獣医師の現状と将来性

獣医師の将来についてはさまざまな意見がありますが、ペットブームに伴うペット患者の増加、また口蹄疫といった家畜伝染病に関与する検疫業務が重視されていることなどにより、獣医師のニーズは高まりつつあります。

今後の獣医師は、今まで以上に広範囲での高度な技術や能力が求められると考えられています。

教育の変革から必要か

しかし、そういった背景に獣医師が対応していくためには、教育の現場からの改善が求められています。

今までの獣医系大学の傾向として、小規模な教育研修組織が分散し、教育の施設などの少なさや不備などから基礎獣医学教育がメインのカリキュラムとなってしまっているため、「実務である臨床教育が不十分ではないか」との指摘もあるようです。

現場レベルでの底上げとして、学生時代からの臨床研修の充実を図っていくことが求められています。

さらに、日本における獣医師の待遇や立ち位置などの見直しを図り、獣医師全体のモチベーションを上げていくことで、将来の状況に対処できるといわれています。

産業動物獣医師の必要性

もう一点、近年問題となっているのは、動物病院で小動物を中心に診る臨床獣医師の志望者が増加する一方、養鶏、養豚、酪農、肉用牛産業などの現場で働く産業動物獣医師や、公衆衛生などに携わる公務員獣医師が不足している状況です。

産業動物獣医師は、私たちにとってイメージしづらい存在かもしれませんが、畜産業の健全な発展に不可欠な存在です。

もはや「産業動物獣医師なくして安心・安全に肉類を食べることはできない」といっても過言ではありません。

また、動物による重大な感染症の被害がしばしばニュースで取り上げられていることは、皆さんもきっと知っているでしょう。

大きな社会問題に発展する感染病を防ぐためにも、専門的な知識と技能を持った獣医師の活躍が期待されます。

その他、希少な野生動物の保護などの面でも、獣医師の存在は絶大です。

このようなことから、家畜衛生、公衆衛生、動物愛護などに携わる獣医師の必要性がより強く訴えられています。今後は、産業動物獣医師や公務員獣医師の養成をさらに強化していく動きが高まるかもしれません。