大工の道具にはどんなものがある?

大工の道具箱には何が入っている?

大工は、建築現場でも工務店の作業場でも、道具類のぎっしり詰まった箱を持っています。

現在では、大工の移動手段といえば自動車ですが、一昔前までは、自転車の荷台に大きな箱を括り付けて移動する姿が、大工の代名詞だったようです。

箱は木製のものもあれば、金属製やプラスチック製のものもあり、箱自体はホームセンターなどで市販されている一般的なものですが、いつも肌身離さず持ち歩いている箱の中身に興味を抱く人も多いかもしれません。

以下では、大工の道具箱の中身について、代表的なものをいくつかご紹介します。

大工が使う道具

材木を加工するための道具

大工が一連の建築工事を始めるうえで最初に行うのは、使用する材木の寸法を測り、必要な長さに切断したり、穴を開けたりする加工作業です。

その際の計測に用いられる道具としては、巻き尺や定規などがあり、なかでもL字型の独特の形状をしたさしがねは、最もメジャーといえる大工道具のひとつです。

表と裏、内側、外側のすべてに目盛りが付いており、数え切れないほど数多くの使い方があります。

測った寸法や目印などを材木に記す「墨付け」を行う際には、墨つぼと墨さしが使われ、墨つぼに内蔵された糸を使うと、長い直線を一度で引くことができます。

また、柱や土台などの平面に墨付けする際には、板図板(えずいた)と呼ばれる板が、直角に墨付けする際には、スコヤと呼ばれる金属製の定規が用いられることもあります。

その後、墨付けした記号などに基づいて材木を加工する際の道具としては、のこぎりやノミ、カンナ、錐(きり)、カーペンターゲージなどが挙げられます。

なお、近年は電動チェーンソーやテーブルソー、カッター、トリマーなど、機械類が用いられるケースが急速に増えており、大工道具は複雑化・高価格化が進んでいます。

建物を組み立てるための道具

組み立てに用いられる道具といえば、釘を打つ金槌(かなづち)と、のみを叩く玄翁(げんのう)のふたつが有名です。

私たちがDIYをする際、複数の金槌を使うことはまずありませんが、大工はサイズや材質の異なる金槌を複数本所持し、用途に応じて金槌を使い分けています。

この金槌や玄翁は、大工にとって生命線ともいえる最も大事な道具で、各人の使い勝手や好みが大きく分かれます。

手に馴染む、同じものを何十年も使い続けている大工も多く、他人のものは絶対に使えないという声もよく聞かれます。

そのほか、建前の際に使用する、樫の木でできた掛矢(カケヤ)と呼ばれる木槌や、電動ドライバー、ラチェットレンチなどもあります。

道具を手入れするための道具

大工が使う道具は、刃物を中心として多くが金属製であるため、日々の手入れは必須であり、道具箱のなかには手入れのための道具もたくさん入っています。

欠かせないのは砥石で、混合砥石、青砥、虎砥石、合わせセラミック砥石、キングデラックスなどの種類があります。

また、同じ種類の砥石にも、粒子の粗さの異なる荒砥(あらと)、中砥(なかと)、仕上げ砥(しあげと)などがあり、切れ味を出すために複数の砥石が併用されます。

なお、のこぎりの刃はとくに錆びやすいため、保護するために油紙やCRCといった道具が用いられたり、替え刃が用意されているケースもよくあります。