「映画監督」の仕事とは

映画監督の仕事内容

映画制作の現場におけるリーダー役となる

映画監督は、映画制作の現場において俳優・カメラマン・音声・美術・衣装などたくさんの関係者をまとめあげ、全体の指揮をとり、あらゆる決定を下す仕事です。

まずはキャスティングやスタッフ編成からスタートし、脚本家と一緒にストーリーや構成を考えていきます。

撮影中も細かく演技指導やカメラワークに対する指示を出し、撮影後は編集作業にも関わります。

何もないところから自分のイメージする世界を生み出していくため、美的センスや創造力、多くの人を束ねて動かすリーダーシップも求められます。

映画監督の就職先・活躍の場

就職ではなく、個人で仕事をしている人が大半

映画監督には、基本的に就職という考え方がありません。

映画監督はフリーランスでの活動、つまり会社に勤めるわけではなく、個人で仕事をするのが一般的です。

ただし、なかには映像制作会社などで映像制作の知識や技術を身につけてから、映画監督として独立する人もいます。

映画業界は人脈も重要になってくるため、経験が浅いうちはとにかくコネや独自のルートを作って制作現場に潜り込み、少しずつ実績を積み上げていく努力が必要になります。

映画監督1日

その日によって働く時間帯やスケジュールは変わる

映画監督は、毎日違うスケジュールで生活しているといっても過言ではありません。

撮影期間中は、その日に撮るシーンによって勤務開始時間や終了時間も変わりますし、それ以外にも打ち合わせ、ロケ地選定、編集などでいろいろな場所で仕事をすることになります。

ここでは、そんな映画監督の撮影日のある1日を紹介します。

06:00 起床
この日は午前中からの撮影です。

07:30 現場へ
関係者が集まってロケ車へ乗り、現場へ向かいます。

09:00 撮影開始
機材などをセッティング後、該当シーンを撮影します。

12:00 休憩
おにぎりなどの軽食をとって小休憩です。

13:30 撮影再開
午後も引き続き撮影。予定時間内で終わるように時間はつねに気にします。

18:00 打ち合わせ
合間をぬって、他のスタッフと今後の撮影について確認。

20:00 撮影終了
当日分に予定していた撮影は無事に終わりました。

22:00 帰宅
寝る前は映画やドラマを観たり、本を読んだりしてリフレッシュ。

映画監督になるには

まずは映画作りの基礎知識を学ぶのが一般的

映画監督には特別な学歴も資格も必要ありませんが、映画制作に関する知識は必須です。

そのため、まずは大学や専門学校で映画や映像制作について学んでから映画制作会社へ入社したり、直接映画監督の弟子となり、働きながらスキルアップを目指す人が多くなっています。

このほか、テレビ番組制作会社勤務や脚本の仕事をしたのち映画監督を目指す人や、海外の映画学校で学ぶ人などもいます。

あるいは、自主制作でコンテストなどに応募して、実力を試している若手映画監督の卵もたくさんいます。

いずれの場合でも、まずは映画監督の下のポジションとなる「助監督」として実績を積むのが普通で、監督になるまでには10年以上かかる人もざらにいます。

映画監督の学校・学費

大学の映画学科や映像専門学校がある

映画監督になるための専門学校や大学では、映画制作に関する基礎的な知識、また映画を撮影時に必要とされるスキルを学ぶことができます。

現役で活躍する映画監督を講師として招いて、現場で役立つ勉強をすることができますし、カメラワークなど独学では勉強しにくいことも体系的に学べるのがメリットです。

学費は年間で100万円程度必要になる学校が多く、決して安いとはいえませんが、このような学校で身につけた基礎的なスキルは、将来自分で映画作りをしていくうえでも役立つことでしょう。

映画監督の給料・年収

実力ある映画監督になれば大きく稼ぐこともできる

映画監督は会社に勤務するのではなくフリーランスで働く人が多いため、その収入は作品1本ごとのギャラとなります。

ギャラは、駆け出しの監督であれば作品1本につき400万円程度ですが、大物監督になれば1本につき1000万円以上の収入を得ることもあります。

ヒット作を生み出すば、DVD化などによってさらなる収入も期待できます。

しかし、駆け出しの下積み時代は収入も低く不安定な生活になりがちなため、他の映像制作の仕事を掛け持ちする人も少なくありません。

映画監督のやりがい、楽しさ

作品が完成し、苦労が報われる瞬間

映画監督は自らの想いを映像に託して、作品作りをしていきます。

長期に渡る撮影期間を終え、クランクアップをした際には何ものにも代えがたい達成感を感じます。

さらに、自分が関わった作品が大ヒットして話題になったり、自分の作品が世界各国の言葉に翻訳されて放映されたときなどには、大きな喜びに包まれます。

大勢のスタッフをまとめ上げてゴールに向かうのはとても大変ですが、それまでの苦労がすべて報われる瞬間にも出会えるのが、映画監督という仕事です。

映画監督のつらいこと、大変なこと

リーダーとしての大きなプレッシャーがのしかかる

映画監督は、映画制作の現場における最高責任者となるため、つねに大きなプレッシャーを抱えることになります。

現場でトラブルが起きた際にはどうすればよいかを即座に判断して指示を出しますし、各スタッフの間に立って上手に現場を調整していったりするなど、高度なスキルが求められます。

撮影が思うように進まないときでも、リーダーとして不安定な気持ちを周りに見せることはできず、見えない重圧を感じながら日々過ごさなくてはならないのは大変な一面だといえるでしょう。

映画監督に向いている人・適性

映画を愛してやまず、人間力もある人

映画監督になるための一番の条件は、心から映画が好きな人です。

感性が豊かで、さまざまな角度から映画を見ることができる人に向いています。

映画を制作するのは容易なことではなく、体力面・金銭面・精神面のすべておいて、つらいことも必ずあります。

そんなときに、自分自身を支えてくれるのが「映画が好き」という真っ直ぐな気持ちです。

また、映画監督は多くの関係者をまとめ上げなくてはならないため、人に好かれ、信頼されるような人間力のある人にも向いています。

映画監督志望動機・目指すきっかけ

人の心を動かす映画作品を作りたい

映画監督を目指す人は、映画が大好きで、自分でも面白く人の心を動かす作品を作りたいという思いを持っているものです。

そうした映画作りへの情熱は、映画監督になるにあたってとても大事なものだといえます。

ただし、映画監督になるには厳しい下積み時代の経験も必要ですし、いざなってからも作品作りへのプレッシャーや過酷な撮影環境などで心身ともに苦労を感じることもあります。

映画監督を目指す時点で、絶対に苦労は付いて回るものだと覚悟しておく必要があるでしょう。

映画監督の雇用形態・働き方

会社に勤務するのではなく、フリーランスで働く

映画監督は、基本的にフリーランスで活動していきます。

したがって、会社に就職して給料をもらいながら働くといった、一般の会社員とはまったく異なる働き方となります。

実力のある映画監督は次々と大きな作品に関わっていくことができますが、売れていない映画監督は地道に実績を積み上げるしかありません。

まずは助監督としての案件を見つけ、経験を積んでデビューを目指したり、コンテストに応募して受賞を目指したりといったりしながら、一人の映画監督として生きていくための道を模索していくことになるでしょう。

映画監督の勤務時間・休日・生活

決まった勤務時間や休日はない

映画監督の仕事は、決まった勤務時間や休日があるわけではありません。

制作中はその日の現場のスケジュールによっても働く時間が変わりますし、場合によっては早朝や深夜に仕事をすることもあります。

人気の映画監督になると、長時間忙しく働いている人も多いようです。

一方、あまり売れておらず、映画監督の仕事だけでは食べていけない人もざらにいます。

駆け出しの時代などは、生活のために別のアルバイトをしながら過ごしている人も少なくありません。

映画監督の現状と将来性・今後の見通し

成功するには積極的に動くことが必要

映画監督は、アマチュアレベルで活動することはそう難しくありませんが、商業的に成功することを考えると、ほんの一握りの人しか生き残れない世界です。

努力することはもちろん欠かせませんが、センスや才能、運なども必要になってきます。

また、映画を作るには必ず資金が必要です。

資金面の責任を持つのはプロデューサーであるため、いかに業界内での人脈を構築し、関係者の目に留まる存在になれるかが成功の秘訣ともいえます。

フットワーク軽く行動し、少しずつ信頼を積み上げてチャンスを手にする気持ちが求められるでしょう。