介護福祉士国家試験の難易度・合格率
介護福祉士国家試験とは
介護福祉士国家試験は、介護福祉士の資格取得のために必要な試験です。
筆記試験と実技試験があり、それぞれ年に1回行われています。
介護福祉士国家試験の受験資格
介護福祉士国家試験を受験するためには、以下の受験資格を満たす必要があります。
1.厚生労働大臣が指定した介護福祉士養成施設を卒業すること
2.3年以上の介護業務に従事し「実務経験が3年以上」ありかつ「実務者研修修了」していること
これらが一般的な条件ですが、このほかにも介護福祉士国家試験認められるケースがあります。
介護福祉士の資格制度は過渡期のため、これから介護福祉士を取得したいと考えているのであれば、自分がどの方法で取得できるのか、事前によく調べておきましょう。
条件によっては受験資格として認められないケースもあるため、しっかりと確認が必要です。
参考:社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験 資格取得ルート図
介護福祉士国家試験の難易度・勉強時間
試験の合格基準
介護福祉士の国家試験には、現在、筆記試験と実技試験の2種類があります。
筆記試験も実技試験も「問題の総得点の60パーセント程度を基準としており、問題の難易度で補正した点数以上の得点」とされています。
介護福祉士の筆記試験
介護福祉士の専門的な知識を問う試験で、筆記試験については試験科目10科目ですべて得点がなければ合格と認められません。
専門的な知識を問う試験筆記試験は10科目と広範に渡っていますが、国家試験の中では難関という部類に入るものではなく、しっかりと勉強しておけば合格できる難易度といえるでしょう。
介護福祉士の実技試験
介護福祉士国家試験の実技試験は、筆記試験の合格者を対象に、毎年3月上旬に行われています。
実技試験は5分程度で試験官を前にして、利用者役のモデルの人を相手に時間内に課題の介護を行うことで技術力がチェックされ、最後まで課題を終えることができなかったとしても、時間になれば終了しなくてはいけません。
採点基準となる細かいポイントが設定されており、合格ラインは60パーセントほどといわれています。
実技試験の免除
介護福祉士養成施設等が実施する「介護技術講習」を受講して、修了認定を受けた場合は、受験申込の時に申請することで実技試験が免除されます。
また実務経験3年以上の人で「実務者研修(6カ月以上)」を修了している人、あるいは福祉系高校(新カリキュラム)を卒業している人も、筆記試験後の実技試験は免除となります。
介護福祉士国家試験の合格率
介護福祉士の国家試験は、近年合格率が上がっており60%から70%の合格率と公表されています。
しかし試験の内容自体が簡単になってきているわけではありません。
介護福祉士の国家試験の内容は、科目数が多く実技試験も課せられているので、しっかりとした学習対策が必須です。
介護福祉士国家試験受験者数の推移
介護福祉士国家試験の受験者数は、13万〜15万人前後で推移していましたが、平成28年度より激減し令和5年度は74,595人となりました。
介護福祉士国家試験合格率の推移
介護福祉士国家試験の合格率は60%前後を推移していましたが、平成28年度より大幅に上昇し令和5年度試験の合格率は82.8%となりました。
令和5年度 介護福祉士国家試験 合格者男女比
令和5年度の介護福祉士国家試験の男女別の合格者数は、男性18,580人、女性43,167人で、比率にすると男性が30.1%、女性が69.9%となっています。
令和5年度 介護福祉士国家試験 受験資格別受験者数
令和5年度の介護福祉士国家試験受験資格別の受験者数は、「老人福祉施設の介護職員等」が39,792人と最も多く、次いで「訪問介護員等」の9,527人となっています。
令和5年度 介護福祉士国家試験 受験資格別合格率
受験資格別の合格率では、「障害者福祉施設の介護職員等」が91.8%と最も高く、次いで「保護施設、児童福祉施設の介護職員等」91.6%、「福祉系高等学校 (専攻科を含む)」の91.4%となっています。
令和5年度 介護福祉士国家試験年齢別合格者数
令和5年の介護福祉士国家試験の年齢別合格者数は、21歳から30歳までが15,676人で最も多く、続いて、41歳から50歳までが14,941人となっています。
令和6年度 介護福祉士国家試験の概要
試験日 | 令和7年1月26日(日) |
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申込書受付 | 令和6年8月7日(水)から9月6日(金) |
試験地 | 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
受験資格 | (1) 介護福祉士養成施設(2年以上)を平成29年4月以降に卒業(修了)した方(注意1) (2) 介護福祉士養成施設(1年以上)を平成29年4月以降に卒業(修了)した方(注意1) (3) 3年以上(従業期間3年以上、従事日数540日以上)介護等の業務に従事した方(注意2)で、実務者研修を修了した方(注意3) (4) 3年以上(従業期間3年以上、従事日数540日以上)介護等の業務に従事した方(注意2)で、介護職員基礎研修と喀痰吸引等研修(第1号研修または第2号研修)を修了した方(注意3) (5) 福祉系高校を平成21年度以降に入学して、新カリキュラムを履修して卒業した方(注意1) (6) 特例高校(高校:平成21~25、28~30年度・専攻科:平成21~25、28~31年度に入学)して、卒業した翌日後に9か月以上(従業期間9ヶ月以上、従事日数135日以上)介護等の業務に従事した方(注意2) (7) 福祉系高校を平成20年度以前に入学して、旧カリキュラムを履修して卒業した方 (8) 経済連携協定(EPA)であって、3年以上(従業期間3年以上、従事日数540日以上)介護等の業務に従事した方(注意2) (注意1) 令和7年3月31日までに卒業する見込みの方を含みます。 (注意2) 令和7年3月31日までに従事する見込みの方を含みます。 (注意3) 令和7年3月31日までに修了する見込みの方を含みます。 (注意4) 介護等の業務については、令和7年3月31日までに従事する見込みの方を含みます。 |
試験科目 | 人間の尊厳と自立、介護の基本、 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術、 社会の理解、 生活支援技術、介護過程、発達と老化の理解、認知症の理解、障害の理解、 こころとからだのしくみ、 医療的ケア、総合問題 |
合格基準 | 次の2つの条件を満たした者を合格者とする。 ア 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。 イ アを満たした者のうち、以下の試験科目11科目群すべてにおいて得点があった者。 [1] 人間の尊厳と自立、介護の基本 [2] 人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術 [3] 社会の理解 [4] 生活支援技術 [5] 介護過程 [6] 発達と老化の理解 [7] 認知症の理解 [8] 障害の理解 [9] こころとからだのしくみ [10] 医療的ケア [11] 総合問題 (注意)配点は、1問1点の125点満点である。 |
合格率 | 82.8%(令和5年度) |
合格発表 | 令7年3月24日(月) |
受験料 | 18,380円 |
詳細情報 | 財団法人 社会福祉振興・試験センター |