公務員は行政書士に合格しやすい?

公務員と行政書士の関連性

行政書士は、「行政」という名称が使われていることからもわかるように、官庁や役所といった行政機関と密接な関係にあります。

行政書士の業務は多岐にわたりますが、権利義務や許認可に関する公的書類などの作成、およびその提出を依頼者に代わって行うことがおもな仕事です。

提出された書類は、それぞれの窓口担当者である公務員が受理し、書類に記載漏れなどの不備がないか、法的に定められた要件をきちんと満たしているかなど、入念なチェック作業を行います。

つまり、「作成する側」と「確認する側」という違いはあるものの、行政書士と公務員の業務は非常に似通った部分があり、それぞれに問われる業務知識は、本質的に同じであるとみなすことができます。

したがって、行政事務を行う公務員は、日々の業務を通じて行政書士に必要な知識を身につけているといえ、行政書士試験においてほかの受験者よりある程度有利なのは間違いないでしょう。

公務員から行政書士になるには

行政書士試験を受けて合格する

公務員が、いくら日常的に行政書士に必要な知識を身につけられるとはいえ、行政書士試験は難関であり、合格するためにはしっかりとした対策を行わなければなりません。

行政書士試験は、大きく「法律分野」と「一般常識分野」の2つに分けられ、法律分野については民法、憲法、商法、行政法についての知識が問われます。

このうち、とくに行政法については、公務員としての行政経験が生きやすく、スムーズに試験対策を進められるでしょう。

また、民法や一般常識分野については、公務員試験の内容と重複している部分も大きいため、過去の試験勉強で得た知識が役に立つでしょう。

それでも、行政書士試験は公務員試験とは異なり、法解釈などの法的思考力が問われます。

できれば業務後の夜間に資格学校に通うか、通信教育などで専門的な対策を積むことが望ましいでしょう。

勤続年数を積む

公務員の場合、試験を受けなくても行政書士資格を取得できる方法があります。

国家公務員または地方公務員として、高卒以上の場合は通算17年以上、中卒の場合は通算20年以上、行政事務を手掛けたキャリアがあると、無試験で行政書士資格が得られます。

無試験というと、一気にハードルが下がる印象を受けるかもしれませんが、逆にいうとそれだけ実務経験がものをいう職業であるという証拠でもあります。

行政書士が作成する書類をチェックしていた人が、時を経て今度は作成する側にまわるというのは、非常にそれまでのキャリアが生きやすく、自然な流れといえるでしょう。

しかし、行政書士資格を取得する頃には、最短でも30代後半~40代を迎えていますので、これから行政書士を目指す人にとってはあまりにも時間がかかりすぎる点がネックといえます。

実際、この制度を利用して資格を得ているのは、定年退職後に行政書士として再出発することを考えている60歳前後の人が大半であるようです。