映画製作に関わる仕事の種類(17選)

子どもの頃、夏休みに家族に連れて行ってもらった映画。
高校生の頃、初めて友達と一緒に映画館で観た映画。
社会人になって、週末の夜におうちでひっそりと楽しむ映画。
映画は、いつの時代も私たちの生活を彩ってくれる、とっておきのエンタテインメントです。
そんな映画を観るのが大好きな人にとっては、映画製作に関わる仕事は憧れの仕事でしょう。
素晴らしい物語を生み出す脚本家、役者の可能性を最大限に引き出す演出家や映画監督。
実際に演技をする女優や俳優もいれば、その舞台裏を支える美術スタッフや照明スタッフもいます。
最近ではデジタル化が進み、若手のCGデザイナーやサウンドクリエイターの活躍の場も広がってきました。
素晴らしい作品を世に生み出すことができる映画製作に関わる仕事についてご紹介します。
目次
体験モニター募集中! キャリアの悩みを解決する相談サービス「グッザー」とは
映画の企画や撮影をする仕事
映画の製作に関わる仕事には、台本の執筆から役者の演技指導、映像編集まで幅広いジャンルの仕事があります。
まずは映画の企画や撮影をリードする役割を果たす人の仕事を見てみましょう。
最初に映画の内容を作るのは「脚本家」です。
映画や演劇などのストーリーを考え、登場人物のセリフや動きをシナリオとして書き上げます。
脚本家の作ったストーリーに合わせて照明や音楽などの総合的な演出を行うのが「演出家」です。
役者に対する演技指導もしながら細やかなところまで目を配り、その映画ならではの世界観を作り上げていきます。
実際に撮影に入ると、「撮影監督(映画カメラマン)」が映画制作における映像の専門家として指示を出します。
撮影監督はカメラマンとして撮影スタッフをとりまとめる仕事であり、現場の信頼が厚いベテランのカメラマンしか任されることのない役割です。
脚本家や演出家に対して指示を出しながら、ストーリー作りから演技指導まで映画制作のあらゆる面に責任を持つのが「映画監督」になります。
どの仕事も経験がものをいう側面があり、まずはアシスタントから入って何年も現場で修行をしながら一人前を目指します。
映画の評判が悪ければ次の依頼はこないということも多く、厳しい実力主義の世界であることは間違いありません。
しかしそのぶん、自分のセンスをフル活用しながら作品を作り上げていけるので、映画好きな人にとってはこのうえない喜びを感じられる仕事となるでしょう。

脚本家
脚本をつくる際には、まずストーリーや登場人物を設定し、そこにセリフや心理描写、登場人物の動きなどを加えます。
監督やプロデューサーなど各方面の関係者との打ち合わせも重要であり、作品のコンセプトに沿った脚本を仕上げていく必要があります。

演出家
作品を作る際の総責任者であり、俳優の演技や音楽、照明、美術、カメラワークに対して指示を出し、より効果的な脚色を加えて作品の世界観を作り上げていきます。
演技や舞台芸術に関する知識はもちろん、高い指導力や表現力、脚本解釈のための想像力なども求められます。
独自の世界観や感性が要求されるため、日頃から多くの作品に触れ、センスを磨いていくことが求められます。

撮影監督(映画カメラマン)
使用するカメラやレンズ、フィルムを選び、撮影時におけるポジションやアングル、構図、カット割りなどのカメラワークを決定。
さらに照明や色彩の調整などについて、撮影スタッフたちに細かく指示を出していきます。
この仕事に就くうえで特別な資格は必要ありませんが、撮影助手(アシスタント)として数々の現場経験を積み、一人前を目指していくのが一般的な流れです。

映画監督
脚本家との打ち合わせや俳優への演技指導、撮影スタッフへの指示出しなど、あらゆる製作過程に深く関わりながら作品の方向性を決定します。
かつては長い修業期間が必要とされていましたが、近年は撮影機材の低価格化やインターネットの普及などによって、自主制作の映画をプロデュースしやすい環境が整いつつあります。
若手監督の活躍が期待されている業界です。
映画の出演や宣伝をする仕事
映画製作に関わる仕事といえば、映画の出演や宣伝をする仕事も欠かせません。
映画には主役から脇役、通行人としてのエキストラまでさまざまな役があります。
重要な役として登場するのは、演技のプロフェッショナルである「俳優・女優」です。
新人からベテランまでキャリアはさまざまですが、それぞれの個性やスキルを生かして与えられた役割を演じ切ります。
一方で、アニメ映画の場合は、「声優」が全ての役割を演じることになります。
日本ではたくさんの映画用のアニメが多く作られていることをご存じの方も多いでしょう。
プリキュアやドラえもん、名探偵コナンやクレヨンしんちゃんなどの人気シリーズは毎年のように新作が公開されます。
また、最近では「君の名は。」や劇場版「鬼滅の刃」などのアニメ映画が記録的な大ヒットとなりました。
日本の映画業界にとってアニメ作品はなくてはならないものであり、それを支えているのが声優の存在なのです。
こうして映画に出演した役者にとっては、映画の宣伝も重要な仕事のひとつです。
映画の公開を記念した舞台挨拶に登場したり、関連するインタビューを受けたり、テレビの露出を増やしたりして映画をアピールします。
映画の宣伝を考えるのは、映画配給会社の「映画宣伝」の仕事になります。
映画の公開に合わせて効果的なプロモーション活動を行い、映画の魅力を広く世に伝えていきます。
どんなに素晴らしい映画を作っても、まずは多くの人に興味を持ってもらい劇場に足を運んでもらわなければ意味がありません。
映画宣伝はあまり目立つ仕事ではありませんが、映画に関わる仕事のなかでも重要な仕事といえるでしょう。

俳優・女優
活躍の場は、ドラマや映画のほか、舞台、雑誌、ラジオ、CMまで多岐にわたります。
演技を通して見る人の感情を揺さぶり、作品の世界観をつくり上げていきます。
新人時代は厳しい生活になる覚悟も必要ですが、有名になれば次から次へとオファーが舞い込み、多方面で活躍できる可能性が広がっていきます。

声優
女優や俳優が全身を使いながら役柄に合う演技をするのに対し、声優は自分の「声」を使って、作品にふさわしいキャラクターを演じていきます。
活躍の場はアニメや海外映画のほか、ドキュメンタリーの吹き替えやゲーム、テレビ・ラジオのナレーションなど多岐にわたります。
声優の収入は実績を重ねることでギャラが上がる仕組みになっており、経験があまりないうちは不安定な生活になることを覚悟しておく必要があります。

映画宣伝
通常はチームでプロモーションを行います。
新聞、雑誌、テレビ局などのマスコミに直接映画を売り込む「パブリシティ」、さまざまな企業と共同でプロモーションを行う「タイアップ」。
テレビ、雑誌などに広告を出稿する「メディアバイイング」、宣伝物を作成する「クリエイティブ」、そしてそれらを統括する「宣伝プロデューサー」などに分かれています。
大手配給会社の映画宣伝部は、倍率も高く、採用されることは困難ですが、契約社員やアルバイトで成果を上げて、正社員となるケースもあり、まずは映画業界に携わることが大切です。
多忙な日々となりますが、映画好きには非常に魅力的な仕事です。
映画の撮影現場を支える仕事
ここまでは、映画の企画や出演、宣伝に関わる人たちの仕事を見てきました。
次に、映画の撮影現場を支えるスタッフとして働いている人の仕事を見てみましょう。
まずは、映画の舞台装置や小道具などの美術全般を担当する「美術スタッフ」です。
時代劇の撮影ではスタジオの中に昔の街並みを再現させることもありますし、アクション映画の撮影では敵となるモンスターや変身用のスーツなどを作ることもあります。
美術スタッフが作り上げた舞台装置を美しく見せるためにライティングを考えるのが「照明スタッフ」です。
ストーリーや演出の意図を汲み取りながら、最適な照明を作り上げていきます。
映画の撮影では出演者の声や周囲の音を収録しなければいけないので、「音響スタッフ」も必要です。
この他にも、出演者や周りのエキストラの衣装を調達する「スタイリスト」、出演者のヘアメイクを仕上げる「メイクアップアーティスト」が参加します。
それぞれの仕事の専門性の高さを生かして、チームが一丸となって映画の撮影現場を支えているのです。
表からは見えにくい仕事ばかりですが、映画製作の現場には欠かせないプロフェッショナルばかりです。

美術スタッフ
映画の内容に合わせて、建物や街並みのような大掛かりなセットもあれば、小道具を調達することもあります。
技術やセンスが問われるため、デザイン系の専門学校や美術大学でデッサンや造形について学んでから美術制作会社などに就職する人が大半を占めています。

照明スタッフ
監督やディレクターなどと打ち合わせながら、使用する照明機材や内容を考え、場のコンセプトや雰囲気、出演者の魅力を引き出すためのライティングを行います。
近年の照明業界では、LEDを使ったもの、映像と音楽を組み合わせたものなど新しいスタイルが次々と生み出されています。
照明スタッフには、時代のニーズに合わせた照明技術を駆使することが求められます。

音響スタッフ
現場によって「PA」「サウンドエンジニア」「音声さん」「ミキサー担当」などと呼ばれることもあります。
音響スタッフの多くは音響を専門に扱う会社や放送局、番組制作会社、イベント会社、レコード会社などに所属しています。
機材を扱うための知識や技術のほか、音の響きの違いを聴き取る力が求められます。

スタイリスト
事前に他のスタッフと打ち合わせを行い、イメージを固めて、衣装や小道具を調達します。
撮影現場では、カメラマンやメイクアップアーティスト、ヘアメイクの人などと協力しながら仕事を進めていきます。

メイクアップアーティスト
肌の色味や肌質、輪郭や顔のパーツは人によって大きく異なります。
それぞれの魅力を最大限引き出せるようなメイクを生み出すことが大切です。
テレビ・映画などの撮影の場や、ファッションショーやイベント時には、照明や光のあたり具合、テーマやシチュエーション、出演者の個性や服装などを考慮してメイクをします。
映画の映像や音楽を作る仕事
次は、映画を完成させるうえで欠かせない、映像や音楽を作る仕事について見てみましょう。
昔からの手法で作るアニメ映画の場合、「アニメーター」がアニメーションの基となる絵を描いています。
しかし、最近では最新のデジタル技術を駆使して作るアニメ映画も増えており、「CGデザイナー」がCGでアニメーションを作ることも多いようです。
アニメ映画のキャラクターとなる登場人物がいる場合は、「キャラクターデザイナー」が原案を作ります。
また、オープニングやエンディングなどの映像をセンスよく仕上げるために「映像クリエイター」が参加することもあります。
この他に、映像に合う音楽を作りだすために求められるのが「サウンドクリエイター」です。
昔はミュージシャンや作曲家に頼んで作曲や演奏をしてもらうことも多かったのですが、最近ではDTM(DAW)ソフトを駆使して仕上げてもらうことが増えています。
映像や音楽を作成するデジタル技術の進化はすさまじく、映画業界でも新たな技術がぞくぞくと取り入れられています。

アニメーター
動画の基本となる原画を描く「原画マン」と、原画と原画の間の細かなコマの絵を描く「動画マン」に分かれています。
最近ではソーシャルゲームやスマートフォンアプリでも、アニメーターが活躍する例が増えています。

CGデザイナー
3次元CGの技術の進歩とともに、映画やゲーム、アニメーションだけでなく、建築や車、機械の設計などにまでCGの活用機会が広がっています。
CGデザイナーは、近年、デザインやITのほか、建築や自動車、航空、機械、家電などの幅広い業界で需要が高まっている職業です。
比較的よい待遇で採用されるケースも増えています。

映像クリエイター
テレビのコマーシャルや映画、CG(コンピューターグラフィックス)技術を駆使したゲームやアニメ、アーティストのミュージックビデオやゲームなど、さまざまな映像を制作しています。
豊富な映像コンテンツがあふれる現代社会において、ますますの活躍が期待されている職業です。

キャラクターデザイナー
オリジナルのキャラクターを一から作成したり、原作の世界観をもとに衣装や髪型などの外見をデザインしたりします。
最近では関連グッズのデザインや企業広告のキャラクターデザインなど、キャラクターデザイナーの仕事の幅は広がりを見せています。

サウンドクリエイター
「作曲家」や「サウンドディレクター」と同じような意味で使われることもあります。
作曲能力をはじめ、DTM(DAW)ソフトを使いこなす力が必要です。
サウンドクリエイターの専門学校や音楽大学を出て、ゲーム関連企業、音楽・アニメ・映像・コンテンツなどの制作会社へ就職する人が多くなっています。
名作と呼ばれる映画は、国境や時代を超えて多くの人たちから愛され続けます。
映画の製作に関われば、そんな名作誕生の瞬間に立ち会えるチャンスも生まれるかもしれません。
映画が大好きな人は、ぜひこの業界に飛び込んでチャレンジしてみるとよいのではないでしょうか。
すべて完全無料ですので、ぜひ会員登録してみてください。
・大学・専門学校の資料請求なら:スタディサプリ進路
・転職エージェントなら:リクルートエージェント
・20代の転職なら:マイナビジョブ20s
・IT業界の転職(未経験からでもOK):マイナビITエージェント