。

しかし、日本語を全く知らなかった学生が、文法を教えていて分かったという反応があったり、日本語が日に日に上達していく姿を見ると、とても達成感を感じます。

教科書に書いてあるような日本語を話していた学生が、私が自然に発したた言葉を真似して、宿題を出すとき「えー!」「やだぁ!」「マジ?」など聞こえてくると、なんだか楽しくなってきます。

また、作文の授業で、学生が漢字を使って一生懸命に書いてくると、漢字がない国の学生なのに、よく頑張っているなとうれしくもなります。

学生とのつきあい

私がタイで日本語教師をしていたときのことです。

ある時、タイのクリーニング店で自分の服が破損しているという苦情が言えず、困っていたところに、クラスで一番学習進度の遅い女子学生と偶然出会いました。

その女子学生は「先生!先生!」と手を振って近づいてきて、私が困っている状況を察知したらしく、私とクリーニングのお店の人の間に入り、片言の日本語を使って私に通訳をしてくれました。

彼女にとって、日本語を日常生活の中で使う、それが人助けに使うというのは初めての体験だったのでしょう。そのことがあった後、彼女は授業中やそれ以外でも、私に習った日本語で積極的に話しかけるようになりました。

こうした偶然の出来事がきっかけになり、彼女は変化していったのですが、教師の関わり方次第で、生徒の勉強に対する姿勢が変わることを学びました。

学生たちの成長ぶりは、私がこの仕事をしていく上での原動力です。生徒がこれまで以上に勉強をがんばってくれたり、今までできなかったことができるようになったとき、日本語教師としてのやりがいを感じます。