システムエンジニアに必要な知識やスキルは? どんな勉強が必要?

システムエンジニアに必要な知識

基礎的なパソコンの知識

システムエンジニアは、日々パソコンを用いて、設計書・企画書・打ち合せ資料など数多くのドキュメントを作ることになります。

したがって、次のようなパソコンの基礎的な知識は、入社前にある程度は身につけておくことが望ましいです。

・ファイルの保存やコピー&ペーストなど、パソコンの基本操作
・ある程度のタイピング能力、タイピング速度
・Word、Excel、PowerPointなど、各種オフィスソフトの基本操作
・「クライアントPCとサーバーの違い」など、基本的なコンピュータの知識
など

こういった知識は、学校で教わるというよりも、自分で使いながら覚えるものです。

まずは練習用のパソコンなどを購入し、入門書を片手に、実際に使って慣れていくのがよいでしょう。

IT知識

システムエンジニアとして働く上では、専門的な「IT知識」が必要です。

IT知識といっても幅広く、たとえばサーバー関連であれば、「DNS」「アクティブディレクトリ」「クラスタシステム」などのテクノロジーが挙げられます。

もちろん、システムエンジニアが扱うのはサーバーの知識だけでなく、他にもネットワーク、データベース、セキュリティなどさまざまな分野があり、覚えることは膨大にあります。

大学や専門学校などで情報処理分野を専攻すると、これらIT知識の基礎的な部分を身につけることができます。

独学も可能であり、市販の技術書や学習ソフトを使うことでもある程度の知識は蓄えられます。

自宅のPCを使い、簡単なサーバー環境やデータベース環境を作り上げてみるのもよい学習になるでしょう。

なお、IT知識は、入社時の段階ですべての分野に精通している必要はもちろんありません。

システムエンジニアとして働き、長い時間を掛けてマスターしていくものです。

業務知識

「業務知識」とは、簡単にいえば、その業界特有の知識や仕事の進め方のことを指します。

金融業界には金融業界特有の業務知識があり、医療業界には医療業界特有の業務知識があります。

クライアントの要望に合ったシステムを作るには、単にIT知識だけでなく、担当する業界の業務知識も習得しなくてはなりません。

もちろん、ありとあらゆる業界の深い知識を身につけることはほぼ不可能です。

しかしながら、最低限クライアントと会話ができるだけの知識を身につけることで、より信頼関係も深まり、目的達成に近づく設計ができるようになります。

業務知識を学ぶにはその業界で働くことが一番ではありますが、表面的な部分であれば市販の書籍や、昨今はインターネット上の情報からも学ぶことができます。

異業種からシステムエンジニアに転職してきた人のなかには、出身業界で身に付けた業務知識を武器に活躍する人もいます。

システムエンジニアに必要なスキル

ヒアリング力・提案力

システムエンジニアには「ヒアリング力」や「提案力」が求められます。

これらは「コミュニケーション能力」にも含まれるともいえますが、システムエンジニアは「クライアントが何を望んでいるのか」をきちんと理解することが大前提です。

それができなければ、その先に生み出すものはピントがぼけたものとなってしまいます。

クライアントに対して適切にヒアリングし、そのうえで考えたものを正しく相手に伝えていく力を備えることが、システムエンジニアには求められます。

とくに設計や要件定義などの「上流工程」を担当するシステムエンジニアにとっては、ヒアリング力や提案力がないと死活問題になります。

ヒアリング力や提案力は、机上で学ぶというよりも、実際の経験を通して養うスキルです。

学生であれば、人に対して提案や折衝を行うアルバイトなどをしてみるのも経験の下地になるでしょう。

マネジメント力、リーダーシップ

システムエンジニアとして経験を積むと、いずれ「チームリーダー」「プロジェクトリーダー」「プロジェクトマネジャー」などのマネジメントポジションを任されることも増えてきます。

時に何十人ものエンジニアをまとめ上げることもあり、そうなった場合には集団を管理する「マネジメント力」や、チームを鼓舞し牽引する「リーダーシップ」などが求められてきます。

マネジメント力やリーダーシップも、実際の経験を通して養うスキルです。

学生であれば、ゼミやサークル、もしくはアルバイト先などでリーダー経験やマネージャー経験を積んでおくと、その経験は将来力となってくれるでしょう。

論理的思考力

システムエンジニアの仕事は、「論理的思考力」が常々求められます。

設計書を作成するにしても、メールで報告をする上でも、打ち合せでちょっとした会話をする場合にも、論理的思考力は欠かせません。

ITシステム自体が論理的に作り上げられたものですので、論理的思考力が乏しいと、仕事がうまく進められないだけでなく、時に重大な事故やトラブルを起こす原因にもなり得ます。

「論理的思考力」や「ロジカルシンキング」に関する書籍は数多く出版されており、専門家の書いた書籍を読むだけでも論理的思考の基礎的な考え方は学べます。

その上で実践を繰り返していくと、スムーズに身につけやすいでしょう。

システムエンジニアにプログラミングの知識は必須ではない

システムエンジニアというと「プログラミング」のイメージをもつ人もいるかもしれませんが、システムエンジニアとして働く上で、プログラミング関連の知識は必須ではありません。

プログラミングの知識が必要なのは、どちらかというと「プログラマー」です。

システムエンジニアは、プログラムを搭載するITシステムをどのようにするかを考える立場であり、直接プログラミング作業を行う機会は決して多くありません。

とはいえ、プログラムも広くはITシステムの一部であり、プログラマーたちとの打ち合わせをするにしても、プログラミングの知識があるとよりスムーズになるため、プログラミングスキルがあるに越したことはありません。

企業によっては、とくに中途採用の場合、最低限のプログラミングスキルがないとシステムエンジニアとして採用されないこともあります。

プログラミングの学習は、市販の参考書を使って勉強することもできますし、昨今はインターネット上に無料で学べる学習コンテンツなども用意されています。

独学では難しい場合は、「プログラミングスクール」などに通ってみるのもよいでしょう。