測量士への転職・未経験募集はある?
測量士への転職状況は?
測量は、あらゆる工事の根幹をなす作業であり、公共工事を中心に需要はきわめて底堅いです。
しかしながら、測量士の仕事自体は体力的にも精神的にもハードであり、離職率は決して低くありません。
そのうえ、近年は土木関係の職業全体で、汚い、危険が多いといった負のイメージもあって、若い世代を中心になり手が減少しています。
このため、現状どこの測量会社も人手不足にあえいでおり、新卒採用だけでなく、転職者などの中途採用に対してもきわめて積極的です。
土木工事などの経験者はもちろん、まったくの未経験者でも一から指導するという職場もあるため、やる気さえあれば測量会社に就職することはさほど難しくないでしょう。
ただし、測量士は屋外のフィールドワーク、屋内のデスクワークともに、ハイレベルな知識とスキルが求められる専門性の高い技術職です。
必要な技術を身につけるための下積み期間は長くかかりますし、さらにキャリアのどこかで国家資格を取得しなければなりません。
転職を成功させるには、明確な意思と、長期にわたる努力が不可欠といえます。
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測量士への転職の志望動機で多いものは?
測量士へ転職する動機で多いのは、現在就いている職業とは異なるやりがいや楽しさを求めるというものです。
たとえば、メーカーなどで設計や製造に携わっている人が、同じものづくりでも道路や橋、トンネル、ダムなど、より規模が多く、社会貢献度の高いインフラを手掛けたいという理由で測量士に転職するケースが見られます。
ものづくりに携わる人にとって、ものづくりを通して地元に貢献できる、あるいは地図に残るものをつくれるというのは、非常に大きなモチベーションとなります。
また、測量士は、ドローンをはじめとした最新機器を扱うことも多い職業です。
もともと機械いじりや操縦が好きで、好きなこと・得意なことを生かせる仕事がしたいと、測量士に転職する人もいます。
そのほか、現在の職業の将来に不安を抱いている人が、安定性を求めて測量士を目指すパターンもあります。
測量士の国家資格があれば、少なくとも働き口に困ることはありませんし、また全国どこでも仕事を見つけることが可能ですから、「手に職をつける」という意味では測量士はうってつけといえる職業のひとつです。
未経験・社会人から測量士になるには
測量士になるには、測量士の国家資格を得ることが必要ですが、その資格の取得方法は複数あります。
未経験・社会人から測量士になる方法も、いくつかのルートが考えられます。
以下に代表的な方法をいくつかご紹介します。
どのルートも一長一短があるため、各人の家庭事情や経済状況、勉強の得意不得意などを勘案し、最適な方法を選択してください。
学校に通い直す
測量士資格を得る最もオーソドックスな方法は、指定された学校に通って専門科目を履修した後、実務経験を積む道です。
条件さえ満たせば、試験を受けることなく国家資格が得られるため、確実性が非常に高い点が魅力です。
夜間課程のある学校も数多くあり、社会人として働きながら勉強することも十分に可能です。
ただ、最短でも2年ほどは学校に通わないといけないため、人によってはハードルが高く感じられるかもしれません。
国家試験を受ける
次に考えられるのは、測量士試験合格を目指す道です。
測量士試験は、測量技術に関する専門知識と、三角関数やベクトル、行列などの数学力が求められる難関ですが、受験資格などは一切なく学歴は不問であり、必要なのは単純に学力のみです。
高校レベルの数学を自力で勉強するのは大変かもしれませんが、通信講座などを利用してコツコツ勉強すれば、働きながら合格することも決して不可能ではないでしょう。
先に測量事務所や測量会社に補助スタッフとして就職し、現場経験を積みながら試験合格を目指すという選択肢もあります。
測量士補を経由する
3番目に考えられるのは、測量士補試験に合格して測量士補として就職し、将来的に測量士へのステップアップを目指す方法です。
大きく難易度の落ちる測量士補試験であれば、まったく予備知識のない未経験者でも、また社会人として働きながらでも、合格することはそこまで難しくないでしょう。
ただ、測量士に昇格するには、試験合格後に専門の養成施設に通うことが必要であり、手間と時間が余分にかかってしまう点は大きなネックといえます。
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測量士への転職に必要な資格・有利な資格
測量会社などに転職するにあたって、測量士資格・測量士補資格は必須ではなく、上述したように、未経験者でも採用するという企業も珍しくありません。
ただ、給与などの雇用条件面は厳しいケースが目立ち、契約社員やアルバイトといった非正規での採用となる可能性もあるため、就職前に資格を取得しておくことが望ましいでしょう。
そのほか、転職にあたって有利となる資格としては、「土木施工管理技士」や「舗装施工管理技術者」「コンクリート診断士」など、工事現場関係の各種資格が挙げられます。
また、「CADオペレーター」など、設計関係の資格があれば、即戦力になれる人材として、どの企業からも歓迎されるでしょう。
測量士が使用するCADは、「AutoCAD」や「Jw_cad」など建築で用いられるごく一般的なソフトと同じですから、市販のテキストを購入して働きながら勉強することも可能です。
測量士への転職に役立つ職務経験は?
測量士への転職に役立つ職務経験としては、まず建設会社で働いていたキャリアが挙げられます。
どんな工事でも、測量作業のあとには必ず土木工事が実施されるため、測量士と工事業者の仕事は、非常に密接な関係にあります。
現場監督でも設備業者でも職人でも、元の職種がなんであれ、工事現場の実情を知っていることは、測量士として働くうえで大きな武器となるでしょう。
また、測量士は発注元となる民間の建設会社や官公庁の公務員、外注業者など、数多くの人と条件面を交渉したり、測量結果を説明したりすることが求められる職業です。
このため、不特定多数の社外の人と関わることの多い、法人営業職などの経験も役に立つでしょう。
コミュニケーションスキルだけでなく、外回りの営業マンとして培われた脚力や体力も、測量作業で山道などを長時間歩く際には役立つかもしれません。
測量士への転職面接で気をつけるべきことは?
測量士が屋外で行う測量作業は単独で行うことはまずなく、2人~5人のチームを組んで、役割分担しながら作業を進めます。
このため、測量士にはチームワークが必要であり、「この人となら一緒に仕事しやすそうだ」と面接官に思ってもらえるかどうかが、採用の合否を分けるキーポイントとなります。
転職面接においては、挨拶などの礼儀作法を意識することはもちろん、明るい表情やはきはきとした受け答えを心掛けて、親しみやすい人物であることをアピールしましょう。
また、前職を辞めた理由や、新卒で測量士を選ばなかった理由については、まず間違いなく問われることになりますので、きちんと客観的に納得できる回答を準備しておくべきです。
説得力のある受け答えをできる自信がないなら、想定問答集を作成して、第三者に添削してもらうとよいでしょう。
測量士に転職可能な年齢は何歳くらいまで?
一人前の測量士になるには、数年程度の期間をかけて、測量知識や各種機器の操作技術、測量図面の描画など、複数の専門的なスキルを身につけていかなければなりません。
また、重い機材を担いで山の中や森の中を長時間歩き回るなど、測量士は体力勝負の面も強い職業です。
このため、さまざまことを身につけやすく、また体力的にもムリのきく、若い年齢の人材ほど好まれる傾向にあり、転職できる限界としては30歳が目安となるでしょう。
ただし、近年は上述したように業界全体で人手不足が慢性化しているため、土木工事などの関連したキャリアさえあれば、30代でも採用する企業も一部見受けられます。
なお、測量士試験に年齢制限はないため、それ以上の年齢であっても、測量士の資格取得自体は可能です。
しかし、40代以上の未経験者に実務を一から懇切丁寧に指導するという職場はほぼありません。
資格があったところで、年齢を重ねてからの転職はあまり現実的ではないでしょう。
未経験から測量士に転職する際の志望動機
測量事務所や測量会社は、官公庁や民間の建設会社、不動産会社など、それぞれ異なるクライアントを抱えており、請け負う案件の種類は企業によって大きく異なります。
インフラ工事のため、河川の深浅測量を手掛ける企業もあれば、戸建住宅分譲のため、宅地造成測量を手掛ける企業もあります。
このため、未経験から測量士に転職する際の志望動機については、できる限り事前に各社の事業や特徴について調査し、「その企業でなければならない」という必然性の感じられる内容にするべきです。
未経験者は、業界知識がないぶん、書いていることが本当に正しいのかどうか、自信を持てないことも多いかもしれません。
しかし、多少間違った内容が含まれるとしても、門外漢なりに一生懸命調べれば、少なくとも本気で測量士を目指しているという熱意は面接官に伝わるはずです。
Webだけでなく、知り合いに尋ねたり、書籍を購入したり、あるいは現場を見学するなど、さまざまな情報源を当たってみましょう。