日本の心理学者の有名な人【2020年版】

心理学者はメディア出演している?

心理学の専門家としてテレビやラジオなどのメディアに出演している人の多くは、心理学者ではなく精神科医や臨床心理士である場合がほとんどです。

臨床心理士の仕事

現代社会において、純粋な心理学者として有名な人物を大衆レベルで挙げることは難しいといえます。

ここでは学問の世界で著名な心理学者を紹介します。

日本の心理学者の有名な人

日本における心理学や関連分野の礎を築いた第一人者をはじめ、現在活躍中の有名な心理学者を6人紹介します。

多くの心理学者は、論文や著書を多数手がけているのが特徴です。また、現代の心理学者は講演会や相談など、幅広い分野で活躍しています。

日本の心理学者の有名な人は、どのような実績を持つのか見ていきましょう。

元良 勇次郎(もとら ゆうじろう)

元良勇次郎(1858年-1912年)さんは、日本最初の心理学者といわれています。

生まれる直前の1853年の黒船来航をはじめ、1850年代に多発した安政の大地震など、幕末から明治維新にかけての大変動期を生きた心理学者です。

当時、日本における心理学関連の書物は全て外国語で書かれており、実際にその知識や手法を体得している日本人はいませんでした。

同志社英学校で心理学を学び、1883年から1885年にかけてアメリカ・ボストン大学やジョンズ・ホプキンス大学で学びます。

帰国後、海外で学んだ心理学や哲学、倫理学などを日本に根付かせました。

研究のなかでも、児童の注意力に関するものは当時の教育関係者から高く評価され、帰国後は東京英和学校(青山学院の前身)の設立に参画して教鞭もとっています。

さらに、帝国大学文化大学の教授として心理学や倫理学などの講座を担当し、日本における近代心理学の礎を築きました。

松本 亦太郎(まつもと またたろう)

松本亦太郎(1865年-1943年)さんは、恩師にあたる元良勇次郎さんとともに日本に心理学を根付かせた有名な心理学者です。

東京帝国大学文学部哲学科卒業。アメリカ・イェール大学に留学して音空間の研究で博士号を取得したのち、ドイツのライプツィヒ大学にてヴィルヘルム・ヴント氏から心理学を学びました。

帰国後、京都帝国大学教授として心理学講座を新設。1913年には東京帝国大学の教授に就任し、心理学や倫理学を担当しています。

1927年、日本心理学会を創設し初代会長を務めるなど、日本における心理学の実践に貢献しました。

河合 隼雄(かわい はやお)

河合隼雄(1928年-2007年)さんは、日本の心理学者で最も有名な人物といっても過言ではありません。

日本人として初めて、ユング研究所にてユング派分析家の資格を取得しました。

京都大学理学部卒業後、性格検査の代表的な手法「ロールシャッハテスト」に興味を持ったことを契機に、1959年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校に留学します。

スイスの心理学者ドラ・カルフ氏の影響を受け、1965年に箱庭療法を日本へ初めて導入し、日本箱庭療法学会の設立に参画しました。

1988年には日本臨床心理士資格認定協会を設立し、臨床心理士の資格整備にも貢献。2002年には第16代文化庁長官に就任しています。

大山 正(おおやま ただす)

大山正(1928年-2019年)さんは、実験心理学、心理学史、心理学研究法、色彩学を専門とする日本の有名な心理学者です。

東京大学文学部卒業、東京大学大学院特別研究生修了。北海道大学文学部講師を経て、1963年から1年間、フルブライト研究員としてコロンビア大学に留学し、色の実験に取り組みました。

帰国後は千葉大学文理学部や東京大学文学部の教授、日大文理学部長などを務め、心理学に関する多くの著書や論文を発表しました。

2003年から日本心理学会・日本色彩学会・日本アニメーション学会名誉会員となり、2007年には日本心理学会国際賞特別賞受賞。色彩学の研究が評価され、2009年には日本色彩学会賞を受賞しています。

岸見 一郎(きしみ いちろう)

岸見一郎さんは、1956年生まれ・京都府出身の有名な心理学者・哲学者です。

京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学(西洋哲学史専攻)。プラトン哲学やアドラー心理学を研究し、日本アドラー心理学会顧問を務めています。

数多くの著書を世に送り出しており、2013年に出版された古賀史健(こが ふみたけ)さんとの共著「嫌われる勇気」は、100万部越えのベストセラーとなりドラマや舞台化されました。

また、講演会も精力的に開催し、2020年にはオンライン講座も行っています。

岸田 秀(きしだ しゅう)

岸田秀さんは、1933年生まれ・香川県出身の有名な心理学者・エッセイストで、1980年代の「ニュー・アカデミズム」の先駆者です。

早稲田大学第一文学部心理学科卒、同大学大学院修士課程修了後、渡仏してストラスブール大学大学院に留学します。

帰国後の1972年から2004年の定年退職まで和光大学で教鞭をとりながら、多くの著書を発刊しました。

1977年出版の心理学や人間について述べた「ものぐさ精神分析/青土社」が有名です。

同書は、映画監督の伊丹十三(いたみ じゅうぞう)さん、小説家の橋本治(はしもと おさむ)さん、シンガーソングライターで作曲家の来生たかお(きすぎ たかお)さんなど、各界にも広く影響を与えました。

2019年の「唯幻論始末記/いそっぷ社」では、フロイト理論により自身の不幸な母子関係を分析しており、唯幻論の集大成ともなることから"人生最後の本"と称しています。