歯科医師の求人状況・就職先の選び方
歯科医師の就職先にはどんなところがある?
歯科医師の働く場所は、大きく下記の3つに分けられます。
- 歯科医院(歯科診療所・クリニック)
- 大学附属病院や総合病院の口腔外科
- 公立病院(公務員として)
それぞれについて解説していきます。
歯科医院
ひとつめは街の歯科クリニックや診療所などで、ここでは一般の人が描く歯医者さんのイメージに近い歯科医師として勤務します。
2016年に厚生労働省が発表した「医師・歯科医師・歯科医師調査」によれば、歯科医師の約85%は歯科医院で勤務しているようです。
さらにその内訳をみると、内57%が開業医で、のこりの28%が診療所などの勤務医という割合になっています。
大学附属病院や総合病院の口腔外科
大学附属病院や総合病院の口腔外科も、歯科医が勤務する先として大きな割合を占めています。
6年制の歯科大学や歯学部のある大学では、多くの場合は医学部(歯学部の附属病院がある場合もあります)附属病院を持っています。
そのため、新人の歯科医師は1年の臨床研修を終えたのち、そのまま系列病院の医局に入ったり大学院に進学したりするケースもあります。
大学付属病院では医療における最先端の研究が日々進められているため、最新の医療知識や技術を身につけることができ、また幅広い症例を経験することができます。
公立病院(公務員として)
割合としては高くありませんが、公立病院に勤務するケースもあります。
公立病院などの口腔外科や歯科で勤務する場合、その身分は公務員の扱いになります。
公務員の歯科医師として働くためには、歯科医師免許を持ったうえで、それぞれの自治体が実施する公務員採用選考を通過する必要があります。
20代で正社員への就職・転職
歯科医師の求人の状況
現在、歯科医院はコンビニエンスストアよりも多く存在し、歯科医院があふれた結果、赤字経営となるケースも増えているといわれます。
しかし、食べることや噛みしめることは人が生きていくうえで必須の機能ですし、歯科医師の需要は一定数あることに変わりはありません。
よって、「歯」という人が生きていくのに重要な器官を扱う歯科医師の需要は、決してなくなることはありません。
一方、歯科医師の供給過多、レベル低下などが問題となり、これからの歯科医師は仕事がしにくい状況であるという声も出ています。
とくに都会で開業を考える場合は、歯科医師余りの問題から立ち行かなくなるリスクが大きいでしょう。
とはいえ、まだまだ医師の供給には地方によって偏りが大きく、地方に行けば歯科医師を必要としているところはたくさんあります。
街の総合病院では常に歯科医師の求人が出ているところも少なくありません。
実際、潜在需要を掘り起こせるだけの技術があれば、十分にやっていけると話す歯科医師も多くいます。
歯科医師の就職先の選び方
歯科医師の仕事内容や待遇は、勤務する歯科クリニックや病院などによって大きく異なります。
入ってから「こんなはずではなかった」ということがないために、面接時など事前に疑問点は確認しておくことが必要です。
全国的には常に歯科医師の求人が出ています。
また、最近では院長が年を取って引退する際に、若い歯科医師を数名雇い、自身は経営のみを担当する形に移行するクリニックも見られます。
このほか、最近では常勤の募集でなく、非常勤の歯科医師、女性の歯科医師を歓迎する医院も増えてきました。
確かな技術を持っていれば、職にあぶれることはないでしょう。
20代で正社員への就職・転職
歯科医師の志望動機・面接
歯科医師を志望する動機は、人によってさまざまです。
虫歯の予防や治療を第一に考えている歯科医師から、歯列矯正など自費治療である審美歯科を中心に考えている人、小児歯科や老人歯科を専門にして人々に貢献したいと考える人など、歯科治療の目的や方法も人によって異なります。
面接前には、自身の得意分野や興味のある分野をしっかりと見定め、そこをアピールポイントとして伝えましょう。
面接官は、志望者の歯の治療に対する真剣さ、手先の器用さ、丁寧さ、院内のスタッフとうまくやっていく協調性があるかどうかをしっかりと見極めようとします。
また、向上心があり、ブラッシュアップをしていく意欲があるのかどうかも当然見ようとしますので、面接では誠実で真摯な受け答えと、相手の話を聞いてしっかりと会話をすることを心がけましょう。
就職先はどのように探したらいい?
歯科医師の求人は、各クリニックのWebサイトによく掲載されますが、より効率的に求人を探したければ医療専門の求人サイトを活用するとよいでしょう。
また、出身大学の医局人事や同門、同郷の歯科医師から誘われたり話がきたりすることもあります。
また、昨今では就職・転職エージェントに仲介をしてもらい、就職・転職先を探すケースも増えています。
この場合は、自分だけで情報を集めるよりも、より自分の希望する条件に合った就職・転職先を見つけやすいことがメリットです。