Webデザイナーとグラフィックデザイナーの違い
Webデザイナーとグラフィックデザイナーの仕事内容の違い
「Webデザイナー」と「グラフィックデザイナー」は、どちらもデザイン業務を専門とするクリエイターです。
仕事内容は似たような部分もありますが、それぞれが扱う「媒体」による違いがあります。
WebデザイナーはWebページを、グラフィックデザイナーは紙媒体(チラシ、カタログなど)をメインで扱います。
媒体の特性に合わせ、色やデザインの考え方には違いが出てきます。
また、Webデザイナーはデザインを作成するだけでなく、Webページに落とし込む「コーディング」の作業を担当する場合も多いです。
また、検索エンジンの動きや、その後のメンテナンスも考慮した制作が求められます。
一方、グラフィックデザイナーは、ポスターやチラシ、雑誌広告など各媒体の特徴に合った制作が求められ、色数に指定がある場合も少なくありません。
Webデザイナーとグラフィックデザイナーのなる方法・資格の違い
Webデザイナーもグラフィックデザイナーも、就職のために資格や学歴は不要です。
どちらも「デザイン職」としての実力が問われるため、自分の作品をポートフォリオ(作品集)にまとめて就職活動の際に見てもらうのが一般的です。
就職後は、一般的にはアシスタントの立場からスタートし、仕事の進め方や技術的なノウハウを学びます。
資格は「カラーコーディネータ」や「Adobe認定エキスパート」などのデザイン系の資格はどちらの職種にも有益です。
Webデザイナーなら「ウェブデザイン技能検定」、グラフィックデザイナーなら「DTP検定」などの資格は、より業務に近いため専門的なスキルの証明に効果的です。
ただし、どちらの職業も資格そのもので高く評価されることは少なく、スキルと実績が重視されます。
Webデザイナーとグラフィックデザイナーの資格・必要なスキルの違い
WebデザイナーはWebページを作成するところまでが仕事に含まれるため、HTMLやCSSなどの理解が必要です。
また、スマートフォンやタブレット、パソコンなどユーザーの使用する端末の画面サイズなどを踏まえたデザイン作成が求められ、「UI/UX」や「SEO」などの知識も求められます。
ITと関連性のある立場で働くため、どうしてもITにも興味をもつ必要が出てきます。
一方、グラフィックデザイナーは、雑誌や新聞の広告、ポスター、パンフレットなどさまざまな媒体に合ったデザインが求められます。
印刷時の大きさをイメージして文字やイラストなどのパーツを配置する必要があり、かつ媒体の素材感なども考慮しなくてはなりません。
そのため、デザインだけでなく媒体の特性や素材の知識が求められます。
Webデザイナーとグラフィックデザイナーの学校・学費の違い
Webデザイナーとグラフィックデザイナーは、基礎的な知識や技術を学ぶために専門学校に通うのが一般的です。
専門学校では、両者に共通するデザインの基本やグラフィックソフトの操作を中心にしたコースが多く、初年度で100万円程度の学校が一般的です。
より専門化して、WebデザインコースやDTPコースなどが選べる場合もあります。
大学では芸術系の学部でデザインを学ぶことができるほか、Webデザイナーなら情報系の学部でプログラミングやコーディングを学ぶのも将来的に役立ちます。
大学で学ぶ知識は、仕事ですぐ役立つものばかりではありませんが、将来役立つ高度な考え方を学ぶことができます。
大学の学費は国公立か私立かで大きく変わり、年間70~120万円ほどになることが多いです。
Webデザイナーとグラフィックデザイナーの給料・待遇の違い
Webデザイナーとグラフィックデザイナーでは、給料や待遇で大きな違いはありません。
求人サイトでは、Webデザイナーは300~400万円ほどの年収が多く、グラフィックデザイナーだと300~500万円ほどが多いです。
一見グラフィックデザイナーの給料が高く見えますが、Webデザイナーは若い人が中心であるために平均値が低くなっています。
デザイン会社やWeb制作会社で働く人もいますが、なかにはコンサルティング会社や広告会社などで資料作成や提案物の作成に特化している人もいます。
一般企業でのデザイナーは、求人は少ないものの、替えの利かない人材として高待遇を得られるケースも多いです。
Webデザイナーとグラフィックデザイナーはどっちがおすすめ?
Webデザイナーとグラフィックデザイナーは仕事の内容が大きく変わるわけではないですが、制作対象の媒体が違うため、媒体の好みで決める傾向が見られます。
紙媒体が徐々に減り、インターネットなどを通したデジタル媒体が増えていることもあり、将来性という点ではWebデザイナーのほうが有利でしょう。
しかし、紙媒体が完全になくなることはなく、グラフィックデザイナーが不要になることもありません。
デザインの基本や利用するソフトウェアが同じであるため、両方の知識やスキルを身につけている人も増えてきています。
媒体選びも大事ですが、「●●業界のデザインに強い」「インパクトのあるデザインが得意」など自分の専門性を磨き上げることが大切です。