国立大学教授は公務員ではない?私立大学教授との待遇の違いは?

国立大学は「国立大学法人」という法人が運営しており、そこで働く教授や職員は公務員ではありません。

この記事では、国立大学法人の組織の特徴や、国立大学と私立大学で働く場合の待遇の違いについて説明します。

国立大学と私立大学は運営主体が違う

大学は大きく分けて、国立大学と私立大学があり、それぞれ運営主体が異なります(※その他、公立大学もあります)。

国立大学と私立大学の運営主体
  • 国立大学:国が運営
  • 私立大学:学校法人が運営

国立大学では教育・研究活動に政府からのサポートがある一方、私立大学は民間の法人が運営しており、独自の資金や経営方針に基づいて活動します。

ただし、実際のところ、日本の私立大学は公的な意味合いが強く、私立大学にも国からの補助金が出ています。

日本の大学全体の約4分の3は私立大学となっています。

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国立大学法人とは?

国立大学は、「国立大学法人」という組織によって運営されています。

国立大学法人とは、国が直接運営し、たくさんの国立大学を管理している組織です。

この法人は、国立大学の設立や運営、学生へのサポートや教育研究などといった重要な業務を担当しています。

ただし、国立大学法人の職員は公務員ではありません。

法人名に「国立」とついているために混同されがちですが、実際には独立行政法人の一種です。

つまり国立大学の職員は、一般の企業に勤める人と同じように、労働基準法や労働安全衛生法などが適用されます。

そのため、大学教授も、国立大学法人の職員として働きます。

国立大学教授の立場は「みなし公務員」

国家公務員と同じ待遇となる

国立大学は、平成16年4月に「国立大学法人」という形態に変わったことで、そこに所属する大学の教授や職員は公務員ではなく「国立大学法人の教授や職員」となりました。

ただし、国立大学法人の教員・職員公共の利益を担う仕事に従事しているため、「みなし公務員(準公務員)」と呼ばれる場合があります。

日本では、みなし公務員には公務員に適用される法的手続きや義務が課されることがあり、実質的には公務員と同じような待遇を受けることが多いです。

たとえば、有給休暇や特別休暇は、国家公務員と同じように適用されます。

また、地域手当や住居手当、単身赴任手当などの諸手当も、国家公務員と同じように支給されることが一般的です。

国家公務員試験を受験しなくても大学教授になれる

国立大学の大学教授は公務員ではないため、なるために、国家公務員試験を受験する必要はありません。

ただし、その代わりに公募の際には業績調書などを大学側に提出し、教授会による審査が行われます。

教授、准教授、講師などを目指す場合は、基本的に「博士」の学位がなくてはなりません。

また、教授にまでなるのであれば、数十本の論文執筆や、大学側に認められるような研究結果が必要です。

私立大学のほうが給料や待遇はよい場合が多い

国立大学で働く場合、みなし公務員としての安定した待遇が期待できます。

しかしながら、給与に関しては、私立大学で働く教授のほうがより高く設定される場合が多いです。

たとえば、首都圏の著名な私立大学では、平均年収が1200万円以上になるところもあります。

とはいえ、私立大学の給料は大学による差がかなり大きいため、安定性でいうとやはり国立大学のほうが大きいともいえるでしょう。

なお、私立大学の教授や職員は公務員ではなく、「会社員」や「団体職員」として扱われることが一般的です。

国立大学・私立大学における大学教授や講師などの年収・給料に関しては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

大学教授、大学准教授、大学講師の年収・給料

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「国立大学教授は公務員ではない?」のまとめ

国立大学の教授は公務員ではありませんが、「みなし公務員」としての待遇を受けることが多く、公共の利益に貢献する重要な役割を果たしています。

みなし公務員は、公務員と同じような安定した待遇が保証されています。

ただし、給与に関しては私立大学で働くほうが高くなるケースも見られます。