手話通訳士の働き方の種類・雇用形態

手話通訳士の雇用形態

都道府県の手話通訳者として活躍

手話通訳士の求人は数そのものが少ない上、一般の求人誌などには、ほとんど募集が出ません。

そのため、多くの手話通訳者は各自治体の実施する手話通訳者全国統一試験を受験し、「都道府県認定の手話通訳者」として登録され、仕事の依頼を受けています。

ちなみに登録には手話通訳士の資格の有無は問われません。

本業を他に持ち、依頼を受けて手話通訳を行うという働き方も一つの選択肢であるといえます。

専任はごく少数

中にはごく少数ではありますが、副業を持たずに活躍している人もいます。

たとえば、手話通訳の技術を習得できる教育機関で講師を務めている人、テレビ番組の手話通訳を務めている人などが挙げられます。

しかし、このような職業に就くためには相応の実力が要求されるため、誰もができることではないことを理解しておきましょう。

正社員の手話通訳士

通常業務の延長として手話を生かす

手話通訳士を本業として安定した収入が得ることは、非常に難しいといえます。

基本的に手話通訳士そのものの求人募集はほとんどなく、多くの手話通訳士は社会福祉法人や社会福祉協議会、市役所などで職員として働き、通常の業務の延長として、他手話通訳を行うといったケースが一般的となっています。

これらの職業に従事している人は業務の特性上、聴覚障害者と日常的に接しているため、日常的に手話技術が要求されているということができます。

民間企業での募集状況

残念ながら、民間企業でも手話通訳士を専門に募集するケースはほとんどありません。

ただし、最近は一部の銀行や商業施設、ショップ、または特定のイベント時などにおいて、手話通訳ができるスタッフの募集をかけることも少しずつ出てきているようです。

また、大手企業の中には聴覚障害者を一定数採用していることもあり、そのような企業では手話通訳ができる人材を社員として雇うケースもあります。

派遣の手話通訳士

手話通訳士のほとんどは派遣

現在、手話通訳士の資格を所持している人は全国に3,000人ほどいます。

しかしそのほとんどが別に本業を持っており、手話通訳士としては、非常勤として派遣されて勤務するという形態をとっています。

各自治体の手話通訳者として派遣される

都道府県が認定した民間機関(全国手話研修センター)が実施する「手話通訳者全国統一試験」に合格した後、都道府県の独自審査を通過することで「都道府県認定の手話通訳者」として登録されます。

多くの手話通訳士がこの登録を受けており、各自治体が受けた依頼先に派遣されて手話通訳業務にあたっています。

都道府県の手話通訳者認定制度には法的根拠は無く、省令による都道府県独自の制度を持つ場合もありますが、多くの場合が二次試験まで設け、各人の適性をはかります。

聴覚障害や福祉全般、手話の基礎知識などが問われる筆記試験、手話映像の読み取り試験を通過した後、録音音声による課題の同時通訳試験、面接試験を二次試験として課すのが一般的です。

試験の突破には最低でも3年程度の手話通訳経験が必要であるといわれており、手話サークル等に所属し、経験を積むことが必要であるといえるでしょう。

民間の派遣会社に登録

福祉を専門とする民間の人材派遣会社に手話通訳士として登録をする方法もあります。

こうしたところに登録をすることで手話通訳士として派遣されて仕事をすることが可能です。

派遣の手話通訳士の業務は依頼者の必要に応じて発生するため、まとまった収入が得づらいのが現状で、各自治体の手話通訳者として登録しながら、こうした民間の人材派遣会社に登録し、より多くの業務を請け負うことを目指す手話通訳士も少なくないのです。

アルバイト・パートの手話通訳士

個人で求人を見つけるのは困難

手話通訳のアルバイトは広く一般的に募集をかけるものではありません。

手話通訳の技術がある程度ある人でなければ務まらない、極めて専門性の高いアルバイトであるため、手話通訳の勉強をしている学生のいる教育機関や、サークル等に求人が届くことになり、一般的なアルバイトのように求人誌や求人サイトで情報が見つかることはほとんどないでしょう。

そもそも手話通訳の仕事自体、自治体の予算が足りないため、各種講習会を修了した上級者にボランティア(無償)として働いてもらう、という形態が大半であるのが現状で、手話通訳のアルバイト募集は極めて少数です。

依頼者の都合に合わせて発生するものであるため、時間帯もまちまちであり、コンスタントに仕事があるとは限りません。

しかし、手話通訳士を目指す上で現場経験を積むという意味では非常に価値のあることであるといえるでしょう。

資格がなくても応募可能

手話通訳のアルバイトは必ずしも「手話通訳士」の資格が必要という訳ではありません。

都道府県認定の手話通訳者の資格、または、それと同等の能力があれば、応募することが可能である場合がほとんどです。

もちろん、手話通訳士の資格があれば有利であることは言うまでもありませんが、資格の有無で業務内容に差が出ることはほとんどないでしょう。

副業・在宅の手話通訳士

手話通訳士の中には他に職業を持った上で、ボランティアとして手話通訳を行っている人もたくさんいます。

自治体としても手話通訳に充てられる予算が限られているため、ボランティアに頼っているというのが現状です。

手話通訳士としての技術を向上させるために、報酬を目的とせず、積極的にボランティア活動を行う人も多数います。

また、手話通訳士を目指す上でもこういったボランティア活動はスキルアップにつながるといえるでしょう。