学芸員のつらいこと・大変なこと・苦労

学芸員のつらいこと・大変なこと

来館者やマスコミへの対応

学芸員は来館者への対応も仕事のひとつです。

あらゆるサービス業に共通することではありますが、対応に苦労するような難しいお客さんもいらっしゃいます。

問題がある態度の方だったり、職員の注意を聞いてもらえなかったり、理不尽な言いがかりをつけられたりして悩むことも決して少なくはありません。

また、来館者に楽しんでもらえる展示を考えるのも頭を使うものです。

堅いテーマだとなかなか集客ができないので、流行に乗ってコンセプトを決めたり、人気のある芸能人やキャラクターとコラボしたりすることもあります。

研究一筋という学究的な人の場合、このような俗っぽい業務に嫌気がさして辞めることもあるそうです。

この他にも新聞やテレビの取材があるときには上手にPRできないといけないし、説明や案内も来館者のためになるようにしなければいけません。

展示に関して苦手な分野だと質問に十分に答えられなかったり、相手の方が詳しかったりすると面目が潰れてしまうので、学芸員は陰で大変な努力をしているのです。

修行の大変さ

博物館に勤める人間にはそれなりの学識と教養が求められます。

そうでなければ外部の人間に対応できないだけでなく、内部の手伝いや関係にも支障をきたすことがあるからです。

実務的な研究能力が未熟すぎると、保存や修復、標本制作の技能が拙くなるというような問題も出てきます。

こうしたことを未然に防ぐため、施設によっては徒弟修行をして厳しく訓練しているところもあるそうです。

ときには「ついていけない」という状態に陥り、苦しい職場になってしまうこともあるでしょう。

また新人への教習や市民講座や大学での講義などに携わることも多いので、教育者や講師としての能力が要求されることもあります。

学芸員は就職後もたくさんの勉強が必要なのです。

待遇は良くはない

学芸員に憧れる人は多いですが、必ずしもバラ色の職場とは言えません。問題点として、就職するための競争率の高さ、給料の低さ、雑務の多さなどがあります。

雑務に関して言えば、設営や企画、来客の案内や解説、館内の清掃や整備、展覧会の品々に関する配送や保安の確保から、対外的な借り出しの交渉など、本来の業務である研究調査以外の仕事が多いという不満も多いようです。

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学芸員の悩み

学芸員のなかには、ハードワークに悩まされている人もいます。

勤務先にもよりますが、人手が不足している施設や大規模な博物館の場合は、多忙となることが多いようです。

発掘作業、収蔵品の保存作業、標本の制作、美術品の手入れ、昆虫や動物の世話など、業務内容は多岐にわたります。

これに加えて市民サービスや博物館の施設の管理なども大切な仕事なので、ときには休日が一日しかないとか、プライベートの時間が取れないといったケースもでてきます。

学芸員は「好きでこの仕事をしている」という人も多く、そのために自分の時間を潰して研究にのめり込んだり、市民サービスに力を入れ過ぎて過労に陥ってしまったりするというケースもあります。

熱心な労働はやりがいにもつながることですが、体調管理ができない人は健康を害しやすいこともあるのが難点です。

学芸員を辞める理由で多いものは?

学芸員を辞める理由で多いものとしては、「高収入が見込めない」というものがあります。

公立の施設に準じる施設で働いている学芸員の場合、それなりの年収になりますし、勤続年数を重ねたり役職についたりすることで多少の給料アップは望めます。

また、有名博物館でそれなりの役職につくと恵まれている場合もあります。

しかしながら勤務先や雇用形態によっては、一般企業でいうところの初任給程度の程度の額から伸びないというケースもあります。

経済的な充実を求めていくのは難しく、結婚をして家族を養わなければいけなくなったときに転職をする人もいます。

学芸員の仕事は、どちらかというと「好きだからやる」という人の方が長く続くかもしれません。

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つらさよりもやりがいが勝る人も多い

こういった環境でありながらも、進んで辞めたいという人は少ないそうです。

なぜかというと、一番の仕事の魅力として「好きなことを仕事にできている」という点があるからです。

多少の雑務や、本筋にはずれた仕事であろうが、本来の自分のやりたかった研究に関わり、そのためになることであるならば少しぐらいつらくても我慢できます。

職務上、日夜の勉強や地道な調査が避けられないとしても、それは自分の知識や教養を深めることになるため、あまり苦にならないでしょう。

そういった「楽しい苦労」「生きがい」が学芸員の魅力でもあります。

元は一般社会のかなり経済的には恵まれている職業を辞めて、学芸員を選んだ人などは特にその傾向があるようです。

深夜までの残業でも、歴史的な品々の保存や展示の工夫であったり、文化振興のために駆け回ってると、苦労はあっても心に張りがあるものです。