大工の棟梁の意味とは? 仕事内容は?

大工の棟梁の意味

「棟梁」とは、「棟(むね)」と「梁(はり)」という、建物にとって重要な構造物をふたつ組み合わせてつくられた言葉であり、組織における中心人物を表します。

歴史的には、武士や僧侶の家系における筆頭者という意味合いで使われることが多く、「武家棟梁」という言葉を聞いたことがある人も多いかもしれません。

大工における棟梁も、それらとほぼ同じ意味合いで、端的にいえば「親方」のことであり、一般企業にたとえるならチーフやマネージャーといった管理職に該当します。

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大工の棟梁の役割

ひとつの建物が完成するまでには、大工をはじめ、各種職人や、電気・ガスの設備工事業者など、数多くの人が関わります。

本来であれば、そうした人々を取りまとめるのは元請業者である「現場監督」の役目ですが、現場監督は一般的に複数の現場を掛け持ちして働くため、どこかひとつの現場に常駐することはほとんどありません。

大工の棟梁は、多忙な現場監督に代わって、自身の部下だけでなく別の業者たちも統率し、リーダーとして工事全体を安全かつ滞りなく進める役割を担っています。

大工の棟梁の仕事内容

大工の棟梁の具体的な仕事内容としては、工事の進捗管理と指示、資材の発注、足場や重機の手配、左官職人やとび職人の手配、安全管理、施主(せしゅ)への説明などが挙げられます。

とくに、建造物全体の骨格をつくる「建前」の指示は非常に重要で、限られた日数で効率よく作業を完了させるためには、綿密な段取りと的確な現場さばきが必要になります。

また、自身の部下や後輩の面倒をみることも棟梁の重要な仕事であり、工事現場全体を睨みつつ、個人に対して必要な技術を指導するなど、監督と教育を同時並行で行っていかなくてはなりません。

大工の棟梁は、多様な業務をこなすことが求められる、いわゆるプレイングマネージャーと呼ばれるきわめて重要なポジションです。

棟梁がいないと現場がまわらないといっても過言ではありません。

棟梁の手腕次第で、建物の完成度には大きな差が生じるため、仕事には重い責任と苦労が伴いますが、それらに見合うだけのやりがいと達成感も得られる役職です。

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大工の棟梁になるには

工事を監督し、部下や後輩を指導するには、当然ながら自分自身が高度な技術をもち、建築作業全体に精通していなければなりません。

資格を取ればなれるというものではないため、大工の棟梁になるには、まず見習いとして大工のキャリアをスタートさせることが第一歩です。

大工の修業時代は厳しいことで知られており、新人や若手の頃は、片付けや掃除などの雑用も積極的にこなさなければなりません。

明確な基準はありませんが、5年くらいかけて数多くの現場経験を積み、一通りの技術を身につけると棟梁を任されるようになります。

ただ、自信をもって棟梁を張れるようになるには、その2倍、10年はかかるでしょう。

棟梁は、一人前になったことの証であるとともに、新たなキャリアを築いていくスタートラインといえるかもしれません。

職人である大工の道に終わりはなく、引退するまで技術を研鑽する日々が続きます。