体の一部を再現する
義足、義手、義指といった義肢やコルセットなどの装具は身体の欠損や障害を補うために開発されているものです。これらの器具によって、社会生活への復帰を果たした使用者が世界中に存在します。
事故や病気で身体に障害を負った人の希望の光にもなりうる義肢や装具の作成に携われることは、すべての義肢装具士のやりがいであるといっても過言ではありません。
自身の成長が義肢や装具を進化させる
義肢や装具は技術の進歩や時代の流れに伴い年々より良いものに進化し続けています。義肢装具士として職務に当たることは義肢や装具の歴史に関わることにもつながるのです。
各人のひらめきや信念がそれまで不可能であったことを可能にすることも多々あります。
義肢や装具の進化や改良はそれらを必要とする人たちの生活の質を向上させ、彼らの可能性を広げます。
そのため、全国で活躍する義肢装具士は自身の技術の研鑽にやりがいを感じているといえます。
医療人としての誇り
義肢装具士は器具作成に要する高い専門技術が必要であると共に、人体に関する深い知識が必要とされます。
実は義肢や装具の作成に資格は必要ありません。
しかし、実際に使用者に接して採寸や調整を行うことは義肢装具士の資格を有する人にだけ許される医療行為。こういったことを考えると、義肢装具士は医療人としての要素が強いといえるでしょう。
医療現場に出て、患者さんと接することが許されていることは義肢装具士に強い責任感とやりがいを感じさせます。
自分にしかできない役割を果たしているという自覚は職業人にとってモチベーションの源につながるものなのです。
患者の笑顔を見るために
事故や病気で身体を欠損したり生涯を負ったりした人は健常者の想像を絶するほどの絶望を感じているものです。そのような人たちに明るい未来を提供するのが義肢や装具。
これらの器具を使用することで、彼らは自分の将来に可能性を見出し、社会生活に復帰を果たそうという意欲を持つことができます。義肢装具士は一人の人生を変える重要な役割を担っているのです。
しかし、患者さんの中にはショックのあまり心を閉ざし、義肢や装具に拒絶反応を示す人もいます。採寸やリハビリを行う義肢装具士につらく当たる人も少なくありません。
それでも粘り強く対話を続けることは骨の折れることではありますが、その情熱や思いやりが患者さんの心を動かし、結果感謝される機会を得ることも多々あります。
自身の作成した器具を使用した患者さんが笑顔を見せてくれたとき、それまでの苦労が報われ、大きなやりがいを感じることができるのです。