言語聴覚士の1日のスケジュール・勤務時間や休日についても解説

言語聴覚士の1日は、急患や繁忙期などがない職業です。

仕事の流れが見えやすい職業で、失語症や摂食・嚥下障害、構音障害などのリハビリを行いながら、あらかじめ定まったスケジュールをきちんとこなしていくことが大切です。

この記事では、言語聴覚士の1日・生活スタイルについて解説します。

言語聴覚士の業務スケジュール

言語聴覚士の1日は、ほかの医療職のように急患や繁忙期などがないため、あらかじめ定まったスケジュールをきちんとこなしていくことが大切です。

これは医療機関だけでなく、福祉施設等で働く場合も同様で、あらかじめ決められたスケジュールに沿って訓練をしていくという毎日を繰り返します。

1日の動きが決まっていることが多く、仕事の流れが見えやすい職業といえるかもしれません。

医療機関で働く言語聴覚士の1日

08:00 ミーティング
出勤後、理学療法士作業療法士などを交え、患者さん一人ひとりの状態や今日のスケジュール、伝達事項を共有します。

他の職業の人がどのようなことをしているのかしっかりと把握し、職業間のやりとりがスムーズ出来るよう心がけます。

ミーティング後は仕事の準備や書類整理を行います。

10:00 言語訓練
言語に障害のある患者さんの訓練を行います。

患者さんは、失語症や摂食・嚥下障害、構音障害など一人ひとり異なる問題を抱えているため、その人に適した訓練を行います。

12:00 患者さんの昼食付き添い
ものを飲み込むのが難しい患者さんの場合、誤って喉にものを詰まらせることがないよう付き添いをします。

訓練を重ねてきた患者さんにとっては、食事そのものが訓練でもあります。

14:00 回診同行
患者さんの回診に同行して、病状の把握をし、今後のプログラムに生かします。

また、訓練や回診がすべて終われば記録をつけ、今後の訓練プログラムに生かしていきます。

16:00 嚥下検査
嚥下機能の検査には嚥下造影検査や内視鏡検査があり、これらは医師により実施されます。

言語聴覚士は検査によって撮影された写真の読影を行い、患者さんの病状把握に役立てます。

18:00 勉強会
一通りの訓練・検査を終え、業務は終了しますが、勉強会がある日は参加します。

新たな訓練法を取り入れたり、一つの症例に対して討論方式で訓練方針を話し合ったりすること(ケースカンファレンス)もあります。

福祉施設で働く言語聴覚士の1日

8:30 出勤
9:00 朝のミーティング
職員のほとんどは福祉職であるため、言語聴覚士は福祉職との合同のミーティングを行った後に、医療職で独自にミーティングをします。
10:00 訓練開始
福祉職の人と連携を図りながら、利用者の生活援助をしたり、レクリエーションなどを実行したり、個別に訓練をしたりします。

利用者の生活に密着していくため、計画通りに物事が進まないことも多々あり、毎日違う出来事が起こる可能性は高いです。

12:00 昼食
ものを飲み込むのが難しい利用者さんには付き添いを行います。
14:00 レクリエーションに参加
施設内で行われるレクリエーションに参加し、利用者さんを補助しながら言語能力や身体機能について観察します。
15:30 ミーティング
施設と連携している医師・看護士などと今後のリハビリについてのミーティングを行います。

回復が早かったり、障害が重かったりする場合には別施設でリハビリを行うこともあります。

17:00 ご家族との話し合い
利用者さんの家族が面会に来た場合は、本人の症状や今後のリハビリの内容、回復の程度を説明します。
18:00 退勤

言語聴覚士の勤務時間

言語聴覚士はリハビリテーションに関わる職業柄、急患の対応はほとんどありません

そのため定期的に休みを取りやすく、あらかじめ組まれたスケジュール通りに仕事をこなすため仕事の量も1日でこなせる量であることが多いです。

大きな病院などになってくると残業が発生することもありますが、それでも休みを確実に取れるというのは大きく、長期的に仕事をしていくには重要な要素になっていきます。

職場にもよりますが、勤務時間はおよそ8:00から18:00くらいの間で設定されており、1日の実働は7.5時間から8時間程度が一般的です。

言語聴覚士の休日

休日は定期的にとれる

言語聴覚士の休日は、職場によって異なります

土日が休みになっている職場もあれば、平日が休みになり、その代わり土日に出勤もあります。

また、医療機関では日曜のみ定休で、平日1日休みというパターンも多くあります。

どのケースでも、休日の日数はほとんど変わりませんが、職場によっては「週休1日」というところもあるため、休日数が気になる人は事前にチェックしておくとよいでしょう。

公務員の場合はより安定している

言語聴覚士として国や都道府県・地方自治体が運営する病院や保険センターなどで働く場合、公務員と同様の扱いを受けられます。

このような職場で働く場合は、勤務時間や休日がしっかりと定められていて、土日祝日休み・残業なしなど環境が整っていたり、育休や産休などの制度も充実したりしいることが多いです。

言語聴覚士の残業時間

言語聴覚士は、あらかじめ決められた人数に対し決められた訓練を行うため、ほかの医療職のように急患や突発的な事態に対応することはほとんどありません

極端に長い労働時間になることはめったになく、残業があったとしても夜遅くまで仕事をするケースはそれほどありません。

慣れないうちであると仕事をこなすのに苦労を感じるかもしれませんが、それはどの職業でも同じだといえます。

自分が成長することで、より効率的に仕事を終わらせられるようになるでしょう。

言語聴覚士に夜勤はある?

言語聴覚士は、基本的に夜勤はありません

夜勤も基本的にない仕事であるため、同じ医療職である医師や看護師などに比べると規則正しい生活リズムにしやすい仕事だといえるでしょう。

また、女性でも家事や育児をしながらでも働きやすいという特徴があります

言語聴覚士は忙しい? 激務?

言語聴覚士は病院や福祉施設などさまざまな場所で活躍していますが、どの場所においても、激務になることはさほど多くないようです。

ただし、勤務先によって職場全体の仕事の量や忙しさは変わるため、たとえ激務でなくても職場を選ぶ際は職場の雰囲気をしっかりと見ておいた方がよいでしょう。

言語聴覚士の休日の過ごし方

言語聴覚士は、ほかの医療職と比べるとしっかりと休みが取れるため、仕事とプライベートをしっかり切り替えている人が多いようです。

ただし言語聴覚士として成長するために、休日でも勉強や研修を受けたりするという人もいます。

「言語聴覚士の1日・生活スタイル」のまとめ

言語聴覚士の1日は、ほかの医療職のように急患や繁忙期などはありません。

医療機関で働く言語聴覚士は、8:00には出社をし、ミーティング・言語訓練、昼食時には、患者さんの付き添い、午後には回診同行・嚥下検査・勉強会など、あらかじめ定まったスケジュールをこなしています。