システムエンジニアとプログラマーの違い
システムエンジニアとプログラマーの仕事内容の違い
システムエンジニアは文字通りシステムを作るエンジニアであり、「どのようなシステムにするか」「そのシステムにはどのような機能が必要か」「どのようなプログラムが必要か」などを考えていくことを仕事とします。
一方でプログラマーは、ITシステムに搭載する「プログラム」部分を中心に担当する職種です。
プログラムの詳細設計やプログラミング作業などは、基本的にはプログラマー側の仕事となってきます。
たとえば銀行の金融システムであれば、そのシステムの全体像や枠組みを考えるのはシステムエンジニア、ATM入出金などの各部のプログラムを作るのはプログラマーといった切り分けになっています。
ただ、この2つの職業は仕事上密接な関係にあり、協力・兼任することもあります。
たとえば、ベテランのプログラマーであれば、プログラムの観点からシステム全体の設計に協力することもありますし、逆にシステムエンジニアが手を動かしてプログラムの設計まで行ってしまうこともあります。
システムエンジニアとプログラマーのなる方法・資格の違い
システムエンジニアを目指す場合、特別これを学ばなければいけないというものはありません。
とはいえ、IT関連の知識があるに越したことはないため、大学や専門学校で「情報処理」や「IT」分野を専攻し、SIerなどのIT系企業に就職することが模範的なルートです。
プログラマーの場合も、同じように「情報処理」や「IT」分野を専攻し就職するパターンが多いです。
ただしプログラマーの場合は「プログラミング」が半ば必須のスキルです。
新卒の場合、プログラム未経験者を採用する企業も決して少なくはありませんが、「学校でプログラミングの授業を選ぶ」もしくは「自主的にプログラミングを学習する」などして、プログラミングに触れておけば、就職先の選択肢は広がるでしょう。
なお、システムエンジニアとプログラマーは近い関係にあるため、システムエンジニアとして入社した人がいずれプログラマーに移行するパターンが考えられますし、プログラマーとして経験を積みシステムエンジニアになる人も少なくありません。
システムエンジニアとプログラマーの資格・必要なスキルの違い
資格の違い
前提として、システムエンジニアもプログラマーも必須の資格は存在しません。
ただし、次のような資格を取得しておくと、採用面接で好感を持たれ易くなり、資格の勉強を通し自身のスキルとしてもプラスになります。
<役立つ資格>
システムエンジニア:ITパスポート試験、基本情報処理技術者試験、応用情報技術者試験、システムアーキテクト試験、プロジェクトマネージャー試験 など
プログラマー:ITパスポート試験、基本情報処理技術者試験、各種プログラミング系の資格(C言語プログラミング能力認定試験、Ruby技術者認定試験、PHP技術者認定初級試験 など)
「ITパスポート試験」もしくは「基本情報処理技術者試験」は、IT業界への登竜門的な資格となりますので、システムエンジニアとプログラマーどちらを目指す場合であっても糧となってくれる資格です。
システムエンジニアを目指す場合は、その他「応用情報技術者試験」なども選択肢ではありますが、こちらは業界未経験者や学生などですと、少々ハードルが高めです。
プログラマーを目指す場合は、各種プログラミング系の資格を取得するのも一案です。
資格の勉強を通じてプログラミングの基礎を学ぶこともできるでしょう。
必要なスキルの違い
システムエンジニアとプログラマーそれぞれで求められるスキルは次のようになります。
<必要なスキル>
システムエンジニア:各種IT知識(サーバー、ネットワーク、データベースなど)、システムを全体的に見渡せる力、コミュニケーション力、マネジメント力 など
プログラマー:プログラミング分野のIT知識、プログラミング言語の理解、コミュニケーション力 など
システムエンジニアとプログラマーどちらにおいても、お客さまやチームメンバーと連携する必要があることから「コミュニケーション力」は必要です。
システムエンジニアの場合は、リーダーポジションを任されることも多いため、ゆくゆくは「マネジメント力」や「リーダシップ」も求められてくるでしょう。
システムエンジニアとプログラマーの学校・学費の違い
システムエンジニアもプログラマーも、学ぶための学部・学科は似ています。
4年制大学であれば、「理工学部」「情報学部」「情報処理学部」「IT学部」などが対象となってきます。
専門学校の場合は、「システムエンジニアコース」、「プログラマーコース」と職種毎にさらに細かく区分されていることもあります。
学費についても、システムエンジニアとプログラマーではさほど金額は変わりません。
おおよその目安としては、国立大学は4年間で約250万円、私立大学は4年間で約400万円~550万円、専門学校は2年間で約220万円が目安となってきます。
ちなみに、システムエンジニアもプログラマーも必須の学歴というのは存在しません。
大学や専門学校でITを学ばずに、システムエンジニアやプログラマーとして活躍している人もたくさんいますので、必ずしも模範的なルートを歩まなければならないというわけではありません。
システムエンジニアとプログラマーの給料・待遇の違い
システムエンジニアの平均年収は、約500万円~600万円が目安となってきます。
対してプログラマーの場合は、システムエンジニアに比べ若干給料が低い傾向にあり、平均年収は約450~500万円が目安になってくるでしょう。
さらにシステムエンジニアの場合は、のちのち「チームリーダー」「プロジェクトリーダー」「プロジェクトマネージャー」などのマネジメント職にステップアップしていくケースが多いため、そうなると役職手当などでプラスαの収入も期待できます。
そのような背景から、システムエンジニアのほうがプログラマーよりも収入的には有利な傾向です。
ただし、プログラマーは「職人」的な側面もあり、名の知れたプログラマーになれば驚くべきほどの収入が得られることもあるため、収入の上下については一概にはいえない部分もあります。
システムエンジニアとプログラマーはどっちがおすすめ?
「このようなシステムをつくりたい」「ITシステムをつくり社会貢献したい」など、ITシステムに対して熱意を持っている人や、サーバー・ネットワーク・データベースなどITインフラ部分に興味関心がある人であれば、システムエンジニア向きといえます。
また、システムエンジニアの場合、お客さまと対話したり、人を纏めたりする機会がプログラマーよりも多いため、人とのやりとりが苦にならない人が向いています。
一方で、「プログラミングをするのが好き」「システムというよりプログラムに興味がある」といった人であれば、プログラマー向きといえるでしょう。
また、プログラマーの場合、常々プログラミング作業を行うことになります。
プログラミング作業には本人の適性も絡んできますので、「プログラミングをしていて苦にならないか」についても、自身がプログラマー向きかそうでないかを計る大きな要因となってくるでしょう。