柔道整復師になるには・必要な資格は?

柔道整復師になるまでの道のり

養成課程のある専門学校か、大学・短大へ進学

柔道整復師になるには、「柔道整復師国家試験」に合格することが必要ですが、この国家試験を受験するには条件があります。

その条件とは、柔道整復師養成課程のある専門学校・大学・短大で、柔道整復師となるために必要な知識および技能を3年以上学ぶことです。

そのような柔道整復師養成学校では、解剖学、生理学、運動学などの基礎系科目と、柔道整復理論、柔道整復実技、リハビリテーション学などの専門科目を勉強し、柔道整復師に必要な知識と技術を身につけます。

養成学校で所定のカリキュラムを修了することで、柔道整復師国家試験を受験する資格が得られます。

そして、柔道整復師国家試験を受けて合格すると、柔道整復師の免許を取得することができます。

柔道整復師の免許取得後は、接骨院や整骨院、病院の整形外科などにて柔道整復の施術を行うことができます。

柔道整復師は独立・開業することができるため、将来的には自分で院を立ち上げる人もいますが、経験を積むために、まずは病院や接骨院などで経験を積むのが一般的な流れとなっています。

柔道整復師の資格・難易度

柔道整復師の資格は絶対に必要?

柔道整復師の国家資格を持っていなくても、施術助手のような形で接骨院等で働くことは可能です。

しかし、その場合にはあくまでも「補助」をするだけであり、患者さんの治療を行うのは国家資格を持った柔道整復師のみです。

以前は資格を持たないで治療をする人もいたようですが、最近はこういった資格を持たないで治療を行っている人やその人を雇っている病院は摘発されるようになっています。

今後もこのような流れが続くと考えられるため、柔道整復師の資格を取得することは必須といえます。

柔道整復師の国家試験は難しい?

柔道整復師国家試験は年に1回行われています。

試験は解剖学や生理学などをはじめとする、全11科目の筆記試験となっています。

合格率は例年70%前後となっていますが、平成31年3月に行われた第27回柔道整復師国家試験では合格率は65.8%でした。

ただし、この内訳を細かく見ると、新卒受験者の合格率が86.1%なのに対し、既卒受験者の合格率は26.3%とだいぶ開きがあります。

養成学校で学んですぐに国家試験を受ける新卒受験者の合格率は90%を超える年も珍しくありませんが、一方、すでに養成学校を卒業してから時間が経っている既卒受験者の合格率は低くなっていることが特徴です。

養成学校でしっかりと勉強をし、日々の予習復習や学校で行われる国家試験対策にも積極的に取り組んでいれば、合格は可能でしょう。

柔道整復師国家試験の難易度・合格率

柔道整復師になるには

柔道整復師になるための学校の種類

養成学校の種類について

柔道整復師の養成学校は、「専門学校」「大学」「短大」の3種類があります。

このうち専門学校は3年制もしくは4年制、大学は4年制、短大は3年制となっており、それぞれに特徴があります。

最も多く通う人がいるのは専門学校で、大学・短大が全国で10校程度なのに対し、専門学校は全国で100校以上あります。

どちらが有利・不利ということではない

大学・短大と専門学校で、学習内容が大きく異なるということはありません。

柔道整復師の養成課程は文部科学省令、厚生労働省令で定める基準に適合するようにカリキュラムが組まれているため、どの学校においても、国家試験を受けるために必須となることは確実に学べるようになっています。

当然、大学・短大と専門学校のどちらを卒業するかによって最終学歴は変わってきますが、この職業は、いざ現場に出てしまえば学歴を問われることはほとんどない世界です。

それよりも「どう経験を積み、どれだけの専門知識や技術を身に付けていけるか」ということのほうがずっと重視されます。

「1年でも早く現場に出たい」という人は、3年制の専門学校を選んで早く就職したほうがよいでしょう。

逆に「大学で4年間、人間としての視野を広げていきたい」「大卒という資格がほしい」といった人や、単純にキャンパスライフを楽しみたいといった理由があるのなら、大学に通うという選択肢も出てくるはずです。

特色をよく比較して選択する

大学・短大や専門学校のどちらで学んだ場合でも、国家試験の合格率に大きな差はありませんが、年によっては専門学校のほうが若干高いともいわれています。

なお、4年制の大学は3年制の専門学校に比べれば1年間多く在籍することになるため、学費は100万円程度多くかかるケースが多いです。

ただし、ひとことで専門学校といっても、学校ごとに校風も違えば授業の進め方なども異なります。

最近は、高いレベルでの臨床ができるようになるためのカリキュラムを組んだり、著名な講師による授業を展開するなど、学校ごとにさまざまな特色を打ち出しています。

できるだけ複数の学校を見学し、進学先を決めていくことをオススメします。

柔道整復師になるための学校の種類と費用の違い(大学・専門学校)

柔道整復師に向いている人

人と真剣に向き合える人

柔道整復師は、1対1で患者さんの施術をすることになります。

患者さんの状態を適切に理解するためには、患者さんの日常生活にも触れることになりますから、柔道整復師の仕事では患者さんとの信頼関係を築くことが大切です。

患者さんが感じている細かな不快や違和感などの話を聞いて、そして目で見て、触れて患者さんの様子を感じ取って治療をしていくのです。

そのため患者さんとしっかりと向き合い、コミュニケーションをとっていこうとする姿勢は、柔道整復師には必須といっていいでしょう。

人間の身体や健康に興味があること

柔道整復師として働くうえで、人間の身体の構造を理解しておくことは大前提です。

また、柔道整復師の施術の技術にはさまざまなものがあり、それを習得するにはそれなりの時間がかかります。

たくさんの患者さんを助けることができる柔道整復師になるためには、まず自分自身が人の身体や健康に興味があり、勉強を続け、それを突き詰めていきたいと思えることが大事だといえるでしょう。

さまざまな立場や世代の人と接するのが好きな人

柔道整復師の仕事では、子どもや学生から働き盛りの人、主婦、そして高齢者まで、幅広い年齢とさまざまな立場の人と接することが特徴です。

また、職場や活躍の場も医療領域はもちろん、スポーツや美容、介護・福祉などさまざまな領域に広がってきています。

そのため、柔道整復師は人と接することを苦にせず、どのような立場や世代の人とも笑顔で話せるようなタイプの人に向いているといえます。

柔道整復師に向いている人・適性・必要なスキル

柔道整復師のキャリアプラン・キャリアパス

国家資格を取得した柔道整復師は整骨院や病院などに就職し、現場で先輩の指導を受けながら、患者さんの施術に携わって少しずつスキルアップを目指していくことになります。

実力が問われる仕事でもあるため、就職後も自分自身で勉強をし続けて、向上しようとする姿勢は不可欠です。

なお、規制緩和によって柔道整復師の養成学校は増加し、以前よりも入学が容易になったといわれています。

そのため、柔道整復師の合格者数は増加しており、柔道整復師の飽和が懸念されています。

とくに、柔道整復師のほとんどは将来的には独立・開業を目指します。

接骨院の数は今後も増加していくと見込まれており、競争が激化していく可能性が高くなっています。

独立すれば必ず成功できるとは限らないため、確かな知識・技術を備えることはもちろん、患者さんのニーズをとらえる力や、経営力も必要になってきます。

柔道整復師を目指せる年齢は?

やる気があれば何歳でも柔道整復師になれる

柔道整復師を目指す人は「手に職を付けて、自分の腕一本で働きたい」と考える人も多いようです。

そのため、何歳まで現役でいられるのかという点は、とても気になるところかもしれません。

そもそも、柔道整復師の特徴として、一般的な会社に勤める場合のような「定年」という概念は基本的にありません。

とくに独立・開業すれば、70歳や80歳になっても働き続けることができます。

しかし、そのためには大きく分けて2つの条件があります。

ひとつは、確かな腕があること。そしてもうひとつは、心身ともに元気であることです。

「確かな腕」というのは、経験によって培われていくものです。

もちろん、日々の勉強など本人の努力も不可欠ですが、多くの患者さんと接し、施術の機会を多く得ることで徐々にスキルが磨かれていきます。

確かな腕を持ったベテラン柔道整復師は、いくつになっても患者さんからの信頼を集め「この先生にお願いしたい!」と言われるようになるでしょう。

次に、心身ともに元気であることですが、柔道整復師は勤務中立ちっぱなしになる時間が長いですし、常に患者さんと1対1で真剣に向き合うため、精神力も求められます。

自分の健康なくして、人を元気にさせることはできません。

努力を続けることが大切

整骨院や接骨院などでは、「年齢不問」で募集が行われていることも多いです。

まれに、「35歳まで」「40歳まで」といった制限を設けているところもありますが、年齢よりも本人の意欲や技術が重視される世界です。

なお、柔道整復師の学校も、基本的に年齢制限はありません。

高校卒業以上であれば誰でも入学可能でき、高校を出たばかりの10代や20代の人から、夜間部であれば30代以上の人も多く学んでいます。

やる気があれば、年齢を気にせずに働き続けることができるというのは、この仕事の大きな魅力のひとつといえるでしょう。

ただし、仕事は決して楽なものではありません。

最近は、柔道整復師を目指す人や整骨院の数も増えているため、誠実に、真面目に努力を続け、患者さんに信頼される柔道整復師であり続けなけなければなりません。

柔道整復師は中卒から目指せる?

高卒と同等の学歴は必要

柔道整復師は、中卒でも目指すことが可能な職業です。

しかし、そのためにはいくらかの条件をクリアしなくてはなりません。

まず、柔道整復師は国家資格ですから、資格を得るためには国家試験を受験し、合格する必要があります。

しかし、国家試験の受験資格を得るためには指定された専門学校・大学・短大で3年以上、柔道整復について学ぶ必要があります。

このような学校には、中卒のままでは進学できません。

「高卒」の学歴、あるいはそれと同等の資格が必要となるのです。

ですから、もし高校に進学するのは難しいということであれば、「高等学校卒業程度認定試験(旧大検)」を受けて「高卒と同等」の資格を得ることが必要になってきます。

高等学校卒業程度認定試験とは

「高等学校卒業程度認定試験」とは、何らかの事情で高校を卒業できなかったり、高校に進学できなかったりした人でも「高校を卒業した人と同等以上」の学力があることを認定するための試験で、年に2回行われています。

この資格試験に合格すれば、高卒の人と同等以上学力を持っていることが証明され、専門学校や短大、大学の試験を受けて進学することができます。

ただし、本試験はあくまで高卒と同等の「学力」が認められるものであり、「学歴」としては認められません。

なお、受験資格として、試験受験日の年度の終わりまでに「満16歳以上」であることが挙げられています。

また、すでに高卒であるなど「大学入学資格」を持っている場合は、受験することはできません。

柔道整復師の養成学校に通う

高等学校卒業程度認定試験に合格したら、次は柔道整復師になるための専門学校・大学・短大のいずれかに進学します。

なお、これらの学校に入学するためには基本的に「18歳以上」である必要があります。

ここからは、高卒の人と同じような道のりで柔道整復師を目指していくことになります。

養成学校で柔道整復について3年以上学び、国家試験を受け、整骨院などに就職をして、柔道整復師として働き始めるというのが一般的なルートです。

なお、柔道整復師はいざ現場に出てしまえば、一般的にいわれるような「学力」で誰かと比較されるようなことは基本的にありません。

文系・理系なども関係なく、柔道整復師になるための勉強を一から真剣にしていこうという気持ちがあれば、誰でも柔道整復師を目指すことができます。

そして現場に出てからは、経験や専門知識・技術、そして患者さんに対する責任感や豊かな人間性が問われます。

ただし、柔道整復師の学校に通うには最低でも合計で300万円~400万円程度の学費が必要です。

こういった点も含め、よく計画を立ててから目指すようにしましょう。

柔道整復師は女性でもなれる?

近年、女性の柔道整復師は少しずつ増えているといわれます。

柔道整復師養成学校への入学希望者も、年々女性の割合が大きくなってきているようです。

柔道整復師の仕事は一度確かな知識・技術を身につけて国家資格を取得すれば、それらを土台に長く活躍していきやすい仕事です。

立ち仕事であるためある程度の体力は必要ですが、スポーツとしての柔道とは関係ありませんし、強靭な肉体を持っていたり運動が得意でなくてはなれなかったりするわけでもありません。

そのため、子育てなどを理由に休職することがあっても、子どもがある程度の年齢になってからパート勤務などの形で復職することはできますし、もちろんフルタイムでバリバリと働き続けることも可能です。

女性の患者さんのなかには「女性の柔道整復師のほうが安心」と話す人もおり、女性の柔道整復師を積極的に採用する整骨院なども存在します。

女性の柔道整復師のキャリアパス・結婚後の生活