柔道整復師になるには・必要な資格は?

柔道整復師になるまでの道のり

養成課程のある専門学校か、大学・短大へ進学

柔道整復師になるには、「柔道整復師国家試験」に合格することが必要ですが、この国家試験を受験するには条件があります。

その条件とは、柔道整復師養成課程のある専門学校・大学・短大で、柔道整復師となるために必要な知識および技能を3年以上学ぶことです。

そのような柔道整復師養成学校では、解剖学、生理学、運動学などの基礎系科目と、柔道整復理論、柔道整復実技、リハビリテーション学などの専門科目を勉強し、柔道整復師に必要な知識と技術を身につけます。

養成学校で所定のカリキュラムを修了することで、柔道整復師国家試験を受験する資格が得られます。

そして、柔道整復師国家試験を受けて合格すると、柔道整復師の免許が取得できます。

柔道整復師の免許取得後は、接骨院や整骨院、病院の整形外科などにて柔道整復の施術を行えきます。

柔道整復師は独立・開業することができるため、将来的には自分で院を立ち上げる人もいますが、経験を積むために、まずは病院や接骨院などで経験を積むのが一般的な流れとなっています。

柔道整復師になるまでのルート

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柔道整復師の資格・難易度

柔道整復師の資格は絶対に必要?

柔道整復師の国家資格を持っていなくても、施術助手のような形で接骨院等で働くことは可能です。

しかし、その場合にはあくまでも「補助」をするだけであり、患者さんの治療を行うのは国家資格を持った柔道整復師のみです。

以前は資格を持たないで治療をする人もいたようですが、最近はこういった資格を持たないで治療を行っている人やその人を雇っている病院は摘発されるようになっています。

今後もこのような流れが続くと考えられるため、柔道整復師の資格を取得することは必須といえます。

柔道整復師の国家試験は難しい?

柔道整復師国家試験は年に1回行われています。

試験は解剖学や生理学などをはじめとする、全11科目の筆記試験となっています。

合格率は例年70%前後となっていますが、令和3年3月に行われた第29回柔道整復師国家試験では合格率は62.9%でした。

ただし、この内訳を細かく見ると、新卒受験者の合格率が81.0%なのに対し、既卒受験者の合格率は16.9%とだいぶ開きがあります。

養成学校で学んですぐに国家試験を受ける新卒受験者の合格率は90%を超える年も珍しくありませんが、一方、すでに養成学校を卒業してから時間が経っている既卒受験者の合格率は低くなっていることが特徴です。

養成学校でしっかりと勉強をし、日々の予習復習や学校で行われる国家試験対策にも積極的に取り組んでいれば、合格は可能でしょう。

柔道整復師国家試験の難易度・合格率

柔道整復師になるための学校の種類

養成学校の種類について

柔道整復師の養成学校は、「専門学校」「大学」「短大」の3種類があります。

このうち専門学校は3年制もしくは4年制、大学は4年制、短大は3年制となっており、それぞれに特徴があります。

最も多く通う人がいるのは専門学校で、大学・短大が全国で10校程度なのに対し、専門学校は全国で100校以上あります。

どちらが有利・不利ということではない

大学・短大と専門学校で、学習内容が大きく異なるということはありません。

柔道整復師の養成課程は文部科学省令、厚生労働省令で定める基準に適合するようにカリキュラムが組まれているため、どの学校においても、国家試験を受けるために必須となることは確実に学べるようになっています。

当然、大学・短大と専門学校のどちらを卒業するかによって最終学歴は変わってきますが、この職業は、いざ現場に出てしまえば学歴を問われることはほとんどない世界です。

それよりも「どう経験を積み、どれだけの専門知識や技術を身に付けていけるか」ということのほうがずっと重視されます。

「1年でも早く現場に出たい」という人は、3年制の専門学校を選んで早く就職したほうがよいでしょう。

逆に「大学で4年間、人間としての視野を広げていきたい」「大卒という資格がほしい」といった人や、単純にキャンパスライフを楽しみたいといった理由があるのなら、大学に通うという選択肢も出てくるはずです。

特色をよく比較して選択する

大学・短大や専門学校のどちらで学んだ場合でも、国家試験の合格率に大きな差はありませんが、年によっては専門学校のほうが若干高いともいわれています。

なお、4年制の大学は3年制の専門学校に比べれば1年間多く在籍することになるため、学費は100万円程度多くかかるケースが多いです。

ただし、ひとことで専門学校といっても、学校ごとに校風も違えば授業の進め方なども異なります。

最近は、高いレベルでの臨床ができるようになるためのカリキュラムを組んだり、著名な講師による授業を展開するなど、学校ごとにさまざまな特色を打ち出しています。

できるだけ複数の学校を見学し、進学先を決めていくことをオススメします。

柔道整復師になるための大学・短大

大学・短大で学べることは?

柔道整復師になるための大学・短大は、全国で10校程度しかありません。

そのため、大学に進学したいと考えた場合、100校ほどある専門学校に比べると、だいぶ選択肢が絞られてきます。

大学や短大でも、専門学校でも、所定のカリキュラムに沿って、柔道整復師として必要な知識・技術を基礎から学ぶことができます。

大学で学ぶことのメリットのひとつは、卒業すると「大卒」の学歴が手に入ることです。

ただし、柔道整復師の仕事では、いざ現場に出てしまえば学歴を問われることはほとんどありません。

それよりも「どう経験を積み、どれだけの専門知識や技術を身に付けていけるか」ということのほうがずっと重視されます。

そのため、「1年でも早く現場に出たい」という人は、3年制の専門学校を選んで早く就職することを選ぶケースが多いようです。

逆に「大学で4年間、人間としての視野を広げていきたい」「大卒という資格がほしい」といった人や、単純にキャンパスライフを楽しみたいといった理由があるのなら、大学に通うという選択肢も出てくるでしょう。

柔道整復師になるための短大は全国に数校しかないため、通う人は決して多くありませんが、地域密着の学校が多く、「自宅から近い」「就職サポートが充実している」といった理由で選択する人はいます。

学費はどれくらい?

学費については、年間にかかる費用は専門学校の水準とほぼ同等ですが、大学の場合は4年制となるため、卒業までに専門学校より100万円~150万円程度、余分にかかるケースが多くなっています。

最低でも4年間で400万円~500万円程度は必要になる場合が多いでしょう。

短大の学費は3年制の専門学校と同じくらいで、300万円~400万円くらいが相場となっているようです。

柔道整復師になるための専門学校

専門学校で学べることは?

柔道整復師になるための専門学校の学習内容も、大学や短大と大きく異なるわけではありません。

どのような学校を選んでも、国家試験を受けるために必須となることは確実に学べます。

国家試験の合格率に大きな差はありませんが、年によっては専門学校のほうが若干高いともいわれています。

ただし、ひとことで専門学校といっても、学校ごとに校風も違えば授業の進め方なども異なります。

最近は、高いレベルでの臨床ができるようになるためのカリキュラムを組んだり、著名な講師による授業を展開するなど、学校ごとにさまざまな特色を打ち出しています。

とくに実習内容は学校ごとに最も特色が出る部分でもあり、スポーツ関連の実習や、大学病院や研修施設で臨床実習ができるような学校もあります。

専門学校は大学よりも多くの選択肢があるため、さまざまな学校を見比べてみるとよいでしょう。

学費はどれくらい?

専門学校の学費は、3年間の合計で、だいたい300万円~400万円となっています。

しかし、これよりも高く設定されている学校もあります。

初年度は、だいたい入学金が20万円~30万円、授業料(実習費含む)が100万円~150万円、合計して120万円~170万円程度は必要になる学校が多いようです。

なお、早期に申し込むことで入学金が減免されることがあります。

また、「はり師・きゅう師」「あんまマッサージ指圧師」など、同じ学校の他学科(コース)にも同時に入学を申し込んだ場合は、1つの学科の入学金が免除となったり、授業料が大きく減免される学校もあります。

授業料や実習費に加え、ほぼどの学校においても教科書代や実習で使う器材代、白衣代などは別途実費を負担する必要があります。

これらの金額は、3年間の合計で10万円~15万円程度となっています。

さらに、校友会費やレクリエーション費、卒業関連費などで、年間5万円程度かかる学校が多いようです。

また、柔道整復師の国家試験の受験手数料として16,500円が必要となります。

柔道整復師になるための通信講座はある?

先に見てきた通り、柔道整復師になるには定められた養成学校で3年以上、専門的な知識や技術を学ばなくてはなりません。

柔道整復師の専門学校のなかには夜間部を設置しているところもあり、社会人でも柔道整復師を目指すことができますが、仕事の関係上、夜間部に通うことが難しい人もいるでしょう。

そうした場合、通信教育のことを考える人もいるかもしれません。

しかし、柔道整復師は通信教育で勉強して国家試験を受けることはできません。

柔道整復師になるには、大学・短大・専門学校のいずれかに「通学」する必要があるのです。

独学で柔道整復師の国家試験受験資格を得ることもできないため、お金や時間の面も含めて、計画的に資格取得に向けた勉強をしていくことが大事になってきます。

柔道整復師の学校選びのポイントは?

柔道整復師の養成施設として認定されている学校であれば、基本的にどのような学校を選んだとしても、柔道整復師として必要な知識・技術を身につけることができます。

それというのも、柔道整復師になるためのカリキュラムは文部科学省令や厚生労働省令で定める基準に適合するように、解剖学・生理学・病理学・衛生学などといった分野を中心に、適切に組まれていなければならないからです。

しかし、柔道整復師の活躍の場は最近広がってきています。

それに合わせてスポーツ分野や美容分野で勤務するためのカリキュラムが組み込まれているなど、学校によって特色はあるようです。

そのため、柔道整復師の資格を生かしてスポーツトレーナーになりたいなど明確な目標がある人は、スポーツ分野に関するカリキュラムが組み込まれている学校を選択するとよいでしょう。

とくに専門学校は数が多く、学校ごとに施設や実習内容、学校行事などにも違いがあります。

さまざまな学校の特色を見比べながら、見学会やオープンキャンパスなどにもできるだけ実際に足を運んで、自分に合う学校を選んでください。

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働きながら柔道整復師の資格を取るには? 夜間や通信で資格の学校はある?

働きながら柔道整復師を目指すルートは?

柔道整復師は患者さんの身体に直接触れる仕事であり、専門的な知識と技術が求められます。

そのため、柔道整復師になるには柔道整復師の養成課程を置く専門学校か大学を卒業しなければなりませんし、それらの学校を卒業後、柔道整復師国家試験を受けて合格する必要があります。

では、すでに働いている社会人が柔道整復師を目指すことは不可能なのかというと、そのようなことはありません。

たとえば、柔道整復師養成学校のなかには「夜間部」を設置しているところがあります。

社会人が働きながら柔道整復師を目指す場合は、このような学校で柔道整復師の知識と技術を身につけていき、柔道整復師国家試験を受けることが一般的なルートとなるでしょう。

夜間部ではどんな勉強をする?

昼間部では、授業時間は10:00~16:00くらいとなっていますが、夜間部の授業時間はたいてい18:00以降になります。

そのため、昼間働いて、就業後に学校に通うことができます。

夜間部は昼間部に比べて1日の授業時間が短いため、カリキュラムが十分でないのではないかといった心配をする人もいるようですが、夜間部でもしっかりと資格取得が目指せるサポート体制が用意されており、昼間部と同じカリキュラムになっている学校もあります。

なお、最近では柔道整復師は病院や接骨院に勤務する以外に、介護保険関連施設やスポーツ関連施設、健康関連施設などへも活躍の場が広がっています。

こうした職場の広がりに合わせて、夜間部でも柔道整復師としてスポーツ分野や美容分野で勤務するのに必要な知識・技術を学習できるカリキュラムを組んでいる学校もあるようです。

社会人から柔道整復師になる人は多い?

まったく異業種の社会人として働いていた人が、柔道整復師への転身を目指すケースは決して少ないわけではありません。

柔道整復師は一度国家資格を取得すれば、それを生かして長く活躍できますし、独立開業することも可能です。

社会人として忙しく働くうちに健康を強く意識するようになり、柔道整復師になることを決める人もいます。

それまでの仕事をスッパリと辞めて柔道整復師養成学校の昼間部に通うことももちろん可能ですが、仕事は続けながら夜間部に通うことで、収入面の不安を和らげることにつながります。

なお、夜間部を置く養成学校のなかには、接骨院や鍼灸院、病院などの勤務先を紹介してくれるところがあります。

そのような学校では、昼間は将来の柔道整復師を目指して接骨院や鍼灸院、病院といったところで働き、夜間は学校で勉強することができます。

もちろん、国家資格を持っていない段階では柔道整復師としての施術はできませんが、先輩の仕事ぶりを肌で感じたり、患者さんの気持ちを理解したりする貴重な経験にはなるでしょう。

勉強しながら実習をしているようなものです。

学校で勉強した知識や技術をすぐに現場で活用することができるため、このような場で働きながら学ぶメリットは十分にあるといえます。

社会人経験が柔道整復師の仕事にプラスになることはある?

柔道整復師の施術を受ける患者さんは、何かしらの身体の不調を抱えています。

また、患者さんは若い人からお年寄りまで世代も幅広く、さまざまな境遇や立場の人がいます。

もちろん、若くて元気いっぱいの柔道整復師も需要がありますが、社会人として数々の人生の苦労を乗り越えてきたからこそ、多彩な患者さんの気持ちを受け止められる一面もあります。

患者さんと上手にコミュニケーションをとるうえでも、社会人経験で培ってきた視野の広さや話題の豊富さは武器になるでしょう。

柔道整復師に向いている人

人と真剣に向き合える人

柔道整復師は、1対1で患者さんの施術をすることになります。

患者さんの状態を適切に理解するためには、患者さんの日常生活にも触れることになりますから、柔道整復師の仕事では患者さんとの信頼関係を築くことが大切です。

患者さんが感じている細かな不快や違和感などの話を聞いて、そして目で見て、触れて患者さんの様子を感じ取って治療をしていくのです。

そのため患者さんとしっかりと向き合い、コミュニケーションをとっていこうとする姿勢は、柔道整復師には必須といっていいでしょう。

人間の身体や健康に興味があること

柔道整復師として働くうえで、人間の身体の構造を理解しておくことは大前提です。

また、柔道整復師の施術の技術にはさまざまなものがあり、それを習得するにはそれなりの時間がかかります。

たくさんの患者さんを助けることができる柔道整復師になるためには、まず自分自身が人の身体や健康に興味があり、勉強を続け、それを突き詰めていきたいと思えることが大事だといえるでしょう。

さまざまな立場や世代の人と接するのが好きな人

柔道整復師の仕事では、子どもや学生から働き盛りの人、主婦、そして高齢者まで、幅広い年齢とさまざまな立場の人と接することが特徴です。

また、職場や活躍の場も医療領域はもちろん、スポーツや美容、介護・福祉などさまざまな領域に広がってきています。

そのため、柔道整復師は人と接することを苦にせず、どのような立場や世代の人とも笑顔で話せるようなタイプの人に向いているといえます。

柔道整復師に向いている人・適性・必要なスキル

柔道整復師のキャリアプラン・キャリアパス

国家資格を取得した柔道整復師は整骨院や病院などに就職し、現場で先輩の指導を受けながら、患者さんの施術に携わって少しずつスキルアップを目指していくことになります。

実力が問われる仕事でもあるため、就職後も自分自身で勉強をし続けて、向上しようとする姿勢は不可欠です。

なお、規制緩和によって柔道整復師の養成学校は増加し、以前よりも入学が容易になったといわれています。

そのため、柔道整復師の合格者数は増加しており、柔道整復師の飽和が懸念されています。

とくに、柔道整復師のほとんどは将来的には独立・開業を目指します。

接骨院の数は今後も増加していくと見込まれており、競争が激化していく可能性が高くなっています。

独立すれば必ず成功できるとは限らないため、確かな知識・技術を備えることはもちろん、患者さんのニーズをとらえる力や、経営力も必要になってきます。

柔道整復師を目指せる年齢は?

やる気があれば何歳でも柔道整復師になれる

柔道整復師を目指す人は「手に職を付けて、自分の腕一本で働きたい」と考える人も多いようです。

そのため、何歳まで現役でいられるのかという点は、とても気になるところかもしれません。

そもそも、柔道整復師の特徴として、一般的な会社に勤める場合のような「定年」という概念は基本的にありません。

とくに独立・開業すれば、70歳や80歳になっても働き続けることができます。

しかし、そのためには大きく分けて2つの条件があります。

ひとつは、確かな腕があること。そしてもうひとつは、心身ともに元気であることです。

「確かな腕」というのは、経験によって培われていくものです。

もちろん、日々の勉強など本人の努力も不可欠ですが、多くの患者さんと接し、施術の機会を多く得ることで徐々にスキルが磨かれていきます。

確かな腕を持ったベテラン柔道整復師は、いくつになっても患者さんからの信頼を集め「この先生にお願いしたい!」と言われるようになるでしょう。

次に、心身ともに元気であることですが、柔道整復師は勤務中立ちっぱなしになる時間が長いですし、常に患者さんと1対1で真剣に向き合うため、精神力も求められます。

自分の健康なくして、人を元気にさせることはできません。

努力を続けることが大切

整骨院や接骨院などでは、「年齢不問」で募集が行われていることも多いです。

まれに、「35歳まで」「40歳まで」といった制限を設けているところもありますが、年齢よりも本人の意欲や技術が重視される世界です。

なお、柔道整復師の学校も、基本的に年齢制限はありません。

高校卒業以上であれば誰でも入学可能でき、高校を出たばかりの10代や20代の人から、夜間部であれば30代以上の人も多く学んでいます。

やる気があれば、年齢を気にせずに働き続けることができるというのは、この仕事の大きな魅力のひとつといえるでしょう。

ただし、仕事は決して楽なものではありません。

最近は、柔道整復師を目指す人や整骨院の数も増えているため、誠実に、真面目に努力を続け、患者さんに信頼される柔道整復師であり続けなけなければなりません。

柔道整復師は中卒から目指せる?

高卒と同等の学歴は必要

柔道整復師は、中卒でも目指すことが可能な職業です。

しかし、そのためにはいくらかの条件をクリアしなくてはなりません。

まず、柔道整復師は国家資格ですから、資格を得るためには国家試験を受験し、合格する必要があります。

しかし、国家試験の受験資格を得るためには指定された専門学校・大学・短大で3年以上、柔道整復について学ぶ必要があります。

このような学校には、中卒のままでは進学できません。

「高卒」の学歴、あるいはそれと同等の資格が必要となるのです。

ですから、もし高校に進学するのは難しいということであれば、「高等学校卒業程度認定試験(旧大検)」を受けて「高卒と同等」の資格を得ることが必要になってきます。

高等学校卒業程度認定試験とは

「高等学校卒業程度認定試験」とは、何らかの事情で高校を卒業できなかったり、高校に進学できなかったりした人でも「高校を卒業した人と同等以上」の学力があることを認定するための試験で、年に2回行われています。

この資格試験に合格すれば、高卒の人と同等以上学力を持っていることが証明され、専門学校や短大、大学の試験を受けて進学できます。

ただし、本試験はあくまで高卒と同等の「学力」が認められるものであり、「学歴」としては認められません。

なお、受験資格として、試験受験日の年度の終わりまでに「満16歳以上」であることが挙げられています。

また、すでに高卒であるなど「大学入学資格」を持っている場合は、受験することはできません。

柔道整復師の養成学校に通う

高等学校卒業程度認定試験に合格したら、次は柔道整復師になるための専門学校・大学・短大のいずれかに進学します。

なお、これらの学校に入学するためには基本的に「18歳以上」である必要があります。

ここからは、高卒の人と同じような道のりで柔道整復師を目指していくことになります。

養成学校で柔道整復について3年以上学び、国家試験を受け、整骨院などに就職をして、柔道整復師として働き始めるというのが一般的なルートです。

なお、柔道整復師はいざ現場に出てしまえば、一般的にいわれるような「学力」で誰かと比較されるようなことは基本的にありません。

文系・理系なども関係なく、柔道整復師になるための勉強を一から真剣にしていこうという気持ちがあれば、誰でも柔道整復師を目指すことができます。

そして現場に出てからは、経験や専門知識・技術、そして患者さんに対する責任感や豊かな人間性が問われます。

ただし、柔道整復師の学校に通うには最低でも合計で300万円~400万円程度の学費が必要です。

こういった点も含め、よく計画を立ててから目指すようにしましょう。

柔道整復師は女性でもなれる?

近年、女性の柔道整復師は少しずつ増えているといわれます。

柔道整復師養成学校への入学希望者も、年々女性の割合が大きくなってきているようです。

柔道整復師の仕事は一度確かな知識・技術を身につけて国家資格を取得すれば、それらを土台に長く活躍していきやすい仕事です。

立ち仕事であるためある程度の体力は必要ですが、スポーツとしての柔道とは関係ありませんし、強靭な肉体を持っていたり運動が得意でなくてはなれなかったりするわけでもありません。

そのため、子育てなどを理由に休職することがあっても、子どもがある程度の年齢になってからパート勤務などの形で復職することはできますし、もちろんフルタイムでバリバリと働き続けることも可能です。

女性の患者さんのなかには「女性の柔道整復師のほうが安心」と話す人もおり、女性の柔道整復師を積極的に採用する整骨院なども存在します。

女性の柔道整復師のキャリアパス・結婚後の生活

参考:柔道整復師のデータ

柔道整復師の人数の推移

柔道整復師の資格を持つ人の数は、年々増えてきています。令和2年時点での柔道整復師の人数は75,786人となりました。

柔道整復師数の推移_r2
出所:厚生労働省 令和2年衛生行政報告例

柔道整復の施設所数の推移

柔道整復の施設数も柔道整復師の人数同様に増加の傾向にあります。令和2年時点での柔道整復師の施設所数は50,364となりました。

柔道整復師の人数が75,786人であるため、多くの人が独立開業していると考えられます。

柔道整復施術所の推移_r2
出所:厚生労働省 令和2年衛生行政報告例

柔道整復師の働き方の種類・雇用形態

柔道整復師の雇用形態

柔道整復師の雇用形態としてよく見られるのは、「正社員」もしくは「アルバイト・パート」です。

「契約社員」や「派遣社員」として働く人がまったくいないわけではありませんが、正社員やアルバイト・パートに比べると、求人数は少なくなっています。

また、柔道整復師は「独立・開業」することができるため、ある程度の経験を積むと、自分で整骨院を開いて経営する人もいます。

柔道整復師のおもな勤務先となる整骨院や病院の整形外科では、新卒や未経験者であっても、国家資格を取っていれば最初から正社員として雇用するところもあります。

一方、スタート時は全員アルバイトで、実力や勤務実績が認められると正社員へステップアップする形をとっているようなところもあります。

正社員の柔道整復師

正社員の柔道整復師の仕事内容

正社員の柔道整復師として働く人は大勢います。

ただし柔道整復師の勤務先の種類は多岐にわたり、その代表的な場となる整骨院や整形外科ひとつとっても、院によって規模や経営方針はさまざまです。

個人経営の院が多いことから、院長の考え方が色濃く反映されやすく、仕事内容や業務の流れなども勤務先によって変わってくるでしょう。

ただし、基本的には患者さんをお迎えし、症状を把握して適切に施術を行い、状態の改善を図っていくことが柔道整復師の役割です。

このほか、正社員の場合には片付けや清掃、売上管理、後輩の育成など、院の運営に関わる幅広い業務を任されることが多いでしょう。

正社員の柔道整復師の給料

正社員の柔道整復師の給料は月給となり、新人時代は20万円程度からスタートすることが多いでしょう。

経験や実績があると収入アップにつなげやすく、ベテランの柔道整復師になれば月に30万円以上を安定して得ることも可能です。

院によっては固定給ではなく、担当した患者さんの数に応じて給料が上乗せされる「歩合給」の制度を設けているところがあります。

その場合、患者さんを多く受け持てば受け持つほど収入アップにつながります。

また、副院長や院長へとランクアップしていくことで、役職手当がついたり、基本給が上がったりしていきます。

アルバイト・パートの柔道整復師

アルバイト・パートの柔道整復師の仕事内容

柔道整復師は、アルバイト・パートとして働く人も少なくありません。

一般的に、「アルバイト・パート」の働き方というと、正社員よりも仕事の責任は小さいと思われることがありますが、柔道整復師として働くのであれば、たとえアルバイト・パートでも国家資格は必須です。

しかし、患者さんの施術をせず、受付や先輩の補佐など限られた業務範囲であれば、無資格でも接骨院や整形外科などで働くことは可能です。

実際、柔道整復師の専門学校に通い、国家資格取得を視野に入れながら整骨院や病院でアルバイトをし、在学中に現場での研修を積むという人は少なくないようです。

柔道整復師のアルバイト・パートの求人が出されている場合、正社員と同様、患者さんの施術に携わるのか、それとも受付などの補佐業務を任されるのかはよく確認しておいたほうがよいでしょう。

アルバイト・パートの柔道整復師として働くメリット・デメリット

アルバイト・パートとして働く場合、正社員よりも時間的な拘束がゆるいことが多いです。

正社員は、職場によっては1日に10時間以上の長時間勤務になることもありますが、アルバイト・パートであれば短時間勤務も認められることが多いため、プライベートや他の勉強などと両立させて働きやすいことがメリットといえます。

ただし、給料や待遇面ではどうしても正社員に劣るため、不安定な立場で仕事をしなくてはなりません。

また、アルバイト・パートのままだと役職が上がらなかったり、責任のある仕事を任されにくかったりするデメリットもあります。

アルバイト・パートの柔道整復師の給料

アルバイト、パートの柔道整復師の給料は、「時給制」が基本となっています。

地域や経験などによっても異なりますが、未経験者は時給900円~1,200円程度が相場とされます。

ただし、多少でも実務経験があれば、時給1,500円程度からスタートになることもあるようです。

アルバイト・パートであっても、国家資格を持っていれば正社員の柔道整復師と同じように施術をすることも可能ですし、歩合給を取り入れている職場では実力次第でたくさん稼ぐことも可能です。

独立・開業して働く柔道整復師

柔道整復師の働き方としては、独立・開業という形もよく見られます。

経験がない人がいきなり自分の院を出すのは大変ですが、現場経験を積んで技術力を高め、さらに患者さんからの信用を集めていれば、独立して成功できるチャンスは十分にあるといえます。

独立・開業するとなると、いち施術者としての役割に加え、経営者という役割も担わなくてはなりません。

院の規模が大きくなれば、他のスタッフを雇って仕事を割り振ることも可能になりますが、院が軌道に乗るまではコストを抑える目的もあり、自分一人で運営していく人も多くいます。

最近では柔道整復師の有資格者が増え、独立志望者も増えているようです。

競争は厳しくなっており、独立・開業すれば必ず成功して稼げるというわけではないため、慎重に準備を進めていく必要があるといえるでしょう。