システムエンジニアは何歳くらいまで現場で働ける?キャリアパスは?

何歳くらいまでシステムエンジニアとして働ける?

年齢関係なく働ける職種ではある

システムエンジニアの仕事は、ITに関する専門知識やスキル、周囲と円滑にコミュニケーションできる能力があれば、年齢や性別に関係なく続けていくことができます。

重いものを運んだりする力仕事的な仕事はほとんどありませんし、感性や見た目が若くないとできない仕事というわけでもありません。

重要なのは頭脳であり、そして積み重ねた経験となってくるため、40代や50代など歳を重ねたベテランのシステムエンジニアのほうが重宝される場面もあります。

また、IT業界の人手不足は年々深刻化しており、その解消として、シニア世代のエンジニアを採用していく動きも積極化してきています。

さらにいえば、IT業界は少しずつ高齢化も進んでおり、一部の調査では、2030年にはIT人材の約3割が50代以上になるとも示唆されています。

水面下ではそのような動きもあるため、ゆくゆくは、50代以上はもちろん60代以上のシニア世代になっても、当然のように働き続けられる仕事になっていく可能性も高いでしょう。

高齢の現場仕事には課題もある

ただし、今現在システムエンジニアとして活躍している人の年齢層を見ると、20代~30代の若い層が多いというのも事実です。

その理由として、年齢を重ねることで「身体的」にも「精神的」にも負担が大きくなりやすいことが挙げられます。

身体的な負担としては、システムエンジニアは納期前などが忙しくなりやすく、生活も不規則になりがちです。

ときには深夜残業や休日出勤までして働くこともあるため、やはり多少のムリがきく若い人材の方が働きやすい部分があります。

60代になってもこの業界で働き続けたいと思うのであれば、若いうちから積極的にスポーツや食事のコントロールを心がけ、健康を維持することが必要不可欠です。

続いて精神的な負担として、IT業界は技術の進歩がめざましく、常に新しい情報を追いかけなければあっという間に置いて行かれてしまうことが挙げられます。

さらにいえば、子どもの頃からデジタル機器に囲まれて育った若い世代のほうが、知識の吸収やスキルの応用に長けていることも多いです。

そのような若い世代に負けないためには、ベテランになってからも歩みを止めずに、謙虚な気持ちで精進し続ける姿勢が求められてきます。

フリーランスという道もある

独立し「フリーランス」となれば、定年はありません。

仕事さえ受注できれば、何歳まででもシステムエンジニアとして活躍できます。

またフリーランスであれば、働き方もある程度自由に調整することができます。

中には在宅勤務の案件や、1ヶ月程度の短期間の案件などもありますので、高齢になった自分のライフスタイルに見合った働き方ができることもあるでしょう。

ただしフリーランスは完全実力主義の世界になりますので、サラリーマン時代以上に経験やスキルがシビアに問われます。

フリーランスとして、自分の望む案件を選び、自分に合った働き方をしていくには、システムエンジニアとしての市場価値を常に高めていく必要があります。

システムエンジニアのキャリアパスや将来について

システムエンジニアの代表的なキャリアパス

システムエンジニアの一般的なキャリアパスとして解説します。

20代のうちは、現場の第一線に立ち、構築や運用などの下流工程を経験しながらシステムエンジニアとしてのスキルを身に付けていきます。

30歳前後になると、要件定義や基本設計といった上流工程の仕事にシフトしていくケースが多いです。

また、小さなチームのリーダーなどを任されることも増え、徐々にマネジメント側の立場に移行していくのもちょうど30歳前後の時期です。

そして40代に入ると、プロジェクトリーダー(PL)やプロジェクトマネージャー(PM)を任され、エンジニアというよりはマネージャーの業務が中心となってきます。

とくに大手IT企業の社員はマネジメント職を経験する機会に恵まれており、早い人であれば30代のうちからプロジェクトマネージャーなどに任命されることもあります。

もちろん、生涯現役を貫き、何歳になっても現場の第一線で活躍するスペシャリストなシステムエンジニアを目指す人もいます。

その他にもキャリアパスは豊富

システムエンジニアとして経験を積むと、他にもさまざまなキャリアパスが描けてきます。

<システムエンジニアのキャリアパスの例>
・「プログラマー」「ネットワークエンジニア」など、別のITエンジニア職にキャリアチェンジする
・「IT営業」「ITコンサルタント」「経営コンサルタント」「データサイエンティスト」など、システムエンジニアの経験が活かせる類似職種にキャリアチェンジする
・課長や部長といった自社の管理職に移行し、部署のマネジメントや人材育成などを行う
・専門学校やITスクールなどの講師として活躍する
・独立し、フリーランスのシステムエンジニアとして活躍する

システムエンジニアは、単にITスキルだけでなく、コミュニケーション力やマネジメント力といったヒューマンスキルまで、幅広いスキルを身につけられる職業であり、将来描けるキャリアの選択肢は多めです。

とくに同じIT業界内ではキャリアチェンジがしやすく、「当初はシステムエンジニアとして働いていたのに、いつのまにかIT営業になっていた」などのケースはよくあることです。