Webエンジニアの求人状況・就職先の選び方

Webエンジニアの就職先にはどんなところがある?

代表的な就職先

Webエンジニアを目指す学生の代表的なキャリアパスとしては、大学や専門学校を卒業後、Web系の「事業会社」、もしくはWeb系の「制作会社」に新卒採用で就職するパターンです。

まず、「事業会社」というのは、自分の会社が所有するWebサイトやWebサービスを、その会社自らで開発や運営を行っている会社のことを指します。

たとえば、「LINE」「Twitter」「メルカリ」などのWeb系企業は事業会社に該当してきます。

次に、「制作会社」というのは、クライアントとなる他企業のWebサイトやWebサービスを、代行して受託開発する会社のことを指します。

たとえば、「IMJ」「チームラボ」「LIG」などのWeb系企業は制作会社に該当してきます。

インターネットが普及し、Webビジネスのマーケットが拡大したことにより、日本でも数多くの事業会社、制作会社が設立され、Webエンジニアの主な就職先となっています。

その他の就職先

Webエンジニアには、前述した事業会社や制作会社の他にもさまざまな就職先が用意されています。

<Webエンジニアのその他の就職先の例>
・インターネット総合企業(例:Google、Amazon、yahoo、楽天など>
・インターネット広告系企業(例:サイバーエージェントなど)
・SI企業のWeb系部門(例:NTTデータ、日本ユニシスなど)
・一般企業のWeb部門やIT部門
・ITスクールやWebプログラミングスクール(講師として)
など

近年は、インターネット系企業やWeb系企業だけでなく、一般的なメーカーや商社などもWebビジネスに参入する事例も増えてきており、そのような一般企業が併せて自社にWeb部門などを作り、Webエンジニアを採用していることもあります。

また、昨今はWebビジネスやWebプログラミングなどに関心を持ち学びたいという人が増えてきているため、そういった層をターゲットとしたITスクールやプログラミングスクールも続々と登場していきています。

そのような教育の場で、講師として活躍するケースも、今後より増えてくるかもしれません。

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Webエンジニアの求人の状況

全体的にはWebエンジニアは売り手市場

Webエンジニアが属するWeb業界は現在進行形で急成長を続けています。

野村総合研究所がまとめた「日本の成長を支える産業「ウェブビジネス」」によると、日本のWebビジネス市場は、この10年で2010年の11兆円規模から2020年には47兆円規模まで拡大し、約4.7倍の成長を遂げるという見通しが立てられています。

そのような急成長に対して、新たにエンジニアを目指す人というのは、まだまだ海外と比較すると日本は不足しており、慢性的な人手不足の状況に陥っています。

Web業界では、近年、企業同士でエンジニアの奪い合いも激しくなってきているようであり、エンジニアにとっての「売り手市場」化が進んでおります。

経験者向け求人のニーズ

前述した人手不足の影響もあり、既にWebエンジニアとして働いている「経験者」向けの求人は特に増加している傾向が見られます。

経験者向けの求人では、少なくとも現場での開発経験が2~3年程度はあり、一連の開発業務を理解している人材をターゲットとしていることが多いです。

「Javaでの開発経験〇年以上」など、プログラミング言語単位で経験年数が問わる求人も見られます。

経験やスキルが豊富であるほど、ニーズは高まり、引く手は数多になります。

とくに少数先鋭で回しているWebベンチャーであれば、エンジニアとしての技術スキル以外にも、マネジメントスキル、Webデザイナー系スキル、Webマーケティング系スキルなど、枠にとらわれないオールラウンドなスキルを持っているとより好感されやすいでしょう。

未経験者向け求人のニーズ

Webエンジニアは人手不足のため、「未経験者」を積極的に募集している企業も少なくはありません。

特になかなか人手の集まりにくい小規模な会社であれば、「未経験者歓迎」、「学歴不問」、「年齢不問」など緩い条件で募集している会社が目立ちます。

そのような未経験者向けの求人では、企業側もゼロからの育成を想定しているケースが多く、まったくWebに関する基礎知識やスキルがない人であっても基本的には応募は可能です。

ただし、中には「情報系やWeb系の学校出身者歓迎」「趣味でもWebプログラミングの経験がある方歓迎」などの歓迎条件を設けている求人もあります。

Webエンジニアの就職先の選び方

やりたいことで選ぶ

Web業界の場合、同業他社への転職に比較的寛容的な業界であり、入社後何年か勤めてスキルを磨いた後には、別の会社に転職している可能性や、もしくはフリーランスとして独立している可能性も大いにあります。

そのため、「定年までずっとその会社で働く」という選び方よりも、「自分がなにをやりたいか」「どんなスキルを身に付けたいか」「将来的にどんなエンジニアになりたいか」などに重点をあて会社を選んだ方がよい場合もあります。

いずれにしても、自分の将来像をイメージするというのは就職活動を進める上で必要不可欠な作業ですので、まずはWebエンジニアとして自分のやりたいことや身に付けたいスキルが何であるかを、よく頭の中で整理することから始めてみることが大切でしょう。

仕事内容をチェックする

「Webエンジニア」という言葉は定義が曖昧な部分もあり、会社によっても捉え方はさまざまです。

同じWebエンジニア職であっても、会社が違うと仕事内容も大きく異なることもあります。

ミスマッチを防ぐためにも、次のような要素をチェックしながら、自分のイメージと合致した仕事内容であるかを確認しておくことが大切です。

<仕事内容で特にチェックしたい部分>
・全般的な仕事内容
・入社後にどのような仕事を任せられることになるか
・どのような分野のアプリケーションを開発しているか
・開発言語は何を利用しているか
・設計、構築、プログラミング、運用保守などさまざまな工程があるが、どこの工程を中心に担当できる会社なのか
・そこで働くことでどのようなスキルが身に付くのか
など

中には、募集要項に仕事内容があまり詳しく書かれていない会社や、逆に無数の仕事内容が羅列されており、自分がその中のどの仕事を任せられるのかがイメージしにくいこともあります。

そういった場合は、会社説明会や面接時に担当者に質問をし、不明点や疑問をクリアにしておくことも大切です。

「事業会社」と「制作会社」

Web系の会社には、「事業会社」と「制作会社」の大きく2パターンがあり、このどちらかによって働き方は大きくかわってきます。

「事業会社」の場合、自社のWebサイトやWebサービスを開発することになり、クライアント(お客さま)というのが存在しませんので、比較的自分たちが主導で仕事を進めていける利点があります。

また、事業会社の場合、最初の企画段階からリリースまで、一つのサービスに長く携わっていける利点というのもあります。

一方、「制作会社」の場合、クライアントとなる外部の企業からWebサイトやWebサービスの開発を受託することになります。

制作会社の場合は、お客さま相手の商売となり、クライアント側の意向に左右されやすいため、なかなか自分たちの思うように仕事が進めにくい難しいさもあります。

ただしその分、さまざまな会社の案件を担当できるため、経験やスキルの幅を広げやすいというメリットもあります。

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Webエンジニアの志望動機・面接

志望動機では「なぜWebエンジニアでないとならないのか」を明確に

新卒採用や未経験採用の場合、「なぜWebエンジニアを目指しているのか」、「なぜWebエンジニアでないとならないのか」の部分を採用担当者は特に知りたがっています。

たとえば「Webが好きだから」、「Webに関連する仕事がしたい」といった志望動機は範囲が広く、WebデザイナーやWebマーケッターなど他のWeb系職種であってもいえてしまう動機です。

「Web業界」としての広い括りではなく、もう一歩深入りし、あくまで「Webエンジニア」としての志望動機にまで落とし込んでいくと、採用担当者側からも好感を得やすいでしょう。

面接で聞かれること

Webエンジニアの面接では、次のようなことを聞かれることが多いです。

<面接での代表的な質問内容>
・志望動機
・自己PR
・長所短所
・なぜWebエンジニアを目指すのか
・なぜ弊社を選ぶのか
・弊社は何番目の希望か(第一希望か)
・学生時代は何を学んでいたか
・学生時代に頑張ったこと
・普段どんな本を読むか
・興味のあるIT技術やIT関連のニュース
・ストレス耐性はあるか、体力や健康について
など

新卒採用や未経験採用の場合は、経験やスキルではなく、人物重視の採用となることが多く、これらの質問から「人間性」やエンジニアとしての「適性」を図られていることがあります。

「ストレス耐性はあるか」、「大変なこともあるがやっていけるか」など際どい質問が投げられることもありますが、動揺せず落ち着いて返答することが大切です。

Webエンジニアの志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?

就職先はどのように探したらいい?

就職サイトで探す

国内には大手からベンチャーまでたくさんのWeb系企業がありますのが、その大半は「就職サイト」経由で求人を探すことができ、あわせてサイト上からエントリーも可能です。

代表的な就職サイトとしては、次のようなサイトが挙げられます。

<代表的な就職サイト例>
新卒者向け:リクナビ、マイナビ
既卒者向け:リクナビNEXT、en転職、DODA
IT業界、エンジニア向け:Green、Geekly、Wantedly
など

なお、たとえば「リクナビ」側のみにしか求人を掲載していない企業、「マイナビ」側のみにしか掲載していない企業というのもありますので、できるだけ求人サイトは1つではなく、いくつかに登録しておくことをおすすめします。

就職課で探す

大学や専門学校には、学生の就職をサポートする「就職課(キャリアセンター)」が用意されています。

就職課では、学校経由で入手した独自の求人が公開されていることがあり、時には就職サイトなどではなかなか掲載されないような掘り出しもの求人に出会えることもあります。

また、就職課では、履歴書作成や面接対策、進路相談、学校推薦制度の受付なども行っていますので、就職活動時には何かと心強い味方となってくれることが多いでしょう。

直接的な探し方

就職サイトなどを利用せず、直接的に会社を探し、選考に応募する方法もあります。

<直接的な探し方の例>
・企業の公式サイトの「採用ページ」からエントリー
・企業の採用窓口に直接電話して交渉(採用ページなどがない場合)
・知人や友人などの人脈を通じて選考に応募
・SNSのつながりを利用して選考に応募
・転職情報誌や新聞折り込みの求人で探す
など

とくに最近は、TwitterやFacebookなどのSNSを利用して採用活動を行っているWeb系企業も増えており、SNS上のつながりが就職のきっかけとなることも珍しくはなくなってきました。

技術イベントで探す

Web系のプログラミング言語やツールをテーマとした「技術イベント」が、全国各地で定期的に開催されています。

たとえば、「RubyKaigi」は、プログラミング言語である「Ruby」をテーマとしたカンファレンスイベントであり、Ruby関連の技術を利用しているWeb系企業が多数参加しています。

現地の各ブースでは、参加している企業のサービスに触れられたり、社員との交流を図れたりもします。

技術イベントは、いままで知らなかったWeb企業との出会いの場ともなり、またエンジニアとしての知的好奇心も刺激されますので、将来Webエンジニア志望の人は一度足を運んでみるのもよいかもしれません。