柔道整復師の大変なこと・つらいこと・苦労
柔道整復師のつらいこと・大変なこと
患者さんとうまく信頼関係を築くこと
国家資格を持って働く柔道整復師は人気のある職業ですが、仕事が楽なのかというと、決してそのようなことはありません。
患者さんの身体に触れて損傷を治療するのですから、緊張感を持って仕事を行わなくてはなりません。
また、柔道整復師の治療は人間の自然治癒力を利用していくため、通院が長期になることがあります。
そのため、患者さんと上手に信頼関係を築くためのコミュニケーション能力は必須です。
柔道整復師を目指す人のなかには職人気質で、人と話すのがあまり得意でない人もいるようですが、いざ現場に出ていくと思った以上にコミュニケーション力が求められると感じるでしょう。
特別に話し上手である必要はありませんが、患者さんの気持ちに寄り添いながら、患者さんに信頼されるための努力を続けていくことが大事です。
体力勝負の一面もある仕事
柔道整復師として働くのであれば、基礎体力を高めておくに越したことはありません。
患部を固定するのには力が必要ですし、デスクワークとは異なり、常に動き回って身体を使う仕事です。
患者さんの前で疲れた表情をするわけにはいきませんし、まずは自分自身がいつでもハツラツとしていて、健康的な状態であることが大事になってきます。
健康管理には人一倍気を付ける必要があるでしょう。
独立開業した場合の苦労も
独立開業することができるのは、柔道整復師の魅力のひとつです。
成功すれば高収入を得ることも可能になります。
しかし、独立開業するとなると、高いレベルでの施術の技術が求められるのはもちろんのこと、機材の購入から事務処理、経理処理といったことを考えなくてはなりません。
人を雇えばその分の費用もかかりますから、簡単に人を雇い入れるわけにはいきません。
独立開業した場合は、柔道整復師の能力以外に経営能力も必要となり、大きな責任が生じるところが苦労するところでしょう。
20代で正社員への就職・転職
柔道整復師の悩み
柔道整復師の仕事は、基本的に立ち仕事となります。
患者さんがひっきりなしに訪れる場合は何時間も立ちっぱなしということも多いですし、整骨院や病院という狭い場所では、あまり動き回ることができません。
そのため、どうしても血流が悪くなって足がむくみやすかったり、同じ姿勢をとることによる腰痛や肩こりにも悩まされやすいのです。
また、「あんまマッサージ指圧師」の免許を持っている柔道整復師の場合は、施術にマッサージも組み合わせて行うことがあります。
そうなると、腱鞘炎にもなりやすかったり、腕が疲れてしまうことがあります。
自分のコンディションが悪いと集中しづらく、患者さんに最高の施術を行うことが難しくなってしまいます。
そのため、休憩時間中に外を歩いてみたり、施術の合間にも患者さんから見えないところでストレッチをしたりして、積極的に身体を動かして身体の疲れをとり、リフレッシュすることが大事になるでしょう。
柔道整復師を辞める理由で多いものは?
柔道整復師は手に職をつけ、独立もできる資格として人気がありますが、最近では柔道整復師の数が増え、競争が激化しているのが実情です。
厚生労働省の発表によれば、柔道整復師の数は2016年末時点で68,120人、柔道整復の施術所は48,024ヵ所と発表されています。
これらの数字は、全体的に見ると右肩上がりが続いており、しばしば「需要に対して増えすぎではないか?」という意見も出ているようです。
柔道整復師が国家資格だとはいえ、飽和状態となれば良い就職先を見つけるのが難しくなったり、独立開業しても厳しい競争の中で勝ち残るのが難しくなってしまう可能性が高まります。
実際、独立開業しても経営がうまくいかなかったり、思うような就職先が見つからずに生活が厳しくなってしまったりして、柔道整復師の仕事を辞めてしまう人もいます。
今後も柔道整復師の数が一気に減ることは考えにくいため、どこで働くにしても「選ばれる柔道整復師」を目指していかなくてはなりません。
養成学校で頑張って勉強しても、「ただ資格を持っているだけで安泰」という時代ではなくなっている点は、柔道整復師にとって悩みの種となっています。
最近は、柔道整復師に加えて同じく国家資格である「鍼灸師」、さらには「ケアマネージャー」「社会福祉士」「介護福祉士」などの福祉系資格を併せて取得し、ライバルに差をつけようとする人も増えつつあるようです。