獣医師の需要・現状と将来性

獣医師の現状

獣医師免許は簡単に取得できる資格ではないこともあって、獣医師は社会的地位の高い仕事といえるでしょう。

これまでペット業界の市場は、ペットブームの影響を受けて動物病院を利用する人が増えてきました。

1世帯あたりの年間動物病院代は増えているものの、今後は、犬猫の飼育頭数の推移が減少する見込みで、近い将来動物病院の市場規模は縮小する懸念があります。

実際、高齢化や共働き世帯の増加が影響していることから、犬の飼育頭数は2008年の1,300万頭をピークとして、2018年は900万頭と、400万頭近くが減少しているのです。

参考:公益社団法人日本獣医師会「小動物獣医療の現状と今後の対応」

一方、動物病院などで総合診療ができる「臨床獣医師」以外にも、公衆衛生、動物愛護、医薬品開発など臨床以外の業務に携わる獣医師の必要性が重視されています。

食品の安全確保に対する社会的ニーズの高まり、動物と人間共通の感染症対策、また畜産業の発展に貢献する役割を担う専門家として、獣医師に対する期待が高まっているのが現状です。

ただし地方自治体で公務員として働く獣医師は減少しており、とくに地方では人材不足が課題となっています。

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獣医師の需要

獣医師はなることが決して簡単ではなく、人材が少ないため、需要は常に一定数あるといえます。

しかも獣医師免許を一度取得すれば、また獣医師として別の職場への転職もしやすいです。

最近では獣医師のなかでも、動物病院で総合診療ができる「臨床獣医師」に注目が集まっており、飼育頭数が減少しているものの、今後もこの分野で働く獣医師は安定した採用募集が続くと考えられます。

ただし、一つの動物病院で複数人の募集をすることはあまり多くありません。

自分の希望に見合った求人情報があった場合は、早めに就職活動をしてアプローチしたほうがよいでしょう。

病院によっては眼科に力を入れていたり、心臓血管外科を中心に診察したり、夜間診療がある場所などいろいろな職場があるため、気になる病院は詳しく調べておくことをおすすめします。

動物病院だけでなく、製薬会社や実験動物管理施設、空港などにおける検疫業務などでも獣医師が求められています。

この先、公務員や民間企業で働く獣医師の需要は、ますます高まっていくことが予想されます。

これから獣医師を目指す人は、臨床以外の仕事にも、もっと目を向けていくことも必要といえるかもしれません。

実際、現在、獣医師を育成する大学では臨床以外の獣医師育成に積極的に取り組んでいたり、各職場においては獣医師の労働環境や待遇の改善などを図ったりするなど、長く活躍できるようさまざまな動きがとられています。

獣医師の将来性

獣医師は今後、さらに専門性の高い治療や、時代のニーズに合わせたサービスを行うことが求められています。

「ペットは家族」と大切に考える飼い主が増え、飼い主自身がインターネットで治療法や情報を調べて知識が豊富な場合もあり、より高度な治療を求める傾向にあるのです。

動物病院のニーズも変化しており、珍しい動物の治療ができる専門病院、夜間対応可能な病院など、ニーズに合わせたサービスを行う病院も増えています。

ほかにも「アニマルセラピー」など、医療や福祉、教育の現場でも動物が活躍するようになったことから、その動物たちのケアに獣医師は欠かせません。

このように患者やサービスのニーズに合わせて、獣医師の働き方も今後変化していくでしょう。

現在の課題には、地方自治体の獣医師不足と、女性の獣医師が仕事と家庭を両立しづらい点があげられます。

給与体系や待遇、産休育休制度が整っておらず、ハードワークなのに報われないと感じてしまう人も多いようです。

とくに女性の獣医師は数が多いものの、人材不足で少ない人数で回さなければいけない職場もあり、休みたくても休めず結婚・出産を機にやめなければいけない獣医師も少なくありません。

人材不足を解消し、多くの獣医師が長く活躍できるように、職場環境の見直しが期待されています。

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獣医師の今後の活躍の場

獣医師の活躍の場は、今後も広がっていくと考えられます。

動物病院では飼い主のニーズに合わせて、夜間診療や珍しい動物専門の病院など、専門性を生かしたサービス提供ができるでしょう。

また異業種である福祉や医療、教育現場でも、アニマルセラピーの需要が高まりつつあります。

高齢者福祉施設や病院、ホスピスなどを訪問する動物たちのケアをするのに、獣医師の存在が欠かせません。

そのため動物の活躍の場が増えるほど、獣医師の活躍の場は増えるといえるでしょう。

また職場も動物病院だけでなく、民間企業、公務員と幅広い選択肢があります。

中には海外で家畜衛生や公衆衛生の指導をしたり、獣医師の経験を生かして営業職として就職し、海外転勤できる会社もあるようです。

このように知識を生かして動物や人々の暮らしをサポートできるのが獣医師の仕事で、活躍の場の選択肢が広いことも魅力といえるでしょう。