義肢装具士国家試験の難易度・合格率
義肢装具士国家試験とは
義肢装具士として働くためには、義肢装具士国家試験に合格することが必要です。
義肢装具士の国家資格試験の合格率は60~80パーセントとなっています。
数字だけ見ると高いですが、勉強せずに合格できるというわけではありません。
国家試験受験のための勉強は、今まで習ったことや見落としていたことを復習していくことにもなります。
逆にいうと、学習した内容がしっかり知識として定着していなければ、合格は難しいと言わざるを得ません。
専門性の高い国家資格すべてにいえることですが、受験者が限られているため、合格率の高さというのは目安程度と考えておいたほうがよいでしょう。
また、義肢装具士の資格所持者はまだそこまで多くない状況ですが、今後、義肢装具士を目指す人が増えると、試験の難易度が上がる可能性があります。
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義肢装具士国家試験の受験資格
義肢装具士の国家資格を受験するためには、次の受験資格のいずれかを満たしている必要があります。
(1)学校教育法の規定する大学入学資格を満たしていて、かつ指定の義肢装具士養成所で3年以上学んでいる
(2)大学もしくは高等専門学校、あるいは指定の学校・養成所で1年以上学んで指定の単位(※)を取得しており、かつ指定の義肢装具士養成所において2年以上学んでいる
※指定の単位とは…
・心理学、倫理学、社会学、人間発達学および社会福祉学のうち1科目
・数学、物理学、生物学および数理統計学のうち2科目
・外国語
・保健体育
(3)職業能力開発促進法に規定された義肢及び装具の製作に係る技能検定に合格しており、指定の養成所で1年以上学んでいる
(4)外国で義肢装具士に関する学校もしくは養成所を卒業している、または外国の義肢装具士に相当する免許を持っており、上記(1)〜(3)と同等の知識・技能を持っていると認定されている
(5)過去に義肢装具士の指定養成所での知識・技能の習得を終えている
つまり、外国で既に免許を持っているなどの特殊な場合を除き、義肢装具士の国家試験を受験するためには、指定の養成所で専門課程を修了している必要があるということです。
養成機関は大学もしくは専門学校がほとんどで、全国にもわずかしかありません。
したがって、すべての学校に関して情報を収集し、自分にあった学校を検討することが必要でしょう。
義肢装具士国家試験の難易度
国家試験というと難関というイメージがありますが、義肢装具士に関しては教育機関で専門知識を学び、十分に対策すれば、高い確率で合格できると考えていいでしょう。
実際、合格率は6~8割前後と高い水準で推移しています。
一方で、指定の養成所で3年以上学んだにも関わらず、2割前後の人は不合格となっているという見方もできます。
養成所で学んだ内容については確実に理解し、自分の知識として定着させていることが合格の前提となります。
日々の学びで基礎的な知識をしっかりと身につけた上で、試験に向けて全般的な復習、知識の定着に向けた学習をして準備を整える必要があります。
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義肢装具士国家試験の受験者数・合格率
義肢装具士国家試験受験者数
義肢装具士国家試験の受験者数は、ほかの国家資格と比べると非常に少なく、近年では200人前後を推移しています。令和5年度は194人が受験しました。
義肢装具士国家試験合格率
義肢装具士国家試験の合格率は、およそ70%から90%までの間を推移しています。令和5年度の合格率は前年度よりやや下降し79.4%となりました。
令和6年度 義肢装具士国家試験の概要
試験日 | 令和7年2月21日(金曜日) |
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申込書受付 | 令和7年1月6日(月曜日)から同年1月20日(月曜日)までに、公益財団法人テクノエイド協会に提出すること。 |
試験地 | 東京都 |
受験資格 | 3年以上、義肢装具士として必要な知識及び技能を修得した者(令和7年3月3日(月曜日)までに修業し、又は卒業する見込みの者を含む。)など |
試験科目 | 臨床医学大要(臨床神経学、整形外科学、リハビリテーション医学、理学療法・作業療法、臨床心理学及び関係法規を含む。)、義肢装具工学(図学・製図学、機構学、制御工学、システム工学及びリハビリテーション工学)、義肢装具材料学(義肢装具材料力学を含む。)、義肢装具生体力学、義肢装具採型・採寸学及び義肢装具適合学 |
合格率 | 79.4%(令和5年度) |
合格発表 | 令和7年3月26日(水曜日)午後2時に、公益財団法人テクノエイド協会ホームページ及び厚生労働省ホームページの資格・試験情報のページにその受験地及び受験番号を掲載して発表 |
受験料 | 59,800円 |
詳細情報 | 厚生労働省 義肢装具士国家試験 |