動物看護師の需要・現状と将来性

長らく続くペットブームから、獣医師や動物看護師の需要は非常に高まっています。

もともと動物看護師には民間資格しかありませんでしたが、2022年に「愛玩動物看護師」という国家資格が生まれたことで、動物看護師の社会的評価はさらに高まると考えられています。

この記事では、動物看護師の需要・現状と将来性について解説します。

動物看護師の現状

現代の日本では長期間にわたるペットブームが続き、なかでも人間が感情移入しやすい犬や猫の人気が高くなっています。

一般社団法人ペットフード協会の令和3年(2021年)調査では、ペットとして飼われている犬・猫の飼育頭数は、以下のように発表されています。

  • 犬=710万6000頭
  • 猫=894万6000頭

両方合わせた推計飼育頭数全国合計は、1605万2000頭にものぼっています。

これだけ多くのペットがいるわけですから、もはやペットは「家族の一員」という考え方が定着しているといえるでしょう。

また近年では、福祉施設や病院・学校などにおいて、入居者や患者・子どもたちが動物と触れ合うことで、人間の治療や教育に役立てるような活動も広まっています。

そして、動物も人間と同じように病気になったり怪我をしたりします。

動物の健康管理に携わり、元気に生きていくための手助けをする動物看護師は、現代において不可欠な職業の一つといえます。

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動物看護師の需要

人と動物の関わりがよりいっそう深まるにつれ、獣医師や動物看護師の需要は高まっているといえるでしょう。

とくに専門学校などで動物看護の基礎的な知識やスキルを備えた、即戦力として活躍できる人が求められるケースが増えています。

かつては無資格でも働ける職業でしたが、「愛玩動物看護師」の国家資格が誕生したことによって、その専門性がさらに評価されています。

無資格者や民間資格のみの取得、あるいは実務未経験でも一部の業務には携わることができます。

しかしながら、動物看護師として名乗り、専門的な業務に従事していきたいのであれば、やはり国家資格取得を目指すに越したことはないでしょう。

動物看護師の将来性

かつては多数の民間資格が乱立していた動物看護師ですが、その後は「認定動物看護師」という統一資格が生まれたことによって、動物看護師として一定のレベルに達していることが証明しやすくなりました。

2019年の段階で、認定動物看護師の登録者数は22,723名にのぼるなど資格の取得者は年々増え続けました。

さらに、2022年には「愛玩動物看護師」の国家試験が初めて実施され、これによって動物看護師という職業の社会的価値はさらに高まるでしょう。

国家資格を取得するためには、指定された学校で学ばなくてはならないなどの条件がありますが、動物看護師に就くためのハードルが上がるにともなって、給与や待遇などの改善につながることが期待されています。

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動物看護師の今後の活躍の場

犬・猫以外の動物を診る

近年では犬猫以外にも小動物など多種多様な動物をペットとして飼う人が増えているため、こうした小動物に対する知識をもつ動物病院は重宝され、専門知識を生かして働く動物看護師もより増えてくるでしょう。

また、少子高齢化や医療の進歩によりペットの高齢化も進み、ダイエットやリハビリなどに悩むペットも増え、動物病院やペット施設に求められる役割は広がってきています。

これまでのようにただケガや病気の治療の補助をするだけでなく、

  • 健康的な生活習慣を身に付けさせる
  • 食事や運動面からアドバイスをしたりする

など、より専門的な働き方をする動物看護師もより増えると予想されます。

年齢を重ねても働けるか

動物看護師は体力が必要な仕事です。

診察台で動物を動かないよう抑えたり、長時間入院している動物のケアをしなければならなかったりと、労働環境は厳しいといってもいいかもしれません。

また、動物看護師が接する患者(動物)は、人間とは異なり言葉を発せないため、人間を相手にする以上の苦労を感じることもあるはずです。

反面、動物のかけがえのない命を守り、患者や飼い主と深くコミュニケーションをとっていけるやりがいのある仕事です。

自分なりの働きがいを見つけ、体力の維持に努めることで、長く働き続けられるでしょう。

「動物看護師の現状と将来性」まとめ

獣医師や動物看護師の需要は非常に高まっているといえ、とくに専門学校などで動物看護の基礎的な知識やスキルを備え、即戦力として活躍できる人の需要が大きくなっています。

かつては動物看護師は無資格で働ける職業でしたが、2022年に国家資格が誕生したことで、社会的な評価や待遇面の向上も期待できるようになりました。

単に病気や怪我の治療の補助をするだけでなく、健康的な生活習慣・食事や運動面からのアドバイスなど、より専門的で広範な知識を生かした働き方をする動物看護師もさらに増えると予想されます。

まだ国家資格化されて日が浅いため、この職業を目指している人は、ぜひ今後の動向にも注目してください。